更新日: 2022.11.23 その他暮らし

遊んだら犯罪? オンラインカジノから想定されるトラブルとは

遊んだら犯罪? オンラインカジノから想定されるトラブルとは
日本では、競馬等の公営ギャンブルを除き、賭博は禁止されています。しかし、合法とされている国もあります。
 
では、その国では合法とされているカジノ、そこに日本からオンラインで参加するのはどうなのでしょうか?
 
2022年10月24日、警察庁と消費者庁は、注意喚起資料『日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!』を公表しました。
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

日本国内では賭博は犯罪

刑法第185条により、日本国内で賭博をした者は、50万円以下の罰金または過料に、また、刑法第186条の1項により、常習的に賭博をした者は3年以下の懲役に処せられます。さらに、刑法第186条の2項では、賭博場を開帳し、または賭博を結合して利益を図った者は、3年以上5年以下の懲役に処されます。
 
国外での賭博には適用されず(刑法第3条)、例えば、カジノで賭博をすることが合法である国に旅行等で行って、そこで賭博をする分については対象外です。
 
しかし、たとえ合法とされている国のカジノであろうとも、日本に居ながらにして賭博をすることとなるため、刑法185条、186条第1項が適用されます。
 

こんな場合も・・検挙事例

警視庁のホームページには、オンラインカジノを利用した賭博事犯の2例の検挙事例が挙げられています。どのような場合に、検挙されたのでしょうか。

1、自宅(日本国内)のパーソナルコンピューターを使ってインターネットを利用し、海外の会社が運営するオンラインカジノのサイトにアクセスして、サイトのディーラーを相手に賭博をした事件
 
2、日本にいる客を相手にして、客のパーソナルコンピューターから海外にあるサーバーのオンラインカジノサイトにアクセスさせ、お金を掛けさせた事件

1の場合は、自ら賭博をした者に単純賭博罪、2の場合は、客にお金を掛けさせた者に常習賭博罪、客は単純賭博罪で検挙されました。運営が海外にあっても、海外のサーバーのサイトでも、日本にいて賭博を行うことが犯罪なのです。
 

被害者が犯罪者になることも

その他、オンラインカジノを「もうけ話」とするネットワークビジネスの問題もあります。
 
ネットワークビジネスは、例えば10万円、20万といった決して安くない入会金を必要とします。もっと高額な場合もあります。その後に他の人を勧誘して入会させれば報酬がもらえますし、さらに、自分が勧誘した人が他の人を勧誘して入会させれば、自分は何もしなくても報酬がもらえる仕組みとなっています。
 
国民生活センター令和3年8月12日の報道発表資料によると、「お金がない」と断っても、『借金させられて契約をさせられた』という相談が全国の消費者センターに寄せられていると注意喚起しています。令和元年8月29日にも、同様の注意喚起が発表されています。
 
特に投資や副業などの「もうけ話」の場合、「(もうけで)すぐモトが取れるから」と、特に社会経験の少ない20代の若者から寄せられています。クレジットカードや借り入れの審査を通るように、学生なのに正社員とうそを書くよう言われるケースもあります。
 
ネットワークビジネスで紹介される副業や投資の「もうけ話」は、詐欺的なものがほとんどなのですが、オンラインカジノのネットワークビジネスの場合は被害者になるだけでなく、実際にカジノで賭博をすると犯罪者にもなってしまいます。
 
知らなかったではすまされません。十分に注意しましょう。
 

出典

警察庁 オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!
消費者庁 日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!
e-GOV 法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法
国民生活センター 【若者向け注意喚起シリーズ<vol.4>】 借金するよう指示し、強引に契約を迫る手口に注意(令和3年8月12日)
国民生活センター 「お金がない」では断れない!きっぱり断りましょう -断っても借金させてまで強引に契約を迫る手口にご注意!-(令和元年8月29日)
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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