更新日: 2023.02.10 その他暮らし

保険が適用される歯列矯正がある!? 自分は適用されるのか判断する方法を紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

保険が適用される歯列矯正がある!? 自分は適用されるのか判断する方法を紹介
歯並びが良くないと、虫歯になりやすかったり、かみ合わせに影響したりすることがあります。歯並びを正すことを歯列矯正といいます。歯列矯正は、虫歯などの治療と違うため保険適用にならない場合が多いです。一方で、条件を満たすことで保険適用となる歯列矯正もあります。
 
そこで本記事では、保険適用となる歯列矯正について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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保険適用となる歯列矯正とは? 該当するかどうか確認しよう

日本矯正歯科学会のウェブサイトでは、矯正歯科診療において保険適用となる場合について紹介しています。同サイトでは、歯列矯正が保険診療になる条件として次の内容を挙げています。

●「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
●前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常 (埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
●顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療

この3つに該当する場合のみ、保険診療での歯列矯正が可能です。ただし、これらに該当する場合であっても、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関以外では保険適用になりません。
 

保険適用になる歯列矯正が受けられる医療機関の探し方

歯列矯正を保険診療で受けるには、前述の3要件のいずれかに該当し、「厚生労働省が定めた施設基準を満たし、地方厚生(支)局長へ届け出た保険医療機関」で治療を受ける必要があります。
 
対象となる医療機関は、厚生労働省の「地方厚生(支)局」から居住地近くの地域を選んだうえで、移動したサイト内検索にて「施設基準届出受理医療機関名簿」と検索します。次に、受理医療機関より歯科のPDFを探します。そのなかから「矯診」あるいは「顎診」の指定医療機関を探します。
 
ただし、お住まいの地域によっては、PDFデータが膨大な場合もあり自身で探すのが困難な場合もあります。まずはかかりつけの歯科医院に、歯列矯正を保険診療で行いたい旨を伝え、そのまま受診できれば引き続き診療してもらうとよいでしょう。かかりつけ歯科医院で診療できない場合には、保険診療が可能な歯科医院へ紹介してもらえると安心です。
 

歯列矯正が保険適用外となった場合の対処法

歯列矯正が保険対象外となり、自費診療扱いになると大きな出費になります。そこで、税制面の制度として医療費控除の適用を検討しましょう。ここからは、歯列矯正における医療費控除の概要について解説します。
 

歯列矯正における医療費控除の注意点

医療費控除は、1年間に支払った医療費の総額が10万円を超えた場合(または総所得金額の5%かいずれか低いほう)に確定申告をすることで還付が受けられ、税金が安くなる仕組みです。
 
原則として、医療費控除の適用となる歯列矯正は「歯科医により治療が必要な歯並びであると診断された場合」です。単に歯並びが悪いという見た目の矯正だけでは、治療目的とはみなされないため医療費控除の対象になりません。そのため、歯列矯正費用に関して医療費控除の適用を受ける場合には、診断書等の提出が必要となる場合があります。事前に所轄の税務署へ尋ねておくと安心です。
 
なお、医療費が高額になった場合に使える高額療養費制度は、保険診療外となった場合の歯列矯正は対象となりません。高額療養制度は、あくまでも健康保険適用となった医療費に対してのみ適用されます。つまり、保険適用外の歯列矯正の場合はどんなに高額になっても自費診療(自由診療)となるため、高額療養費制度の対象外です。
 

まとめ

歯列矯正を検討する際、まず保険適用になるかどうかを歯科医へ相談しましょう。歯並びが良くないままだと健康上悪影響であるなど、歯科医により治療が必要だと診断された場合には、保険適用となります。その場合でも、保険診療が可能な医療機関は限られているためあらかじめ調べておくことをおすすめします。保険適用外となった場合でも、医療費控除の対象にはなる場合があります。こちらについても、担当する歯科医院へ相談しながら治療をすすめると安心です。
 

出典

公益社団法人日本矯正歯科学会 歯列矯正治療が保険診療の適用になる場合とは
厚生労働省 地方厚生(支)局
国税庁 令和4年分確定申告特集 医療費控除を受ける方へ
国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療の具体例
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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