更新日: 2019.01.08 その他暮らし
実録!35歳で45万円だまし取られたサラリーマン・・ 劇場型詐欺の怖さと現実
街を歩いている時に突然声をかけてきたのは「地元のやくざ」を名乗る男。「組長の息子が暴行され、犯人を捜している。確認のために事務所に付いてきてほしい」。男の話を信じてしまったIさん。
なぜだまされてしまったのか?どのように対処するのが正解だったのか?Iさんが遭った劇場型詐欺の手口をみてみましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
声をかけてきた男は「地元のやくざ」。無実の証明のために、事務所まで同行することに
当時35歳のIさんは地元の町を歩いていました。パチンコ屋さんの前に来た時、突然知らないおじさんに肩をたたかれました。
「私、地元のやくざです」
おじさんは腕をまくって入れ墨を見せました。Iさんがひるんでいると、おじさんは話を続けます。
「実は昨日の夜、組長の息子が暴行にあって、財布のお金を盗られました。40~50万円は入っていたみたいです。犯人に似た風貌の人に、かたっぱしから声をかけているところです。お兄さん、やってないとは思いますけど、ちょっと事務所までついてきてくれませんか?」
「やってないなら来られますよね」という言葉にIさんは惑わされ、おじさんに付いていきました。
道中、おじさんはフレンドリーに話しかけてきたと言います。「今日で声をかけるのは〇人目なんだよ」「お兄さんたばこ吸う?」途中、おじさんは仲間らしき人と電話をしていました。
電話で長々と話している内容に矛盾が無かったため、Iさんは「これは本当だ」と思ってしまったそうです。
「証明のためにキャッシュカードを渡して、暗証番号を教えてくれ」気づいた時には45万円を盗られていた
あるマンションに着くと、おじさんは言いました。
「キャッシュカード渡して、暗証番号教えてくれる?ある機械を持っていて、それを使えば盗ったお金を入金したかどうかが分かるから」
Iさんはキャッシュカードを渡し、暗証番号を教えました。
「マンションの上に事務所があるんだけど、今、組員たちも気が立ってるから、ここで待っていてくれないか」
おじさんはそう言って、Iさんをその場に残してマンションに入りました。
Iさんは5分ほど、マンションの上の方を眺めていたと言います。しばらくして、Iさんは「これは、おかしいんじゃないか?」とわれに返りました。
Iさんは急いで銀行に電話をし、「キャッシュカードを失くしたから、調べてほしい」と伝えました。すると、直近に45万円がおろされていると返事がきました。
当然、おじさんは戻ってこず、Iさんはこの時にようやく自分がだまされたことに気づいたのでした。
その後、Iさんは交番に行きましたが、結局犯人は捕まらず、お金も返ってこなかったそうです。
相手と親しくなってしまったため「逃げる」という選択肢を失くした
Iさんはだまされた後、冷静に考えればありえないことなのに、なぜありえると思ったのかと後悔しました。悔しくて一週間は眠れない日が続いたそうです。
どうしておじさんのことを信じてしまったのかと考えた時、相手のフレンドリーさに警戒心が薄れてしまったとIさんは振り返ります。
おじさんは話を合わせるのがうまく、話しながら歩いている間に親しくなってしまったそうです。そのため、「逃げる」という選択肢を失くしてしまいました。
Iさんはおじさんと歩いている時に、一度交番の前を通過しました。その際に、おじさんにたばこを渡されたそうです。今になってみると、交番に駆け込まれないようにそのタイミングでたばこを出してきたのではないかと考えられます。
「劇場型詐欺」に注意。もし遭ったらなりふり構わず逃げることが大事
複数の詐欺師がさまざまな役割を演じてターゲットをだまそうとする詐欺を「劇場型詐欺」と言います。Iさんのケースも、この劇場型詐欺です。
劇場型詐欺のひとつの例として、このようなケースがあるということを、ぜひ知っていただきたいと思います。
このような場合の対処法は、無視する、逃げる、交番に駆け込む、通報する、録音するなどです。もし、怪しいなと思ったら、なりふり構わず逃げるようにしましょう。
また、Iさんはこの一件で、銀行の口座を小分けにしたり、現金を持ち歩かずクレジットカードにしたりすることも大事だなと考えたそうです。
劇場型詐欺は誰でもターゲットになり得る、恐ろしい詐欺です。
知らない人にお金に関する話をされたら、フレンドリーで話しやすいなどの雰囲気に流されずに、慎重に判断しましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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