更新日: 2023.03.02 家具・片付け
片づけの美学140 書類を収納したけど、取り出しづらくて使わなくなった原因とは
気がつくと収納は空っぽで、書類が山積みになっているという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。どんな収納なら、書類をうまく管理できるのでしょうか。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
使いづらい収納に適した書類
気がつくと収納に書類が入っておらず、別の場所で山積みになっているのは「使いづらい収納」ということです。手に取るまで動作がいくつも必要だったりするのが原因です。
例えば、開き戸の中に、ファイルボックスを置き、その中にファイリングされた書類があるというように。この例えだと、紙に触れるまで3~4つの動作が必要です。手間がかかると、だんだん使わなくなるのは自然な流れです。
そんな収納にぴったりなのは、「取り出す必要のない書類」です。保存するだけでよい書類を入れるようにしましょう。
保存に適した書類は、
・過去の確定申告書類
・契約関係の書類
・今後の参考にしたい書類(学校資料や習い事など)
こういった「次に使う時はいつだろう、出番がないかもしれない」という書類は、出し入れがちょっと手間な収納で十分です。置き場所さえ覚えておければ、箱の中でも大丈夫です。「そこにある」と分かればよい書類は、使いづらい収納に入れていきましょう。
よく使う書類の収納に5つのテクニック
では、現在進行中の書類やよく確認する書類はどう収納すればよいでしょう。5つの工夫をすることで、使い勝手よく書類を管理できます。
■書類整理のテクニック1 1つか2つの動作で取れる
必要な書類はすぐに手に取れる場所に収納しましょう。取り出すのに手間がかかるようだと、使い続けるのは難しいです。1つか2つの動作で取り出せる収納が便利です。
■書類整理のテクニック2 クリアファイル
よく使うジャンルは細かく分けて管理しましょう。ただ、穴を開けて「とじる」ファイルをする必要はありません。クリアファイルに上から重ねて追加するだけで十分です。時系列・種類別になっていることで、管理しやすく、紛失を防ぐこともできます。
■書類整理のテクニック3 「なんでも保存」をやめる
ビジネスはさておき、家庭用の書類であれば、「とりあえず保存」「念のため保存」では量ばかりが増えてしまいます。「必要」=ないと困る書類、としても問題はないはずです。
「報告書」「明細書」のような書類は、確認が済んだら、処分するようにしましょう。どうしても保管したい場合は、年度ごとに箱に入れて、押し入れなどに収納しておきましょう。何年分を保管するかはご自宅の収納量と相談ですね。
■書類整理のテクニック4 オンラインを活用
紙で届くと保管しないと不安になる方は、オンライン化を進めましょう。書類が届かないようにすると、自然と量も減っていくはずです。ペーパーレス化することで、ポイントが多くもらえたり、手数料が割引になったりとお得なメリットも多いので、チェックしてみてもよいですね。光熱費やクレジットカードの明細などがおすすめです。
■書類整理のテクニック5 時間軸で分けて保存
書類を分類する時、保管する時間軸で分ける方法もあります。
掲示する
一時保存
年度内保存
以上の3通りくらいがよいと思います。
<掲示>
見やすい場所、ただ、扉の裏側など死角でもOK。毎月のスケジュール、時間割など
<一時保存>
出し入れをする書類、取り出しやすい場所がおすすめです。入場券やチケットなど、もうすぐ使うモノ
<年度内保存>
ふるさと納税のような確定申告に必要な書類など
時間軸ごとに書類ボックスなどに入れて保管しましょう。その箱に書類が増えてきたら、中身を点検して不要な書類を除く作業をすれば、いつでも必要な書類だけをキープできます。
使う書類は便利な場所に、保管の書類は不便でも困らない
書類用の収納が活用できていない場合は、収納の場所に原因があることがほとんどです。取り出しづらい収納には保管用の書類を置き、よく使う書類は、手に取りやすい収納にしましょう。
必要な書類だけがある状態がベストなので、時々見返す時間を見つけていきたいですね。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表