更新日: 2023.02.10 その他暮らし

「求人詐欺」ってどんなもの? 求人内容と違うという相談は意外と多い?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「求人詐欺」ってどんなもの? 求人内容と違うという相談は意外と多い?
仕事を探すときは、求人詐欺に注意が必要です。求人詐欺の被害に遭うと、過酷な労働条件での仕事となり、思っていたような生活を送ることが難しくなります。また、トラブルに巻き込まれる場合もありますので、特に求職中の人は求人詐欺の特徴や回避方法について把握しておくとよいでしょう。
 
本記事では、求人詐欺に多い事例や求人詐欺を回避する方法などについて解説します。
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求人詐欺とは

求人詐欺とは、求人票の内容が実際の労働条件と異なる好条件で労働者を集め、不利な条件で契約して働かせることをいいます。
 
「求人票には勤務時間が1日6時間までと載っていたが、実際には8時間に加えて残業もある」「求人票には時給1000円とあったが、入社したら時給800円だった」「事務で応募したのに営業だった」など、求人票には実態と異なるよい条件が記載されており、入社後に求人票の内容と実態が違うことが分かります。
 
求人詐欺は最近起きたものではなく、かなり前からトラブルが起きており、劣悪な環境のまま仕事をしている人が多くいます。

 

求人詐欺に多い事例

厚生労働省「ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申出等」によると、令和3年度のハローワーク求人票の内容や実態が異なる申出等の件数は3870件でした。
 
主な内容と件数は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

申出等の内容 件数(割合)
賃金に関すること 1043件(27%)
就業時間に関すること 728件(19%)
職種・仕事の内容に関すること 673件(17%)
選考方法・応募書類に関すること 639件(17%)
雇用形態に関すること 392件(10%)
休日に関すること 380件(10%)
雇用期間に関すること 243件(6%)
就業場所に関すること 231件(6%)
社会保険・労働保険に関すること 216件(6%)

出典:厚生労働省「ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申出等」
 
賃金や就業時間、仕事内容に関することが全体の63%を占めています。また、要因別件数で最も多いのが「求人票の内容が実際と異なる」(1910件)、次に「求人者の説明不足」(1029件)で、この2つが大半を占めていました。

 

求人詐欺を回避! 仕事を探すときの注意点

採用されたと喜んで、実際働いてみたら求人詐欺だったと入社後に発覚するケースは多くあります。そこで、入社する前に求人詐欺を回避する方法を知っておくと、仕事を探す際のリスクを軽減でき、入社後の後悔やトラブルに巻き込まれるのを防げます。
 
本項では、仕事を探す場合に知っておきたい求人詐欺を回避する方法について見ていきます。

 

条件がよすぎる求人に注意する

以下のような条件がよすぎる求人は、求人詐欺の可能性があるため注意しましょう。
 

・賃金が業界や職種の相場よりやたらと高い
・仕事内容が簡単なのにかなりの高収入
・給与の上限と下限の幅がありすぎる
・残業なしを強調し、勤務時間や日数も自由度が高い
・高齢かつ業界未経験でも正社員登用あり

 
ほかの同業種や職種の求人と比べて条件がよい場合は、慎重に選ぶようにしてください。「簡単に稼げる」「相場より給料が高い」など、やたらと好条件の求人は実態とかけ離れている可能性があります。

 

面接時に就業条件を確認する

求人詐欺を回避するために、面接の際に就業条件を確認しましょう。求人票に載っている以下の条件に間違いがないか面接官に聞くようにしてください
 

・給料
・勤務時間・日数
・残業時間
・仕事内容

 
「お金のことは聞きづらい」「聞いたら失礼にあたらないか」など心配する方もいますが、大切な件なので質問するのは当然のことです。条件を理解しないまま入社して、後で違ったとなると詐欺でなくてもすぐ辞めてしまうなどトラブルになります。面接の際に、知りたいことは堂々と質問しましょう。

 

インターネットで企業の評判を調べる

興味のある求人をみつけた場合は、インターネットで企業の口コミ・評判を調べましょう。求人票からは分からない、企業の実態を知れる可能性があります。企業の口コミ・評判が悪い場合は、求人詐欺や労働環境が悪い企業である可能性があるため、入社は慎重に決めるとよいでしょう。

 

求人情報の甘い言葉には要注意

「初心者でも簡単に◯十万円稼げる」「誰でもできる仕事で月100万円」「未経験者でも高収入」など、甘い言葉に惑わされないようにしましょう。そう簡単に稼げる仕事はありません。求人詐欺やトラブルに巻き込まれる可能性があるため注意してください。

 

仕事を探すときは求人情報を真に受けないことが大事!

求人詐欺の被害に遭うと「求人票より給料が少ない」「予定より勤務時間が長くプライベートの時間を確保できない」などの問題が発生します。また、トラブルに巻き込まれる場合もあるため注意が必要です。
 
新型コロナウイルス感染拡大や円安による不況で失業した、物価高騰で生活が苦しい方が多く、それを逆手にとった求人詐欺も多数あります。入社後のトラブルに巻き込まれないよう、仕事を探すときは十分気をつけて求人詐欺の被害を防ぎましょう。

 

出典

厚生労働省 ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申出等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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