更新日: 2022.12.16 その他暮らし

「二重窓」の断熱効果はどれくらい?節約につながるの?工事費用や利用できる制度についても紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「二重窓」の断熱効果はどれくらい?節約につながるの?工事費用や利用できる制度についても紹介
世界情勢が不安定になり、エネルギー価格が高騰しているため、電気代や石油・ガス料金など光熱費の節約に関心が集まっています。建物に関しては、断熱性能を向上させると冷暖房費が削減されるため、断熱改修を行う人が増えているのです。中でも注目されるのが「二重窓」への改修です。
 
この記事では、二重窓について、断熱効果や節約の仕組み、工事費用や補助金について解説していきます。
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「二重窓」とは?

窓に関しては、似たような用語が多いので、まず各部の名称を確認しておきましょう。一般に「窓」は、壁に取り付けられた「窓枠」と、可動部分の「サッシ」でできています。このサッシは「ガラスフレーム」と「ガラス」から作られていて、窓を開けることをより正確に表現すると、サッシのガラスフレームを持って動かす行為といえます。
 
「二重窓(にじゅうまど)」とは、住宅など既存の窓の内側に、それを覆うようにして新たに窓枠とサッシが設置された状態のことを指します。元からある窓と新しく設置した窓が二重に重なることが名称の由来です。
 
「内窓」や「二重サッシ」と呼ばれることもあり、似たようなものに「複層ガラス」があります。これはガラスフレームにはめ込まれたガラスの種類の名称です。「ペアガラス」とも呼ばれていて、ガラス部分が空気(または不活性ガス)層をはさむ2枚のガラスから構成されています。要するに、二重窓にするときの窓の種類の選択肢の一つが複層ガラスなのです。
 
なお、北欧などでは3枚のガラスの間に2つの空気層をはさんだ「トリプルガラス」が広く普及していて、近年日本でも高い断熱性能が要求される住宅などで採用されるようになりました。
 

断熱効果はどれくらい? 節約につながるの?

冬季など外気温が低いときに、部屋の中が寒くなる主な原因は窓からの冷気の流入です。一般的な窓に使われる、一枚ものの「シングルガラス」には断熱効果がほとんどないので、室内の空気がそこで冷やされ、室温が低下していきます。
 
二重窓にすると、既存の窓と新設の窓の間に新たに空気層ができます。ある条件が整うと空気層は熱を伝えにくく、断熱効果が高いため、外気温がそのまま室温に影響することがなく、室温の変動を抑えることができるのです。
 
結果として、二重窓にする以前と比べて、冷暖房器具によって室温を調整する頻度が低下します。それに伴い、冷暖房器具が使用する電気やガス・灯油などの燃料消費量が低下するので、電気代や燃料代が削減できるのです。さらに、冷やされた水蒸気が窓の表面に水滴としてたまる結露の予防効果も高まります。
 

工事費用や利用できる補助金制度

二重窓への改修費用は窓のサイズや採用するガラスの断熱・遮熱性能などによって左右されますが、一般的には1カ所につき5~12万円が目安といわれています。窓の数が多かったり、性能の高いガラスにしたりすれば、相当の出費になるはずで、複数の業者の見積もりを取ったりインターネットなどで工賃等の相場を調べておくと値下げ交渉の参考になります。
 
さらに、このようなリフォームを行う場合には、公的補助金を活用できる場合があり、国と地方自治体からさまざまな補助金制度が公表されています。例えば、国の施策であれば、補助率が3分の1で、補助限度額が100万円から250万円まで条件によって異なる「長期優良化リフォーム推進事業」などが利用可能です。
 
また、自治体によっては独自の補助メニューもあり、東京都であれば「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」があります。補助率が3分の1で、補助限度額が116万円となっており、太陽光発電施設や蓄電池の設置にも別枠で補助金が使えます。自治体によって補助申請の方法や募集時期に件数(先着順や抽選など)、補助の対象範囲、上限額などが異なるため注意が必要です。
 

補助金を利用して快適な室内環境を

夏の暑さ、冬の寒さや結露が気になる建物に住んでいるのであれば、早急に二重窓への改修を検討したほうがよいかもしれません。二重窓にすれば、室内の温熱環境が改善し、経済的な支出も抑えられ、さらに遮音効果なども期待できます。初期投資は必要ですが、行政の補助金で3分の1程度はカバーできるため、それらも活用しながら、賢く快適な住環境を手に入れましょう。
 

出典

東京都 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
国土交通省 長期優良住宅化リフォーム推進事業
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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