更新日: 2022.12.29 その他暮らし
【詐欺被害】「年金受給者をねらった詐欺」が横行!? 手口や対策をご紹介!
自身や大切なご家族が詐欺にだまされてしまわないよう、最近横行している手口とその対策について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
最近横行している詐欺の手口
年金受給者を狙う詐欺の手口としては主に個人情報を聞き出すものと現金を詐取するものとの2つのパターンが目立っています。
個人情報を聞き出すもの
近年、年金受給者を狙って個人情報を聞き出す手口としては下記のような事例が報告されています。
・日本年金機構の職員を名乗り「年齢や預貯金額、家族構成を答えなければ年金の支給を差し止める」と脅迫する。
・運送会社の社員を名乗り「年金関係の荷物の配達のため職業や会社名を教えてほしい」と言う。
現金を詐取するもの
近年、年金受給者を狙ってお金を詐取する手口としては下記のような事例が報告されています。
・日本年金機構の職員を名乗る男性が国民年金の保険料の集金に来たため、お金を支払ってしまった。
・日本年金機構の職員を名乗る男性に「滞納している保険料を支払わないと差し押さえする」と言われお金を払ってしまった。
・「保険料の納めすぎによる還付金があります」「給付金が戻るので手続きするように」などと言われ、振り込みのため近くのATMに行くよう指示されたため、銀行名、口座番号などを教えた上で現金を振り込んだ。
・「年金の手続きが済んでいないので、代わりに手続きをしてあげる。手数料が必要」などと言われたので現金を渡した。
詐欺を見抜くためには?
年金受給者を狙った詐欺から身を守るためには、日本年金機構が次のようなことは行わないと知っておく必要があります。
・直接の電話や訪問で預貯金額や口座番号、職業や家族構成といった個人情報を聞き出すことはない。
・電話や訪問をすることがあるのは、日本年金機構やその委託事業者のみであり、訪問する際は必ず日本年金機構が発行した写真付き身分証明書を携行している。
・委託業者や訪問員が納付書を手渡すことはない。
・保険料を預かる場合、必ずその場で領収証書が発行される。
・職員が行う公的年金の手続きや年金証書などの再発行には手数料は一切かからない。
上記5点を知った上で、改めて先に紹介した詐欺の手口を見直してみてください。どれも怪しいものだと思えるはずです。
怪しいと感じたときは?
とはいえ、詐欺の魔の手は日常の中に突如として忍び寄ってくるのが常で、いざ当事者になると冷静に判断ができないこともあります。
そのため、少しでも怪しいと思ったり、不安に感じたりしたときはその場で回答はせずに、相手の所属する会社名と連絡先、名前を聞き、最寄りの年金事務所に確認を取ってください。そうすることで、詐欺を見抜くことができます。
その際「今すぐしなければ年金が受け取れなくなる」や「滞納で財産が差し押さえられる」など脅し文句のような言葉をかけられるかもしれませんが、そういったことが突然起こることは基本的にありません。安心して相手との話を切り上げ、年金事務所に確認を取るようにしてください。
仮に本当に年金事務所の職員などがコンタクトを取っていた場合でも、その後すぐに対応・手続きをすれば問題ありません。
年金受給者を狙った詐欺から自身や家族を守るためには相手の手口を知り、家族で話し合うこと
家族に年金受給者が存在する場合、どういった内容で詐欺が横行しているのか、一度話し合って確認してみてください。そうすることで、いざ年金受給者の方に詐欺を行おうとする相手方からコンタクトがあったとしても、だまされずに身を守ることができる場合もあります。
近年は年金受給者を狙う詐欺の手法も巧妙化しています。自分たちは大丈夫と他人ごとだと思わず、身を守るため家族で一丸となって対策するようにしてください。
出典
日本年金機構 日本年金機構の職員や委託事業者などと称して、現金を詐取する「不審な電話や訪問」にご注意ください
執筆者:柘植輝
行政書士