更新日: 2023.01.30 その他暮らし

「円安」でも海外旅行に行きたい! 少しでも「損」をしないための方法って?

執筆者 : 渡辺あい

「円安」でも海外旅行に行きたい! 少しでも「損」をしないための方法って?
コロナ禍になって以降、一時期海外旅行の需要が低迷していましたが、近ごろは海外旅行も再び盛り上がりをみせています。しかし、海外旅行といえば一度でかなりの出費となりがちです。
 
「せっかくの海外旅行だから、お金を気にせず思いっきり楽しみたい!」とは思いつつも、やはり少しでもお得に旅行をしたいと考えるのが本音でしょう。
 
海外旅行にお得に行く方法はいくつかありますが、ここでは経済情勢である「円高」「円安」に焦点を当て、どちらがお得に海外旅行に行けるのかを解説します。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

円高・円安はどちらがお得に海外旅行ができるのか

実際に海外旅行に行く場合は、円高あるいは円安になったときのどちらがお得なのでしょうか。円高のときに円を外貨に交換した場合、円の価値が高いため通常よりもより多くの外貨と交換することができます。
 
仮に円をドルに両替した場合、図表1のように「1ドル=100円」では、50万円を両替すると5000ドルになりますね。もし円高になって「1ドル=80円」となり、同様に50万円両替した場合は6250ドルになります。
 
つまり、円高であれば手持ちの円を多く外貨に交換できるため、旅行の費用を増やすことができるというわけです。しかし、逆に外貨を円に交換した場合、外貨のほうが円よりも低い価値での交換になるため、外貨を円に両替すると損をしてしまう可能性があります。帰国後の円への両替は急ぎでなければタイミングを見極めるとよいでしょう。
 
図表1


出典:日本銀行 円高、円安とは何ですか?より筆者作成
 

円安の海外旅行ではどうしたらいい?

円安だからといって海外旅行をあきらめる必要はありません。しかし円安の場合は先ほども解説した通り両替では損をしてしまう可能性が高いのが実情です。そこで、両替は最低限に抑えて、現地ではクレジットカードを活用することを視野に入れましょう。日本で発行したクレジットカードであってもほとんどのカードブランドは海外で使用が可能です。
 
また、現金を両替する際は円高・円安にかかわらず「円からドル」「ドルから円」への両替のたびに為替手数料が発生します。これに対してクレジットカードで現地通貨決済をしておけば、後日まとめて円に換算して請求がされるので為替手数料が1回で済み、現金を両替するよりも手数料を抑えることができるのです。
 
またクレジットカードによっては利用のポイントも効率よく貯めることができるので、たとえ円安であっても大きく損をすることなく海外旅行をすることができます。
 

過去最高の(円高・円安)時と現在で海外旅行に行ったときの料金比較

円安の続く現在ですが、1990年以降にはなんと160円近くまで円安になった時期もありました。過去の円高・円安時と現在海外旅行に行ったときを比較した場合、どれほど料金が違うのかを見てみましょう。1回の海外旅行費用を5000ドルと仮定した場合、それに必要な日本円はいくらになるのでしょうか。
 
東京市場が公開している、ドル・円為替の月中平均の調査をもとに、1990年以降で過去最高の円高・円安、また現在の値を計算した結果が図表2です(2023年1月時点) 。
 
図表2


出典:日本銀行 主要時系列統計データ表より筆者作成
 
このように円安が続く現在ですが、1990年以降過去最高の円安時と比べると約11万8000円お得に海外旅行に行けるという計算になります。   
 

タイミングを見計らって賢く海外旅行をしよう!

円安と円高はどちらの状況が経済的にいいのかは実は一概にいえるものではありません。しかし、その特徴や経済への影響を知っておくことで、お得に海外旅行を楽しんだり、円と外貨の両替のタイミングを見極めたりすることができます。
 
また海外旅行には現金だけに頼らず、クレジットカードを持っていくことも検討しましょう。クレジットカードによっては海外旅行の保険や盗難補償も付帯していますし、予期せぬ出費に備えて海外でも広く使用できるカードブランドのクレジットカードがあると安心して旅行ができそうですね。
 

出典

日本銀行 円高、円安とは何ですか?
日本銀行 時系列統計データ検索サイト
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
 

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