「出産・子育て応援交付金」とは? どんな応援を受けられるの? 交付金を受け取る条件は?

配信日: 2023.02.07

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「出産・子育て応援交付金」とは? どんな応援を受けられるの? 交付金を受け取る条件は?
出産や子育てには、家族間でのマンパワーの不足以外にもお金がかかるというイメージが強く、出産をためらう人もいます。ご存じの人もいるかもしれませんが、出産や子育てをするときには、応援交付金を受けられることがあります。
 
いったい、どのような応援を受けられるのでしょうか。また、交付金を受け取るための条件とはどのようになっているのか、確認してみましょう。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

「出産・子育て応援交付金」とは、どのような制度なのでしょうか?

この出産・子育て応援交付金は、核家族化が進んでおり、地域住民同士のつながりも希薄となる中で、孤立したり不安感を抱いたりする妊婦や子育て家庭も少なくないことに焦点をあてたものであり、すべての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境整備を整えることを目的としています。
 
ただし、出産や子育てに関するニーズは個々によってさまざまです。
 
支援の実施の主体は自治体ベースとなっており、地方自治体の創意工夫や妊娠期から出産・子育てまで一貫して相談に応じること。さまざまなニーズに即した必要な支援につないでいくための伴走型の相談支援を充実させることや、経済的支援を一体として実施することとなっています。
 
経済的な支援金は、妊娠届出時(5万円相当)・出生届出時(5万円相当)の経済的支援が受けられることになっています。
 
支援が受けられる対象には所得制限などは設けられておらず、妊娠届出を提出した妊婦(受診による妊娠判定必須)、出生した子を養育する人であれば支援を受けることは可能です。
 

支援金が現金? クーポン? タイミングによって変わってくる

所得制限がないため、「出産・子育て応援交付金」はうれしい、助かると考えている人もいることかと思います。まずは、どのような支援になっているのかを確認してみましょう。
 
この支援は伴走支援のため、身近で相談に応じて必要となる支援メニューにつなげていくことになります。
 
支援期間は、(1)妊娠8~10週前後の妊娠期、(2)妊娠32~34週前後の妊娠期、(3)出産・産後、(4)産後の育児期の4つの期間に分かれています。
 
伴走支援には子育て世代包括支援センター(市町村)の相談員の保健師や助産師があたり、(1)の面談時には、子育てガイドを一緒に確認をしていきます。あわせて、出産までの見通しを寄り添って立てる等の説明が行われます。
 
(2)の面談時には、夫の育休取得の推奨や両親学級等の紹介、産後サービス利用を一緒に検討・提案等が行われます。
 
(3)の面談時には、子育てサークルや父親交流会など、悩みを共有できる仲間作りの場の紹介や産後ケア等サービス、育休給付や保育園入園手続きの紹介等が行われます。
 
出産後の(4)のタイミングでは面談はありませんが、随時、子育て関連イベント等の情報発信が行われる他、継続して相談が受けられるような対応が整っています。
 
(1)の面談以外の(2)~(4)のタイミングでは、SNSやアプリを利用したオンライン上での面談・相談、プッシュ型(*)の情報発信、随時相談の実施が推奨されていますので、コロナ禍においても安心感が得られるのではないでしょうか。
(*)プッシュ型とは、スマホなどの端末に直接送れるメッセージのことです。
 
また、交付金は、妊娠を届け出た日や出産日によっても違いがあります。
 
例えば世田谷区の場合、アンケートに回答した人や区が実施する面談を受けた人が支給の対象となっており、妊娠の届出日および出産日が令和5年3月までなら現金でそれぞれ5万円、合計10万円が支給されますが、妊娠の届出日および出産日が令和5年4月以降になる場合には、それぞれ5万円、合計で10万円相当額のクーポンが支給される予定です。
 
なお、妊娠の届け出日が令和5年3月までで出産が令和5年4月以降になるときには、現金5万円+5万円相当額のクーポンで合計10万円相当額が支援されます。
 
【図表1】
 

 
※令和5年1月6日時点
(出典:世田谷区ホームページ「出産・子育て応援事業(国の出産・子育て応援給付金)について」より抜粋)
 
なお、この事業の事業開始日は令和5年3月1日となっていますが、事業開始日より前に妊娠届出や出産している場合には経過措置が設けられています。
 

自治体に確認をしよう

「出産・子育て応援交付金」については、病院などでも案内はあると思いますが、妊娠をしたら、まずは自治体にどのような支援が受けられるのかを確認することをおすすめします。
 
この応援交付金以降も、「子ども・子育て支援新制度」も設けられています。「子ども・子育て支援新制度」の場合は、利用できる対象者に制限が設けられていることもありますが、上手に活用しながら、子育てに取り組んでほしいと思います。
 

出典

厚生労働省 出産・子育て応援交付金の実施・運用の方法(案)
世田谷区 出産・子育て応援事業(国の出産・子育て応援給付金)について(令和5年1月6日)

内閣府 子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK(平成28年4月改訂版)

 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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