更新日: 2022.12.29 子育て
子どもの教育費に負担を感じる親は60%以上!知っておきたい「教育ローン」と「奨学金」の違いと注意点とは?
ソニー生命保険株式会社が2022年1月に行った「子どもの教育資金に関する調査」(調査対象:大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1000名)でも、6割強の方が「子どもの教育費の負担を重いと感じる」と答えており、教育費の負担が重い実態が確認できます。
一方、こうした教育費を捻出するための手段として、「教育ローン」と「奨学金」がありますが、2つの違いを明確に理解している方は少ないでしょう。
そこで本記事では「教育ローン」と「奨学金」の違いや、向いている人の特徴を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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教育ローンと奨学金の違い
教育ローンも奨学金も教育資金用の借り入れですが、それぞれ明確な違いがあります。以下に2つの特徴をまとめます。
教育ローンとは?
教育ローンは、教育資金を目的にお金を借りるもので、教育を受ける学生の保護者が借り、保護者が返済するのが原則です。
教育ローンは「公的教育ローン」と「民間教育ローン」の2種類に大別されます。
公的教育ローンには、日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)があります。高校、大学、専修・各種学校などに入学する人の保護者を対象とした融資であり、融資限度額は350万円以内、返済期間は15年以内が原則となっています。
ただし、自宅外の通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、3ヶ月以上の海外留学のいずれかの資金の場合、融資限度額は450万円以内まで上がります。また、交通遺児家庭や母子家庭などの場合、融資限度額は18年以内となります。
一方、民間教育ローンは民間の金融機関のローン商品です。条件は金融機関によってさまざまなタイプがあるので、事前にローン内容をよく理解した上で判断することが大切です。
奨学金とは?
奨学金とは、子どもが経済的な理由により進学や勉強を断念することがないように、学費を支援する制度です。
奨学金には返済の必要性がある「貸与型」と、返済のない「給付型」があります。貸与型の奨学金の場合、学生本人が借りて学生本人が返済します。返済は基本的に卒業後から始まります。
貸与型には無利息貸与である第一種奨学金、有利息貸与(在学中は無利息)である第二種奨学金があり、前者の方が選考が厳しく、後者の方が緩やかな特徴があります。
一方、給付型には日本学生支援機構の奨学金があります。こちらは家計基準や学力基準がさらに厳しくなりますが、返済なしで受給できる制度なので、学力はあっても経済的理由で進学が難しい学生にとっては有効活用できる制度といえるでしょう。
教育ローンと奨学金どちらがおすすめ?
教育ローンと奨学金には、それぞれメリット・デメリットがあります。特徴を踏まえた上で、どんな人におすすめなのか、考えていきましょう。
教育ローンが向いている人
教育ローンは入学前でも借り入れができるため、入学前の準備金も含めて準備したい人に最適な手段です。
一方、公的教育ローン(教育一般貸付)と民間教育ローンで違いがある点も、踏まえておく必要があります。公的教育ローンは、審査基準は厳しいものの民間教育ローンよりも低金利なので、条件を満たしているのであれば、優先して利用するとよいでしょう。
もしも公的教育ローンの基準を満たさない場合、民間教育ローンを検討してみてください。民間教育ローンは公的教育ローンより金利が高めですが、審査が早く、入学金や授業料だけではなく、制服代や部活動の費用にも利用できるメリットがあります。
奨学金が向いている人
奨学金は貸付型の場合でも、第一種奨学金は無利息、第二種奨学金も在学中は無利息なので、返済負担を少なく教育資金を確保したい人におすすめです。
ただし、日本学生支援機構が定める学力基準と家計基準を満たさなければならないため、事前に基準を満たしているかどうかの確認が必要になります。
また、奨学金は入学後の受け取りになるため、入学前の準備資金としては利用しにくい点を理解しておきましょう。
まとめ
教育ローンと奨学金は、どちらとも教育費を調達するための有効な手段になりますが、適用条件などが異なるため、特徴を抑えておくことが大切です。
また、教育ローンの中でも公的教育ローンと民間教育ローンに分かれ、奨学金は「貸与型」と「給付型」で内容が異なります。
したがって、各プランの申し込み条件を把握することはもちろん、必要な金額、返済期間など、さまざまな条件を考慮した上で、適切な融資プランは何か、考えることが重要です。
出典
ソニー生命保険株式会社 子どもの教育資金に関する調査2022
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
日本政策金融公庫:教育一般貸付(国の教育ローン)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部