更新日: 2022.12.14 その他暮らし

外国人観光客にも人気!「 質流れ」ってどういう仕組み?

外国人観光客にも人気!「 質流れ」ってどういう仕組み?
質屋は時代劇にも出てくるくらい、古くから存在する庶民のための店です。しかし、今ではお金を借りる場所というよりも、ブランド品を安く購入できる場所と考えている人もいるでしょう。
 
本記事では、質屋の仕組みやメリット・デメリット、賃貸業者との違いなどをご紹介します。質屋に興味がある人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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質屋とは

質屋は簡単に言うと、換金性の高いものを担保品としてお金を借りる制度です。お金を貸し付けるのは、金融機関以外では貸金業者が認められていますが、質屋は貸金業者とは異なります。
 
質屋は貸金業法では規制されておらず、質屋営業法という独自の法律によって規制を受けているので貸金業者ではないからです。
 

質屋の仕組み

質屋には主に以下の2つの業務があります。
 

●質入れ(貸付)
●買取り(販売)

 
質入れとは、担保品(質草)の査定額の範囲内で、顧客にお金を貸し付ける業務です。顧客には借り入れ後に2つの選択肢があります。
 

●借りた金額と質料(手数料、利息に相当)を期限内に返して質草を取り戻す
●質料を支払わずに質草を流す(質流れ)

 
また、買取りはお金は貸し付けずに商品を査定して買い取り、販売する業務です。査定金額は質入れより高い傾向があるので、質流れにするよりは最初から買い取りしてもらうとお得です。
  

質屋と貸金業者の違い

質屋と賃貸業者の最も大きな違いは、それぞれを規制する法律が違うという点です。貸金業者は主に「貸金業法」によって規制されていますが、質屋は主に「質屋営業法」の管轄となります。法律を含めた主な違いは図表1のとおりです。
 
図表1
 

相違点 管轄の法律 利息
質料
その他
質屋 ・質屋営業法
・古物営業法
上限年109.5% ・借入には質草が必要
・審査は不要(査定・本人確認のみ)
・借入金は返済しなくてもよいが、質草は流れる
貸金業者 ・貸金業法
・利息制限法
・出資法
上限年20.0% ・審査は必須
・元金と利息の返済が必須
・原則保証人、担保は不要

 
筆者作成
 
貸金業法では無担保での貸付がほとんどのため、審査が必要で借入金額も返済が必須です。これに対して質屋での貸付は審査がなく、質草を処分してもよければ返済や質料の支払いも不要です。
 
質料が貸金業者の上限金利の5倍以上なのは、金利という概念ではなく質草の管理料も含んだ手数料だからです。
 

質屋のメリット・デメリット

質屋には以下のメリット・デメリットがあります。
 

◆質屋のメリット

●質草となる品物があれば無審査で利用できる
●質料を支払わなくても督促はない
●ブランド品などの買い取り先として利用できる
●質流れ品を安く購入できる

 

◆質屋のデメリット

●金利が高く高額な借り入れには向かない
●返済期限が短い(原則3ヶ月、ただし延長可能)
●借り入れには必ず質草が必要になる

 

外国人にも人気の質流れとは

質屋で質草を担保にしてお金を借り入れしてから、質料を支払わずに質草を取り戻さなかった場合、質草は質流れとなり質屋が販売できます。
 
質草の査定額はあまり高くないので、質流れ品の販売時の価格も安くなります。高級ブランド品が手頃な価格で購入できるため、外国人観光客にも人気と言われています。
 

質流れの仕組みと質流れ品がお得な理由

質屋の業務には買取りと貸付がありますが、質流れは貸付業務で発生します。担保品として質草を預けた顧客が、期限内に返済をせずに担保品を流してしまう(品物の所有権が質屋に移る)ことがあります。これを質流れと言い、流れた質草は質流れ品となります。
 
買取り業務でも物品を査定しますが、貸付の場合はリスクが伴うため買取よりも査定が厳しくなるのが一般的です。そのため、質流れ品を販売するときは、買取り品よりも安くなることが多くお得なのです。
 

質流れ品のメリット・デメリット

質流れ品のメリット・デメリットは以下のとおりです。
 

◆質流れ品のメリット

●ブランド品でも販売価格が安い
●レアな限定ブランド品が見つかる可能性がある
●質屋でメンテナンスをしてから販売している

 

◆質流れ品のデメリット

●原則として中古品なので、キズなどがあることも多い
●同じ商品でも個別に質の違いがある

 

質屋はお金を借りるよりも質流れ品の利用がお得

質屋をお金の借入先として利用する場合は、それほどメリットが多くありません。審査なしで借り入れできるのは大きなメリットですが、金利が高く、返済期限が短く、必ず質草が必要になるなどのデメリットが目立ちます。
 
そのため、借入先としては使いどきが限られますが、中古品の販売店として考えるとメリットがあります。レアなブランドの限定品が店頭に並ぶこともあり、しかも低価格というメリットもあります。興味のある人は一度質屋をのぞいてみましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 質屋営業法

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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