更新日: 2022.12.26 その他暮らし

50歳になったら始める初めての終活

50歳になったら始める初めての終活
もうすぐ50歳かと考えたときに、親の年齢なども考えると、そろそろ自分自身の終活のことを考えないといけないな、と思う人も多いかと思います。そこで今回は、50歳になったら始めてほしい初めての終活をお伝えします。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

終活は何から始めるべきなのか

終活は、自分が亡くなる前にその準備をする活動とか、自分が亡くなるまでのことを考えて今を楽しく生きるための活動とか、いろいろな定義があります。しかし、そのような定義を気にする必要はありません。定義にとらわれることなく、自分が将来のことを考えて今を楽しむことをすれば、それがあなたにピッタリな終活となります。
 
では、何から始めれば良いのでしょうか。いくつか挙げるので、自分にピッタリな終活を見つけてください。
 

1.今の自分の状況を知る

50歳と言うのは節目でもあり、今までの節目とは少し違います。50歳代になると子育てに終わりが見える人も多く、少しホッとすると同時に、自分自身の体に不調が出てくる時期でもあり、親の体調にも不調が生じ始める年齢です。
 
相談に来られるほとんどの人が、将来の不安は「お金」と「健康」です。まずは自分自身や身近な人の健康状況を確認するとともに、健康寿命を延ばすための体づくりを始めましょう。
 
また、もう1つの不安材料であるお金のことについては、資産一覧表を作って毎年の更新を心がけましょう。資産一覧表はきれいに作る必要はありません。1枚の紙と鉛筆があれば作れます。自分で決めた日(例えば誕生日や記念日、大みそかなど)に、通帳を記帳し、その日の残高を金融機関名とともに書き上げていきます。
 
そして1年後の同じ日に、同じことをして、その金額を更新し、1年前の金額と比較して増えたのか減ったのかだけを把握します。金融機関の通帳残高だけではなく、所有する不動産の相続税評価額(注1)や投資信託・株式といった金融商品の残高といったものを書き出しておくと、より一層充実した資産一覧表ができるでしょう。
 

(注1) 不動産の相続税評価額
一般的には、土地は路線価×面積、家屋は固定資産税評価額×1.0と覚えておくとよいでしょう。路線価は国税庁のホームページに掲載されています。固定資産税評価額は、お住まいの市区町村から送られてくる固定資産税納税通知書に記載されています。

 

2.不要なものを処分する

不要なものを処分する勇気が出てこない、と言う人も多いですが、処分しておかないと身近な人が最終的に処分するか処分しないかを決めなければなりません。これは本当にプレッシャーです。
 
例えば親が処分していない書籍が棚いっぱいに置かれていると、子にとって親が大切にしていた思い出のものであり、親が読んでいた記憶もあると、処分しづらいものです。そのため、前もって自分で処分をしておくか、それができなければ自分に万一のことがあったら処分するように伝えておくなど、こういうことを親子で話し合っておくことが大切となります。
 

3.身近な人に迷惑をかけない準備をする

年を重ねると身近な人をはじめ自分自身が体調を崩すことが増え、その際に病院選びや治療方法の選択、介護施設の選択といった大きな選択を迫られる機会が増えます。こういう機会が増えると、ふとしたときに自分自身がどのような最期を迎えるのか、または迎えたいのかを考えることもあります。
 
そのため、自分がどういう最期を迎えたいのかを考え、延命治療をするのかしないのか、介護が必要になったときにこの施設に入りたいだとか、さらにお葬式はこうして欲しいということを考えて調べておくことも必要です。
 

終活は暗く後ろ向きな活動ではなく、明るく前向きな活動です

「終活」という言葉は身近に使われる言葉になりつつありますが、それでもイメージが良くないという人は、まだいると思います。それはやはり「死」が散らついてしまうからでしょう。しかし「死」はいずれ必ずやってくるものです。
 
でもそれが「いずれ」にやってくるかは誰にも分かりません。そのため、意識する日がやってくるまでは、自分の理想を追い求め、今やりたいことを1つずつ楽しみながら過ごしましょう。50歳という節目の年齢になったら終活を意識し、自分ができることから始めてみましょう。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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