片づけの美学136 聞いたとおりに片づけてみたけど、同じ場所に戻っただけだった
配信日: 2023.01.10
「出す」→「分ける」→「収納する」
という片づけのステップを聞き、それを実践したそうです。
聞いたとおりに片づけたのに、変わらなかったのは、なにか手順に間違いでもあったのでしょうか。もう一度、ポイントを押さえて「変わる」片づけをしてみましょう。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
目次
気をつけること(1) 片づけ場所の選び方
まずは、片づける場所の選び方がよくなかったのかもしれません。「片づけるぞ!」と意気込むと、最初に「1番片づけたい場所」に取り掛かりたくなります。
1番片づけたい場所は、モノが多くて、使いやすさも重視されることが多く、難しい場所であることがほとんど。片づけに慣れていない場合は、ぐっと我慢して、後回しにしましょう。
まずは小さい場所で、片づけ慣れてみましょう。おすすめは、「洗面所」か「靴箱」のような小スペースです。作業時間1~2時間くらいで終わると、体力的にも気持ち的にも楽だと思います。
気をつけること(2) 全部出す
整理整頓をする時、「収納からすべてのモノを出す」ことをおすすめしていますが、大切なポイントがあります。「出した時に、同時に分ける」ことを心がけましょう。
「使うモノ」「処分するモノ」「使わないけど捨てられないモノ」など、種類ごとに分けることが大切です。「全部出してから、後で判断する」流れだと、2度手間になってしまいます。「出しながら」のながら作業をして、効率的に分けていけるとよいと思います。
洗面所であれば、棚から降ろしながら、分けます。例としては
・毎日使っているモノ(洗剤・化粧品・歯ブラシなど)
・時々使うモノ(アクセサリーや整髪料など)
・これから使うモノ(洗剤ストックなど)
・ずっと使っていないモノ(化粧品・アクセサリー・バス用品など)
に分けます。ここで、悩むのが、「ずっと使っていないモノ」です。すんなり処分できるモノもあるでしょうが、悩んでしまうモノもあるでしょう。
洗剤など消耗品であれば、ぜひその日から使ってみましょう。「使う気がしない」というモノならば、もったいなくても、以降使うことはないでしょう。後ろ髪をひかれる気持ちはとても分かりますが、処分することをおすすめしたいです。
気をつけること(3) 分けたモノを移動させる
分けたモノをそのまま収納に戻したら、位置が変わるだけで、大きな変化にはなりません。「片づけても変わらない」と感じてしまう原因です。
ここでは、「考えること」が大切です。例えば、洗面所はモノが多すぎて、収納がパンパン。掃除もしづらくて、ホコリがたまっているという状況だとします。その場合、仕分けした後、モノの移動をおすすめします。
洗面所に置くのは、
・毎日使うモノ
・時々使うモノ
移動を検討するのは、
・今後使うストック
・使っていないけど、処分できないモノ
になります。ホコリがたまる場所にはできるだけモノを置かないようにして、掃除をしやすい環境をキープします。結果、清潔で使いやすい洗面所が完成します。
というように、問題点を出し、
・モノの量が多いなら減らす、移動する
・モノが取り出しづらいなら、収納場所を変える
という、必要な「工夫」を探すことが大切です。
気をつけること(4) 収納は使う順に入れる
モノを収納に入れる時は、毎日使うモノからにしましょう。取り出しやすいところに入れることが大切です。時々使うモノやめったに使わないモノは、忘れない場所であればOKです。
「変わらなかった」を変える片づけ
(1)~(4)の気をつけるポイントに注意して、もう一度片づけをしてみてはいかがでしょう。
時間をかけて片づけたのに、結果に満足できないと、とても残念です。分けること・処分を決めることに、しんどさや面倒くさい気持ちが出たら、ご自分を励ましてください。「せっかくやっている大切な時間」を思い出して、最後まで頑張ってほしいです。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表