更新日: 2023.02.20 その他暮らし

香典を「新生活です」と渡されたけどどうすればいい?「香典返し」は不要?

香典を「新生活です」と渡されたけどどうすればいい?「香典返し」は不要?
葬儀に参列する際に包む香典を「新生活です」と渡された経験はありませんか? 香典における「新生活」は、群馬県をはじめとする北関東地方の一部で見られる習わしです。しかし、新生活と言われても何のことなのか、お返しはどうすべきなのか悩んでしまう人もいるでしょう。今回は、香典における新生活について解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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香典における「新生活」とは

香典における新生活とは、香典を少額にする代わりにお返しを辞退し、会葬礼状のみ受け取る風習です。香典における新生活は、戦後の日本で始まった「新生活運動」に由来します。
 
終戦後の日本は、国民の生活苦や復興を目指す動きなどで混乱していました。国の危機を乗り越えるために、冠婚葬祭を簡素化するなどして新しい国民生活を設計しようと試みたのが新生活運動です。
 
現在も群馬県をはじめとする一部地域では新生活の風習が残っています。群馬県高崎市や埼玉県入間市などでは市民の経済的負担を軽減し、住みやすい地域社会をつくる目的で、香典における新生活を推奨しているのです。
 

新生活の香典で包む金額と渡し方

新生活の香典で包む金額は、群馬県高崎市では1000円、埼玉県入間市では3000円までを推奨しています。このことから、1000円~3000円を目安に包むと良いでしょう。
 
葬儀仲介サービス「よりそう」によると、会社の同僚や知人の場合は1万円~5万円、親族の場合は5万円~10万円程度が香典の目安(いずれも30代以上の場合)とされています。お返しを辞退する新生活は、一般的な香典よりも大幅に金額が少ないことが分かります。
 
香典袋の表書きは、宗教や宗派に合わせて御霊前や御仏前などを書き、さらに表書きの左上に新生活であることも記載します。埼玉県入間市では、不祝儀袋に貼る新生活運動シールを用意しており、表書きの左上に貼るだけで新生活運動に賛同している意思表示ができて便利です。新生活運動シールは市役所地域振興課や市民課で配布しているほか、入間市の公式サイトからもプリントアウトできます。
 
香典の渡し方は通常通りで問題ありませんが、地域によっては新生活用の受付が設けられていることがあります。葬儀会場に新生活用の受付が設けられているときは、ぜひそちらを利用しましょう。
 

喪主側の対応

群馬県をはじめとする北関東に引っ越した際は、地域に新生活の風習があるかを確認しておくと安心です。地域に新生活の風習がある場合、葬儀会社と相談しながら、必要であれば新生活用の受付を設けます。
 
新生活では、会葬礼状やハンカチなどお礼の範囲を除いて、香典返しは一切不要です。喪主(施主)側は会葬礼状のみを渡し、香典返しはしないようにしましょう。なお、新生活の通夜においては弔問者にお清めは不要です。
 

新生活の風習があるか確認を

香典の「新生活」は、香典を少額にする代わりにお返しを辞退する習わしです。これは、終戦直後の貧困を乗り越えるために始まった新生活運動の名残で、現在も群馬県をはじめとする北関東地方の一部で残っています。北関東地方に引っ越した際は、その地域に「新生活」の風習が残っているかを確認しておいたほうが安心でしょう。
 

出典

高崎市 新生活運動の推進

入間市公式ホームページ 新生活運動を推進しています(冠婚葬祭の簡素化運動)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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