更新日: 2022.12.13 その他暮らし

水道代は地域によって「2000円」違う場合もある!? 水道代ってどうやって決まってるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

水道代は地域によって「2000円」違う場合もある!? 水道代ってどうやって決まってるの?
水道代の請求額を見て「前に住んでいたところよりも高いのはなぜ?」「どのような計算でこの金額になっているのだろう」といった疑問を抱いたことがある人は多いのではないでしょうか。
 
実は水道代金には地域差があり、また同地域のなかでもさまざまな要素を総合して家庭ごとの料金が決まっています。
 
本記事では、水道料金の地域差について解説するとともに、基本料金、従量単価の決まり方も紹介します。ぜひ、手元の水道代請求書と照らし合わせてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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水道代は地域を管轄する水道事業体によって異なる

水道料金は、地域の水道事業を管轄する水道事業体(水道局、水道企業団など)によって異なります。地域によって水源からの距離や原水の水質、水道設備の敷設時期などが異なり、事業の運営に必要な経費に差があることが主な理由です。
 
令和2年度の国内主要6都市の水道料金は、図表1のとおりです。(口径20ミリメートル、24立方メートル使用時、以下、ミリメートル=mm、立方メートル=立米)
 
【図表1】

都市名 料金
東京都 3478円
札幌市 4664円
横浜市 3696円
名古屋市 3847円
大阪市 2657円
福岡市 4424円

東京都水道局HPより筆者作成
 
最も料金が高い札幌市と最も安い大阪市では、およそ2000円もの開きがあります。地域による水道代の差は誤差程度のものではなく、場合によってはかなり大きいことが分かるでしょう。
 

同じ事業者の地域でも水道メーターの口径で基本料金が異なるのが一般的

同じ水道事業体が管轄する地域の水道でも、水道メーターの口径によって異なる基本料金が設定されているのが一般的です。水道メーターの口径とは、メーターにつながっている水道管の太さを指します。
 
例えば東京23区では、一般用の水道メーターの口径を12通りに区分して、図表2のように基本料金を設定しています(2022年11月時点)。
 
【図表2】

メーター口径 基本料金
13mm 860円
20mm 1170円
25mm 1460円
30mm 3435円
40mm 6865円
50mm 2万720円
75mm 4万5623円
100mm 9万4568円
150mm 15万9094円
200mm 34万9434円
250mm 48万135円
300mm以上 81万6145円

東京都水道局「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」を基に筆者作成
 
一般家庭では現在20mmの口径が主流ですが、下の13mmの区分と比べると、310円高い基本料金が設定されています。「口径が小さいほど水道料金が安くなるなら、小さい口径に変更すれば節約になるのでは?」と思う人もいるでしょう。実際、管轄の事業所に相談の上で水道メーターや配管を変更することは可能です。
 
しかし、メーター口径は当該の水道で瞬間的に使用される水量などをもとに、設計上適切なものが選ばれて取り付けられています。そのため、メーターを変更して使用実態に合わない口径にしてしまうと、水道の流量減少、異音の発生、給水装置の故障といったトラブルが発生する原因となります。
 
したがって、水道代節約の目的でメーター口径を変更することは、現実的とは言えません。
 

使用水量が多いほど料金単価はアップする

水道料金のうち従量料金部分は、水の使用料が多くなるほど1立米当たりの料金が上がる仕組みです。例えば東京23区の従量料金は、メーター口径13~25mmの場合、図表3のように設定されています(2022年11月時点)。
 
【図表3】

使用水量 従量料金
1~5立米 0円
6~10立米 22円
11~20立米 128円
21~30立米 163円
31~50立米 202円
51~100立米 213円
101~200立米 298円
201~1000立米 372円
1001立米以上 404円

東京都水道局HPより筆者作成
 
なぜこのような仕組みが採用されているかというと、利用者に節水を促すことが大きな理由です。
 

水道代は地域のほかさまざまな要因で変わる

水道事業に必要な経費に地域差があることから、水道代金には地域ごとに大きな差があります。また、同じ地域内の水道でも、水道メーターの口径や使用水量によって、基本料金や従量単価に差がつけられているのが一般的です。
 
水道代金が決まる仕組みには、地域の人口密度や職員の人件費、薬品費、動力費、受水費、施設の維持管理費・更新費などさまざまな要素が関わっていて一目で分かりづらいですが、料金が決まる仕組みが理解できると、毎月の請求金額に納得感が生まれるのではないでしょうか。
 

出典

東京都水道局 よくある質問 水道料金について
東京都水道局 広報・広聴 東京の水道
東京都水道局 東京の水道の概要
東京都水道局 手続き・料金 水道料金・下水道料金の計算方法(23区)
東京都水道局 よくある質問 水道メータについて
盛岡市上下水道局 第4回 口径はどのように決まっているの?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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