更新日: 2022.11.28 その他暮らし

ひとごとではない「三大疾病罹患」入院・治療で「300万円以上」が3割超え! 休職・離職した人も6割

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ひとごとではない「三大疾病罹患」入院・治療で「300万円以上」が3割超え! 休職・離職した人も6割
少子化が進むいっぽうで長生きをする人が多くなり、超高齢化社会待ったなしといわれている日本。厚生労働省によると、健康寿命と平均寿命の差は8~12年ほど。こう見ると、健康上の問題で日常生活が制限される期間は決して短くないようです。
 
人生100年時代といわれていますが、そうなってくると気になるのが病気やけがについてです。特にがん・心疾患・脳疾患の三大疾病については、今のうちから備えている人も少なくないのではないでしょうか。
 
三大疾病にかかると、仕事や収入にどのような影響が出るのでしょうか。スマートスキャン株式会社が発表した「三大疾病罹患後の経済的リスク」についての調査結果を見てみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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三大疾病の発覚。不安に思うことは「余命」と「出費」

この調査は、三大疾病(がん・心疾患・脳疾患)に罹患(りかん)した経験のある20代~60代の男女1057人を対象に行われたもの。
 
三大疾病に罹患した年齢については、もっとも多かったのが「40~49歳」で28.6%。2番目に多かったのは「30~39歳」で25.8%でした。働き盛りの年齢で発覚しているケースが多く、決してひとごととはいえない状況です。この人たちがまず不安に思ったことは以下のような順になりました。

【罹患したとわかったとき不安だったこと(上位3つまで選択可)】

1位:余命・治るかどうか 45.3%
2位:治療費や入院費などの出費 44.1%
3位:後遺症や障がいが残る 28.9%
4位:治療や入院中に収入が減少すること 23.0%
5位:仕事を失う・働けなくなる 22.7%
6位:介助や介護で家族に負担がかかる 10.0%

もっとも多かったのは、自分の余命や治るのかどうかといった病気と命に直結する内容でした。これは当然といえますね。ただ、それと同じくらいに不安になることが、治療費や入院費などの出費でした。自分の体のこととお金のことがまっ先に不安になるということになります。
 
そのほかにも、収入の減少や職を失うことなど、お金に関することを不安に思う声が多く聞かれました。治療にもお金はかかりますし、その間今までのように働けなくなると収入も減ってしまう恐れがあります。経済的な不安が大きくなるのも当然ですよね。
 

休職・離職で収入が減った人がおよそ8割。逸失収入の予想が2000万円という人も。

三大疾病とひとくちにいっても、状況や程度は千差万別。全体的に見て、治療や手術は仕事にどれくらい影響を与えるものなのでしょうか。

【治療や手術のため、休職・離職したか】

1位:休職し同じ職場に復帰して、勤務の時間や場所も変わっていない 33.4%
2位:休職はしなかったが休暇はとった 29.0%
3位:休職し同じ職場に復帰したが、勤務の時間や場所が変わった 16.2%
4位:休まなかった 10.4%
5位:離職し、別の仕事についた 7.6%
6位:離職し、以降働くことをやめた 2.1%

休まなかったという人がおよそ10%。ひょっとしたら日常生活に影響のない治療のみ行った人たちなのかもしれません。そして休職とまではいかないものの、休暇をとったという人がおよそ30%。残りのおよそ60%の人たちは、休職したり離職したりしていることがわかります。
 
休職・離職後の収入の変化については以下のとおり。

【罹患後の1ヶ月あたりの収入について】

1位:以前と変わらない、または増えた 23.7%
2位:5万円以上10万円未満の減収 15.9%
3位:10万円以上20万円未満の減収 14.6%
4位:3万円以上5万円未満の減収 12.3%
5位:3万円未満の減収 11.0%
6位:20万円以上30万円未満の減収 8.1%

こう見ると、80%近くの人が減収しています。傷病手当金などを受給できたとしても、復帰するまでの期間などによってはどうしてもマイナスになってしまうことが多いのでしょうか。ちなみに減収の期間については、もっとも多かったのが「3年以上5年未満」で26.3%。次に多かったのが「1年以上3年未満」で24.6%でした。やはりすぐに復帰とはいかないものなのでしょう。
 
ちなみに、逸失収入(健康で働き続けていれば得られたはずの予想収入)については、100万円から2000万円まで回答がさまざま。治療や入院にもお金がかかり、さらに逸失収入が発生するとなると、経済的なダメージは相当大きいことが予想されます。
 

入院費・治療費で300万円以上かかった人が3割超え

最後に、入院費・治療費について見てみましょう。

【治療・入院・リハビリなど(支援・介護を含む)の総額費用】

1位:100万円未満 37.5%
2位:100万円以上200万円未満 17.7%
3位:200万円以上300万円未満 12.6%
4位:300万円以上400万円未満 10.8%
5位:400万円以上500万円未満 7.5%
6位:500万円以上600万円未満 5.1%
7位:600万円以上700万円未満 2.7%
8位:1,000万円以上 2.5%
9位:700万円以上800万円未満 1.7%
10位:800万円以上900万円未満 1.0%
11位:900万円以上1000万円未満 0.9%

40%近くの人は100万円未満に収まっているようです。そのいっぽうで、300万円以上かかったという人も30%を超えています。
 
治療や手術は比較的低額だったものの、その後のリハビリに時間とお金がかかったというケースもありそうです。いざというときに備えて、日頃から保険に入っておいたり、貯金をしておいたりと、経済的なリスクに備えておくことが大切といえるでしょう。
 
お金の準備ももちろんのこと、まずは日頃の生活習慣から見直し、元気で健康な日々を送りたいものですね。
 

出典

厚生労働省 健康寿命の令和元年値について
スマートスキャン株式会社 「疾病罹患の経済的リスク」に対する実態調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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