更新日: 2019.05.17 その他暮らし

離職日が1日ずれただけでこんなに違う! 知っておきたいハローワークの給付金

離職日が1日ずれただけでこんなに違う! 知っておきたいハローワークの給付金
会社を離職した後、条件を満たせばハローワークから失業手当などの給付金がもらえる、ということはほとんどの方がご存知かと思われます。
 
しかし、離職日がたった1日ずれたことでもらえる給付金の日数が大きく違ってしまう、ということはあまり知られていません。
 
「もっと早く知りたかった! 」と嘆かれるご相談者は多いです。そこで、今回は離職後にハローワークからもらえる給付金についてお話ししようと思います。
 
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執筆者:マネラボ(まねらぼ)

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まずは自分が雇用保険に加入しているかどうか確認しておきましょう

正社員に限らず契約社員や派遣社員、パートやアルバイトの方でも、条件を満たせば雇用保険に加入することになっています。雇用保険に加入する条件は、原則として以下の①と②の両方を満たす場合です。
 
①週20時間以上働くこと
②31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること
 
※昼間の学生、個人事業主、会社の代表者や役員など法律で適用除外になっている方は雇用保険には加入できません
 
なお、自分が雇用保険に加入しているかどうかわからない場合は、会社の人事課や総務課に聞いてみるとよいでしょう。雇用保険に加入すると、給与や賞与から雇用保険料として保険料が自動的に引かれていきます。
 
「今まで雇用保険料を支払ってきたのだから、少しでも取り戻したい! 」とお話になるご相談者は多いです。
 
雇用保険からもらえる給付金で最も有名なものは、離職後にもらえるお金、いわゆる失業手当でしょう(本当は基本手当といいます)。
 
この離職後にもらえる給付金。実は離職日によってもらえる給付金の種類が違ってしまうことはあまり知られていません。そこで、次からは離職後にもらえる給付金についてもう少し詳しくみていくことにしましょう。
 

離職日がカギ。離職日にあなたは何歳と何日目?

雇用保険に加入していた方が会社を離職すると、条件を満たせばハローワークから基本手当などの給付金をもらうことができます。
 
給付金がもらえる条件としては例外なども含めると色々と細かくなってしまうのですが、ざっくりといってしまうと次のようになります。
 
離職日以前の2年間で雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あればよい。会社の倒産やリストラなどの特別な事由で離職した場合は、離職日以前の1年間で被保険者期間が通算して6カ月以上あればよい。
 
65歳以上の方で雇用保険に加入していた場合は、離職日以前の1年間で被保険者期間が通算して6カ月以上あればよい、となっています。ちょっと複雑ですが、要はある程度の期間雇用保険に加入していましたか? ということです。
 
離職後にもらえる給付金は、離職日がいつになるかによって以下のように変わります。
 


 
※短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者は、条件を満たせば別の給付金がもらえます
 
わかりづらいと思いますので、モデルケースでみてみましょう。65歳の誕生日が2018年6月10日の方がいたとします。
 
離職日が65歳の誕生日の2日前までとは、2018年6月8日までに離職をするということです。そうすると基本手当がもらえます。
 
離職日が2018年6月9日以後だと高年齢求職者給付金になります。離職日が1日ずれることで、もらえる給付金の種類が変わってしまうのです。
 
なお、自分の離職日がいつになるのかは、労働条件通知書(会社と交わした契約書)を見たり、人事課や総務課などで聞いてみたりすることで確認できます。
 

基本手当と高年齢求職者給付金。給付日数の違いは?

最後に基本手当と高年齢求職者給付金の給付日数を比べてみましょう。
・基本手当の給付日数
 


 
(ア)自己都合退職の場合は給付なし、倒産など会社都合で退職した場合は90日、
 
障がい者の方などの就職困難者の場合は150日。
 
※倒産やリストラなど特別な事由で離職した方や障がい者の方などの就職困難者の場合、離職日時点での年齢や被保険者期間によって90日から360日の間で給付日数がそれぞれ決まります。詳しくは最寄りのハローワークで相談してください。
 
・高年齢求職者給付金の給付日数
 

 
給付日数だけを見れば基本手当の方が多くなっていることがわかります。そうすると、給付日数の多い基本手当をもらったほうがよいのか? ということになりそうですが、もちろんそんなことはありません。
 
どちらの給付金をもらうのかは、その方の考えによるからです。例えば65歳で仕事を辞める予定であれば、基本手当をもらえるように離職日を会社と交渉してみようかな? と考える方もいるでしょう。
 
一方、65歳以後も引き続き働く予定なので高年齢求職者給付金で構わない、と考える方もいらっしゃるでしょう。
 
はたまた、基本手当をもらい切った後、再就職して再度雇用保険に加入し、将来高年齢求職者給付金ももらおう、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
 
結局、どちらが有利不利ということではなく、基本手当、高年齢求職者給付金のそれぞれを知ったうえで、ご自身の将来設計に合うように選んでいただくのが大事だと思っています。
 
離職後にもらえる給付金の詳しい制度や金額、手続きや注意点などは必ず最寄りのハローワークで相談するようにしましょう。できれば離職をする前に相談しておく方が望ましいです。
 
TEXT:マネラボ お金と投資の知っトク研究所
浜田裕也(はまだ ひろや)
社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。

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