更新日: 2022.12.23 子育て

子どもを「医学部」に入れたいけど金銭面が不安な場合は、どんな制度を利用できる?

執筆者 : 柘植輝

子どもを「医学部」に入れたいけど金銭面が不安な場合は、どんな制度を利用できる?
子どもが医学部への進学を希望している場合、気がかりとなることに学費の存在があります。とはいえ、現在は子どもの進学に当たって利用できる支援制度も充実しています。
 
そこで、子どもを医学部に進学させる際に利用できる制度などについて紹介していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。


 

日本学生支援機構の奨学金

医学部に限った話ではありませんが、子どもの大学進学で必要な学費について金銭面で不安がある場合、まずは日本学生支援機構の奨学金の利用を検討したいところです。
 
日本学生支援機構の奨学金には給付型と貸与型があります。返済が不要な給付型の場合、最大で月額7万5800円が支給されます。ただし、年に1回の継続願の提出と適格認定を受けることが必要です。
 
一方、貸与型は卒業後に返済が必要にはなりますが、無利子の第一種奨学金なら月額6万4000円、有利子の第二種奨学金は月額12万円(私立大学の医学部・歯学部で増額した場合は16万円)が最大の貸与額となっています。
 
上記はいずれも上限額で、例えば給付型の場合は世帯の所得を基準とした区分に応じて、大学が国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学かによっても支給額が異なります。また、給付型と貸与型の併用、第一種奨学金と第二種奨学金の併用もできます。
 
採用の基準や支給額・貸与額など詳細については、日本学生支援機構のホームページでご確認ください。
 

高等教育の修学支援新制度

2020年4月からスタートした「高等教育の修学支援新制度」は、日本学生支援機構の給付型奨学金の支給に加え、入学金と授業料の減免が受けられる制度です。
 
奨学金の支給額は前述と同様ですが、入学金および授業料の減免については世帯収入に応じた区分と国公立・私立によって、入学金は約28万円、授業料は年額で約70万円が上限です。
 
給付型奨学金の対象者は修学支援新制度により、さらに手厚い支援が受けられるようになっています。ただし、給付型奨学金と入学金・授業料の減免の申し込みは別々に行うほか、手続きの時期なども異なります。
 
給付型奨学金(進学前の予定採用)は、毎年4月中旬以降に高校を通じて日本学生支援機構に申し込みを行いますが、入学金・授業料の減免は給付型奨学金の採用決定後、大学入学時に大学へ直接申し込むことになっています。
 
制度の詳細については、高等教育の修学支援新制度のホームページで確認するほか、日本学生支援機構の奨学金相談センターへお問い合わせください。
 

教育ローンを利用する

子どもの大学進学に向けて準備してきた教育資金の金額にもよりますが、奨学金や高等教育の修学支援新制度だけでは、すべての学費を賄うのは難しいと思います。また、貸与型奨学金の返済の負担を子どもに負わせたくないという考えもあるでしょう。そういった場合は、教育ローンの利用も検討してみてください。
 
教育ローンの代表例としては、日本政策金融公庫の教育一般貸付 (国の教育ローン)があります。こちらは奨学金とは異なり大学の受験費用にも利用ができ、借り入れ上限額は350万円(自宅外通学や昼間部で修業年限5年以上の大学など、一定の要件に該当する場合は450万円)となっています。
 
また、民間の金融機関でも教育ローンを扱っており、例えば三井住友銀行の場合、教育資金として最大300万円まで借りられます。
 
詳細については日本政策金融公庫の最寄りの支店や、各金融機関へお問い合わせください。
 

民間の奨学金制度

大学進学に当たって利用できる奨学金については日本学生支援機構だけではなく、民間が実施しているものもあります。
 
例えば、徳州会グループの奨学金制度は、国内の大学の医学部に入学予定、または在学する学生で、卒業後、徳州会グループの病院での勤務を条件に、月額15万円の奨学金を貸与しています。そのほかにも、東京民医連では医学部医学科への進学が決定している方や在学生を対象に、月額8万円の奨学金の貸与を行っています。
 
このように、医学部生に向けた民間の奨学金制度はいくつかあるため、インターネットで調べたり、進学予定の学校へ確認したりしてみてください。
 

医学部進学での学費の負担は諸制度の利用でカバーできる

医学部の学費は他の学部と比較して高額となりますが、奨学金や教育ローンなどを利用することで、金銭面に不安がある家庭でも学費の負担をカバーできます。子どもの医学部進学について学費が高いからとあきらめる前に、利用できる制度がないか探してみてください。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
徳州会グループ 奨学金制度
東京民医連 奨学金制度のポイント
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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