更新日: 2022.12.18 キャッシュレス

無料でできる少額銀行間送金(銀行系QR決済)とは?

無料でできる少額銀行間送金(銀行系QR決済)とは?
支払い手段としての「QR決済」にはさまざまな事業者が参入しています。銀行系のスマホ決済(QR決済)がスタートしましたが、銀行間の無料送金に使えるということで話題になっています。
 
今回は、この銀行系のQR決済について学んでみましょう。
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

スマホQR決済

キャッシュレス決済のしくみは、クレジットカード(クレカ)、デビットカード、プリペイドカード、スマホQR決済など各種あります。
 
マイナンバーカードの普及促進手段としてマイナポイントの無償提供が行われていますが、マイナポイントの受け取り法として、比較的手続きの簡単なスマホQR決済が利用されることが多くなっています。
 
スマホQR決済には、PayPay、楽天ペイ、d払い、au Pay、メルペイ、LINE Payなどがありますが、今回サービスを始めたBank Pay(※)は、全国のメガバンク、地銀が連携して始めたスマホQR決済アプリです。
 
最大の特徴は、Bank Payに加入した銀行間の送金が一定額まで無料になることです。銀行間の送金手数料は近年大幅に下げられていますが、この一定額(10万円未満)の無料化はインパクトの大きいしくみと言えるでしょう。
 

スマホQR決済への加入の手順

スマホQR決済アプリの利用登録は、事業者によって多少の手順の違いはありますが、
 
1、スマホによる本人確認(免許証またはマイナカード、内蔵カメラによる)2、携帯電話・メールアドレスの登録 3、決済口座の登録が必須です。
 
免許証やマイナカードの「厚み」撮影やスマホ内蔵カメラによる本人確認の手順が少し難関ですが、その他の携帯電話番号・メールアドレス・決済口座の登録は比較的簡単です。
 

Bank Payとは

Bank Payは、日本電子決済推進機構(メガバンクとNTTデータ主導)が進める決済サービスの中心になる事業です。
 
Bank Payの最大の機能は、登録している銀行(2022.11.14現在20行)間での一定額の送金が無料になることです。これは「ことら送金」と呼ばれるサービスです。三大メガバンクのほか有力地方銀行を含めて20行が参加しており、今後さらに増えると目論まれています。
 
Bank Payでできることは次の2つです。
 

・銀行間の送金

銀行間の送金は特定の銀行間に限られますが、1日当たり10万円、1回当たり10万円が限度額になります。(1日5万円を2回は可能)
 
送金手数料は無料ですから、インターネットバンキングで他行宛てに送金した場合(110円~330円)と比較しても優位になります。
 
家族間(親子)や仕事の仲間などの個人間のお金の送金についても、お互いがBank Payに加入していれば、携帯電話番号やメールアドレスの入力でお金の送金が可能です。遠隔地の学生や単身赴任夫婦間でのお金の送金には便利なしくみと言えるのではないでしょうか。
 

・支払い(QR決済)

Bank Pay登録店でのQR決済(即時口座からの引き落とし)ができます。金額はATMでの1日引き落とし上限内になります。
 

使う決済ツール(手段)の選択が大事

クレカ、デビットカード、プリペイドカード、スマホQR決済と、決済ツールが多様になる中で、ツールごとにブランド(事業者)が複数あるので、利用者としてはどのカードやスマホアプリを選ぶか迷うところです。
 
利用に応じて付与されるポイントにも違いがありますので、支払い額や用途に合わせて決済アプリを決めておくことが必要になるでしょう。
 
選択の一例を挙げてみますと、支払い金額で決済方法を決める場合は、1万円未満は小銭を含む現金管理が不要なのでデビットカード、スマホQR決済やプリペイドカードが便利と思われます。
 
一方、1万円以上の決済は、ポイント付与で有利なクレジットカードという選択が考えられます。
 
銀行間送金は、Bank Payを使うと手数料がかからないなどの選択がひとつの案になるのではないでしょうか。
 

まとめ

他行宛ての銀行間送金の手数料は、安くなったとは言え有料です。
 
新しく始まった銀行業界が運営するスマホQR決済は、銀行間送金の無料化というメリットがありますので検討の余地があるのではないでしょうか。
 

出典

(※)日本電子決済推進機構
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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