「UR物件」に住むメリット・デメリット、そして思いがけないメリットとは?

配信日: 2022.12.07

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「UR物件」に住むメリット・デメリット、そして思いがけないメリットとは?
新年度に引っ越しを考えている人もいるのではないでしょうか。テレビのCMなどでよく目にする「UR」をご存じですか?
 
URは独立行政法人都市再生機構といい、日本住宅公団(1955年設立)を前身とした組織で、URとは英名のUrban Renaissance Agencyからの略称です。ちなみに日本住宅公団は戦後の住宅不足を解消するため設立され、各地のニュータウンを開発してきた公的組織でした。
 
本記事では一般的な民間の賃貸住宅とちょっと違うURの物件に住むメリットやデメリット、そして筆者が感じた思いがけないメリットなど、新生活の参考にしていただければと思い紹介します。
藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

UR物件に住む主なメリット


 
さて、URには「新しいUR物件」と「古いUR物件」が混在しています。両方に共通して借りるときに感じられるメリットは次の通りです。
 

■一気通貫で手続きができる
■仲介手数料、礼金、更新手数料がいらない
■保証人が必要ない
■割引が適用される物件がある
■Pontaポイントがたまる

 
物件の内見から契約までURが一気通貫で行うので、仲介手数料や礼金は必要なく、入居時には敷金の負担だけですみます。保証人も必要ないので面倒なことがないです。また、民間の賃貸物件では、何年かごとに求められる更新手数料もいりません。
 
また、いくつかの優遇策が準備されています。新婚世帯が最大3年間、子育て世帯は最大6年間、その二つを切り替えた場合に最大9年間、家賃の20%(上限2万5000円)をサポートしてくれる「子育て割」。
 
妊娠中を含め、同居する満18歳未満の子どもなどを扶養している世帯が3年間限定で、お得な家賃で借りられる「そのママ割」。35歳以下の人が3年間限定で、お得な家賃で借りられる「U35割」(3年間の定期借家契約)などです。
 
さらにPontaポイントを利用している人なら、「URでPonta」で家賃の支払額に応じてポイントがたまります。
 

筆者が感じた思いがけないUR物件のメリット

ここまではURが公式に述べていることです。ここからは、実際に住んだことのある筆者の感想をまじえての思いがけないメリットを紹介していきます。
 

■入居の年齢制限がない(高齢者でもOK)
■古いUR物件はかなりコスパが良い
■URからURへ移転するときには預けた敷金がそのまま繰り越せる
■退去時のチェックがそんなにうるさくない

 
筆者は高齢の家族と生活していますが、民間の賃貸住宅では高齢者の入居が拒まれることがあります(筆者は本当に経験しました)。しかしURはそのような制限はありません。
 
UR物件にはかなり古いものもあります。しかし、間取りは広めかつ、しっかりした造りで、きちんと耐震対策もされており、ゆったり暮らせます。また、古い物件でも、始めからエアコンが一基準備されているところが多いです。ただし、水回りなどはやはり古いので、UR側と相談して少しずつ模様替えしていく方法をおすすめします(基本的に費用はかかります)。
 
総じて古いUR物件はコストパフォーマンスがいいです。首都圏でも駅から離れているところなら、2DK~3LDKが月額4~8万円で借りられるものが多いですただし、あとで述べるようなデメリットもあります。
 
あまり知られてないことですが、URに入居するとき預けた敷金は、次もURに移転するときには、そのまま繰り越せます。例えば今よりももっと家賃の安いUR物件に引っ越せば、大きく部屋を補修する必要がないなら改めて敷金を納めることなく、逆に戻ってきます。この先収入が減っていきそうな時など、人生のステージに合わせてUR内で住み替えるのもひとつでしょう。
 
その退去時のチェックも、民間の賃貸に比べてあまりうるさくありません。「無理やりあら探し」をするようなチェックではなく常識的に使っていれば、まず「えー、そんなに修繕費を取られるの?」というトラブルはないようです。
 

筆者が感じるUR物件に感じるデメリット

筆者が実際に感じるURのデメリットは次の通りです。
 

■都心部のUR物件は賃料がやたら高い
■古いUR物件はバス便が多い
■古いUR物件では4~5階でもエレベーター無し

 
都心部の新しいUR物件は賃料が高く、ちょっと借りるのに躊躇(ちゅうちょ)します。また古い物件で駅からは離れたところだとバス便となり、毎日通勤するのはしんどいと感じる人もいるでしょう。テレワーク主体なら何とかなるかもしれません。
 
さらに古いUR物件の場合、エレベーター無しの4~5階建てが多く、毎日のゴミ出しなどがつらいかもしれません。
 
あと、これは人によって評価が分かれると思いますが、畳の部屋、「和室」が多いため、過ごしにくいという人もいそうです。もちろん畳の部屋が好きな人にとってはメリットでしょう。
 
これらのデメリットを含めて、コストパフォーマンスがいいということで、どっちを取るかです。では、どのように探せばいいのでしょうか?
 

UR物件を探すポイントは?

■ネットでリノベーション済み物件をチェック
■まず募集センターか現地に行くと掘り出し物があることも
■募集センターで事故物件を探す

 
URのホームページを検索すると「リノベーション済み」という物件が見つかります。これは水回りも含めて、かなりきれいにリノベーションされている上、家賃は低めなので、狙い目です。エレベーターやエアコン、駐車場の空きも調べられます。
 
ただし、URはリアル情報が反映されるのが遅めです(これは不動産サイト全体に言えますが)。実際に現地か、大きなUR募集センターに行くと最新の空室情報が見つかることもあり、ネットで探すよりも早いことがあります。
 
また、事故物件に住むことが気にならない人は募集センターで紹介してもらえます(もちろん出ないこともあります)。そのような物件は一定期間かなり安く住めます。筆者が聞いたうわさですが、先ほどのURに敷金を預けたまま、URからURへ事故物件ばかり探し、お得に暮らしている人もいるとのことです。
 

まとめ

ここまでのことをひっくるめて、よく理解して物件を探せばUR生活は、なかなか快適です。最後にポイントをまとめます。
 

●URは礼金・仲介手数料・更新手数料が不要。敷金もURへの移転なら繰り越せるので便利
●古いUR物件からリノベーション済み物件をチェックするとコストパフォーマンス良く、快適に住めそう
●ネットであたりを付けた上で、まず取りあえず募集センターに行ってみる

 

出典

UR都市機構 UR賃貸住宅

 
執筆者:藤木俊明
副業評論家

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