【個人使用でもダメ!】激安サイトで購入したブランドバッグが没収?

配信日: 2022.12.06

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【個人使用でもダメ!】激安サイトで購入したブランドバッグが没収?
A子さんは、ブランド物が大好きな会社員。実家暮らしで、給料のいくらかは実家に入れていますが、残りは自由に使っています。ブランド品の購入はインターネットで、気に入った商品を見つけたらすぐに購入しています。
 
ある日、高級ブランドのバッグがとんでもなく安く購入できるサイトを見つけました。数量限定です。慌てて購入し、商品が届くのを待っていました。すると、商品ではなく税関から通知が届きました。
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

個人使用目的でも、「模倣品」は輸入できません!

令和4年10月1日に改正商標法、意匠法、関税法が施行されました。
 
日本へ海外の事業者から模倣品(商標兼または意匠件を侵害するもの。俗にコピー商品とか偽ブランド品などといわれるもの)が送られた場合、税関で没収されます。
 
税関で模倣品の疑いがある商品が発見された時は、認定手続きが開始されます。商品は税関で止められ、輸入しようとした者には「認定手続開始通知書」が届けられます。そして、商品が知的財産権を侵害する物と認定されたら、その商品は没収される流れです。
 
令和4年9月30日までは、認定手続開始通知書が送られてきてしまっても、個人使用であることを主張して税関に認められれば、商品を受け取ることができました。しかし、令和4年10月1日からは、個人使用目的でも、模倣品は税関に没収されてしまい受け取ることができなくなりました。
 
たとえ、国内の通販サイトで購入しても、商品が海外の事業者から直接送付される場合には没収の対象となります。
 

税関で没収、支払ってしまった代金は?

ところで、模倣品と知らずに買って商品が税関に没取されてしまった場合、罰則があるのでしょうか。また、すでに業者に支払ってしまった代金はどうなるのでしょう。
 
財務省関税局ホームページの模倣品の水際取締り強化のサイトでは、「輸入者に事業性がなければ、罰則の対象とはなりません」とあり、すでに業者に支払ってしまった代金については、「購入代金の返金については対応いたしかねます。商品を購入した通販サイト等にお問い合わせください」と明示されています。
 
しかし、代金を支払った後に、通販サイトの業者と連絡が付かなくなるケースが多くあります。模倣品と知らずに購入して「認定手続開始通知書」が届いた場合、どうすれば良いのでしょうか。

(1) クレジットカード決済したものであれば、通知書が送られてきたことをクレジットカード会社に連絡しましょう。カード会社の対応が得られることがあります。
 
(2) 国内の銀行へ振り込んだ場合は、警察と振込先の銀行へ連絡します。

消費者ホットラインへ相談しましょう。海外の事業者とのトラブルの場合は、国民生活センター越境消費者センターでも相談ができます。ちなみに、A子さんは、「認定手続開始通知書」が届いたことを国民生活センター越境消費者センターに相談しました。
 

模倣品のトラブルになる前に、サイトのここをチェック

では、気づかずに模倣品を購入してしまうことを防ぐには、どうすれば良いのでしょうか。
 
模倣品のトラブルを防ぐために、信頼できるサイトかどうかを見極めることが大切です。国民生活センターは、以下のようなチェックリストで商品情報や事業者情報を確認するよう呼びかけています。

・サイトに表記されているが、そのブランドの正式な英語の表記と少しだけ異なる。
・日本語の字体、文章表現が不自然。
・ブランド、メーカー品にもかかわらず価格が通常よりも安い。
・市場では希少なものにもかかわらず、そのサイトでは入手が可能である。
・事業者の名称や住所、電話番号が明確には表記されていない。うその情報が記載されている。
・海外の電話番号の場合、国番号が記載の住所地と異なっている。
・事業者の名称、住所、代表者名などをインターネットで検索すると、別のサイトにおいても同じの内容が表示される。
・問い合わせ先として設定されているメールアドレスがフリーメールである。
・問い合わせ電話番号が通じない。
・キャンセル、返品、返金のルールがどこにも記載されていない。
・支払方法が銀行振込のみとなっている(クレジットカードが利用できると記載されていても、後から銀行振込をするよう指定されるケースもある)。

(国民生活センター 令和4年10月12日 報道発表資料より引用)
 
「激安!」と飛び付く前に、まずサイトの確認をしてください。トラブルに巻き込まれたら、1人で悩まずに誰かに相談しましょう。
 

出典

国民生活センター 模倣品に関するトラブルにご注意! ―令和4年10月から水際取締りが強化されました―(令和4年10月12日 報道発表資料)
財務省関税局 模倣品の水際取締り強化!
国民生活センター 越境消費者センター 相談事例/(2)模倣品の海外インターネット通販に関する相談
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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