各国で「ビッグマック」を買うなら何時間働く必要がある? 日本は「約25分」という結果に!
配信日: 2022.12.05
また、ビッグマック指数とともに各国の時給を見ることで、ビッグマックを買うなら何時間働く必要があるのかが理解できます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ビッグマック指数とは何か?
ビッグマックは、マクドナルドが世界中の店舗で販売しているパティを2枚使った大型のハンバーガーです。原材料や調理法などがほぼ世界共通のため、どの国で買っても同程度の品質の商品が食べられます。そういった特性を生かして、各国の経済状況を知判断する指標の1つとして開発されたのがビッグマック指数です。
・ビッグマック指数とは
ビッグマック指数(BMI)は、英国の経済誌「エコノミスト」が考案した経済指標です。経済学には、同じ商品を同じように作っていれば同価格になるという法則(一物一価)があります。ビッグマックは当法則に該当する商品の1つであるため、エコノミストではビッグマックの価格を基準にすることで、各国の購買力の比較が可能であるとの考えからビッグマック指数が考案されました。
・ビッグマック指数で分かること
ビッグマック指数を見ることで、各国の実体経済が理解できます。例えば、2022年7月時点の米国におけるビッグマックの価格は5.15ドルで、日本の価格は390円でした。
この時点の為替レートは1ドル=137.87円のため、当レートで見た米国のビッグマックの価格は2.83ドルのはずですが、実際の価格は5.15ドル(710円)です。日本の価格より2.32ドル(319円)も高くなっています。
つまり、米国の物価は日本の約1.8倍ということです。このように、為替レートでは見えない実体経済の現状が、ビッグマック指数を見ることで理解できます。ただし、ビッグマック指数はあくまで参考値の1つにすぎません。実体経済のすべてを理解できるわけではない点には留意が必要です。
各国でビッグマックを買うなら何時間働けばいいの?
各国のビッグマック価格と時給から、ビッグマックを買うなら何時間働く必要があるのかを見てみましょう。
・日本
日本の2022年のビッグマック価格は390円で、最低賃金時間額時給(全国加重平均)は961円です。そのため、ビッグマック1個買うのに0.41時間(約25分)の労働が必要になります。
・米国
米国の2022年のビッグマック価格は5.15ドルで、2022年4月の時給は31.85ドルです。そのため、ビッグマック1個買うためには0.16時間(約10分)の労働が必要になります。
・英国
英国の2022年のビッグマック価格は3.69ポンドで、2022年4月の時給は9.50ポンドです。そのため、ビッグマック1個買うためには0.39時間(約23分)の労働が必要になります。
・韓国
韓国の2022年のビッグマック価格は4600ウォンで、2022年の時給は9160ウォンです。そのため、ビッグマック1個買うためには、0.50時間(約30分)の労働が必要になります。
・豪州
豪州の2022年のビッグマック価格は6.70豪ドルで、2022年7月の時給は21.38豪ドルです。そのため、ビッグマック1個買うためには0.30時間(約18分)の労働が必要になります。
・台湾
台湾の2022年のビッグマック価格は75台湾元で、2022年の時給は168台湾元です。そのため、ビッグマック1個買うためには0.45時間(約27分)の労働が必要になります。
経済に関心があるならビッグマック指数に注目しよう
ビッグマックの価格は「ビッグマック指数」と呼ばれる経済指標としても使われています。当指数を見ることで、商品価格や為替レートからは分からない実体経済の一端を知ることができます。
また、ビッグマックの価格と時給を併せて見ることで、その国の経済状況をさらに理解することも可能です。ビッグマック指数は、毎年7月と12月に英国の経済誌「エコノミスト」から公表されます。各メディアでも取り上げられるため、経済に関心がある人は要注目です。
出典
The Economist The Big Mac index
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
独立行政法人労働政策研究・研修機構 国際労働トピック2022年4月(イギリス)
ニッセイ基礎研究所 日韓が最低賃金を引き上げ-引き上げ率は日本が3.3%、韓国が5%
FearWorkOMBUDSMAN Minimum wages
JETRO ビジネス短信 2023年の最低賃金、月給ベースで4.56%引き上げ(台湾)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部