健康保険証が廃止? マイナンバーカードと一体化する目的やメリットとは?
配信日: 2022.12.07
マイナンバーカードに健康保険証を一体化した「マイナ保険証」を、今から作っておくメリットはあるのでしょうか?
本記事では、健康保険証を廃止する目的や、マイナ保険証を作成するメリットについて解説します。
執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)
2級ファイナンシャルプランナー
健康保険証をマイナンバーカードと一体化させるメリット
マイナンバーカードと健康保険証を一体化させておくと、以下2点のメリットがあります。
1.マイナポイントの付与
マイナンバーカードに健康保険証を一体化させると、7500円分のポイントが付与される点がメリットです。
国が推進している「マイナポイント事業第2弾」として、マイナンバーカードを新規で取得すると、5000円分のポイントがもらえます。さらに、健康保険証の機能をマイナンバーカードに持たせることで、7500円分のポイントが上乗せされます。
マイナポイントの付与以外にも、病院の受付や確定申告がスムーズになる点がメリットです。
ただし、上記のマイナポイントが付与されるのは、2022年12月末までに申請されたマイナンバーカードとなります。来年になって申請してもマイナポイントは付与されないため、マイナポイントを受け取りたい人は、早めにマイナンバーカードを申請しましょう。
2.診療報酬の負担軽減
特定の施設基準を満たす医療機関でマイナ保険証を利用すると、診療報酬の負担も軽減できます。
2022年9月末までは、マイナ保険証を利用した場合の診療報酬の点数が、マイナ保険証を利用しない場合より点数が高い状態でした。
【図表1】
これにより、マイナ保険証を利用した方が医療費の負担が増えるという矛盾が生じていました。
厚生労働省は、マイナ保険証の利用で診療報酬が高くなる制度を是正するため、2022年10月より診療報酬の改定を、図表2のとおり行っています。
【図表2】
このように、医療費の負担が軽減されるので、今後はマイナ保険証を利用できるように準備しておくことが望ましいといえるでしょう。
紙の健康保険証を廃止する目的とは?
政府が紙の健康保険証を廃止する目的は「マイナンバーカードの普及」を目指すためです。総務省は2023年3月末までに、マイナンバーカードをほぼ全国民に行き渡らせる目標を掲げています。普及促進に向けて「マイナポイント事業」を柱の施策として進めました。
しかし、2022年9月末時点でマイナンバーカードの人口に対する交付枚数率は49%で、半数を下回っています。早急にマイナンバーカードを普及させるために、今回は紙の健康保険証を廃止する方針を固めました。
紙の健康保険証を廃止することにより、今後どこまでマイナンバーカードが普及するのか、注目が集まります。
マイナンバーカードと健康保険証は一体化しておきましょう
マイナンバーカードを健康保険証と一体化するメリットや、紙の健康保険証を廃止する背景について解説しました。2023年3月までにマイナンバーカードをほぼ全国民に交付するため、紙の健康保険証は廃止されます。
マイナンバーカードと健康保険証を一体化させると、マイナポイントが付与されるメリットや、診療報酬の負担が軽減されるメリットがあります。今後もマイナンバーカードの普及に向けて、どのような制度が改正されるのか注目が集まります。
出典
総務省 マイナンバーカードでマイナポイント第2弾
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第527回)
総務省 マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和4年9月末時点)
執執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー