更新日: 2019.01.10 その他暮らし

上司からセクハラを受けた… 弁護士に依頼する場合はどうなるの?

上司からセクハラを受けた… 弁護士に依頼する場合はどうなるの?
議員によるセクハラが世間を騒がせています。
 
これだけ、耳にすることが多いセクハラ被害ですが、実際に自分が遭ったとしても、どうしたらいいか分からないという人は多いのではないでしょうか。
 
今回は、セクハラ被害で弁護士に依頼する時の、具体的なプロセスや料金について学びましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

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石垣美帆

監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

大手商社に入社したY美さん。入社して半年で上司のセクハラに遭い…

Y美さんは新卒で、第一志望の大手商社に営業事務として入社することになりました。
 
Y美さんは何でもこつこつ努力するタイプです。家族はそんなY美さんを近くで見てきたので、Y美さんが内定をもらった時は、家族みんなで大喜びしたといいます。
 
入社後も、Y美さんは真面目に仕事をし、周りの信頼を獲得していきました。
 
入社から半年経ち、仕事にも慣れてきたころ、Y美さんにとって気が重くなるような出来事がありました。上司のセクハラです。
 

エスカレートするセクハラ。2人で飲みに行った後、お尻を触られた

上司のBさんはことあるごとにY美さんに話しかけ、肩をたたいたり、手に触れたりします。Bさんは部下に対して、好き嫌いで扱いを大きく変えるタイプだったので、Y美さんは強く拒否することができませんでした。
 
ある日残業で1人オフィスに残っていると、Bさんに「この後、2人で飲みに行こうよ」と誘われました。Y美さんは行きたくありませんでしたが、断った場合どんなひどい扱いになるかと思うと怖くなり、承諾しました。
 
案の定、2人で飲みに行くと、「今日はセクシーな格好だね」と身体をじっと見られ、帰り際にはお尻を触られました。
 
我慢の限界がきたY美さんは、Bさんのさらに上の上司に相談することにしました。しかし、返ってきたのは思いがけない言葉です。
 
「気にしすぎだよ。そんなのセクハラのうちに入らないだろ」。
 
Y美さんは、思いました。(せっかく入った会社だけど…辞めるなら早い方がいいかもしれない。でも、相手には絶対償ってもらおう)
 
Y美さんは上司のBさんを訴える覚悟を決めました。
 
*物語はフィクションです
 

一般企業でセクハラにあった場合、弁護士に依頼するとどのような手続がなされるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。

まず、一般的には弁護士から会社やセクハラを行った上司あてに内容証明郵便を送り、損害賠償請求の交渉が開始されます。相手が何も対応しなかったり、交渉が決裂した場合、労働審判の申立てか訴訟提起を行います。
 
なお、労働審判は、会社しか当事者にできませんので、セクハラを行った上司を当事者とすることはできません。
 
弁護士費用ですが、通常争う相手へ請求する金額で報酬が決まります。請求額が500万円だったら、その何%という形で決まることが多いです。
 
弁護士費用としては、事件に着手する際に支払う着手金の他、成功報酬として得られた利益の何%を受け取ることもあります。弁護士報酬は法律で定められているわけではないので、事務所や状況によって異なります。
 
セクハラ裁判の慰謝料の相場は50万円~150万円くらいですが、20、30万円程度のこともあります。慰謝料の金額は、加害者と被害者の立場、継続性や行動の内容などから、精神的苦痛がどれほどであったかで左右されます。
 
セクハラ裁判で負けてしまう場合は、証拠不十分であることがほとんどです。
 

弁護士に会って相談するだけでもOK。解決の糸口が見つかるかもしれません。

セクハラを訴える際は、弁護士に会社やセクハラを行った上司に対して内容証明郵便を送ってもらうところから、始まることが多いことが分かりました。
 
セクハラを訴えるのはとても勇気がいることですが、泣き寝入りしてずっと後悔して生きていくならば、このような選択肢もあることを念頭に置いてみてください。
 
訴えるかどうかは別として、弁護士に会って相談してみるだけでも大丈夫です。もちろん相談料はかかりますが、一人では見つからなかった解決策が見つかるかもしれません。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

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