どうする? 「結婚費用を助けてほしい」と子どもからSOS!

配信日: 2023.03.18

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どうする? 「結婚費用を助けてほしい」と子どもからSOS!
新型コロナウイルス感染症対策による行動制限が緩和され、結婚式などのイベントも徐々に戻ってきました。最近の結婚式は、様変わりしているようです。
 
そこで、本記事では結婚式事情を探ります。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

意外と高額! 結婚式に掛かる金額

甥の結婚式に参列するために、筆者の友人が上京しました。某有名式場で行われた、かなり盛大な結婚式だったようです。招待された側も、ご祝儀や服装等で大変だったと聞きました。
 
気になるのは、結婚式に掛かる金額です。「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」(※1)によると、ゼクシィ読者およびネット会員で2021年4月~2022年3月に挙式または披露宴・ウエディングパーティーを実施した人3865人を対象に2022年4~5月にアンケート調査した結果、結婚式の総額は平均で303万8000円だそうです。
 
そのような大金を夫婦2人で準備するのは難しそうですが、ゲストからのご祝儀や親からの援助もあり、残額を夫婦2人で負担することでやりくりできるケースもあるでしょう。
 
同調査によると、ゲストからのご祝儀で平均180万4000円、親からの援助が平均178万4000円です。あくまで平均なので、ゲストの人数や式場の場所などによって開きがあると考えられますが、本人たち以外の出費もかなりの金額です。「お金が掛かる」ということは確かなようです。
 

結婚資金に関わる贈与税の非課税制度

高額の資金援助が必要となると贈与税のことが気になる方もいますが、結婚資金に関する非課税制度があります。「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」です。
 
これは18歳以上50歳未満の受贈者が、結婚・子育て資金に充てるため直系尊属から贈与を受ける場合に適用される制度です。一括資金を受け取る口座を金融機関に開設し、非課税申告書を提出する必要がありますが、1000万円(結婚に際して支払う金額は300万円が限度)までの金額の贈与税が非課税になります。要件などの詳細は国税庁のホームページ(※2, 3)を参照してください。
 
この制度は、適用期限が令和5年3月31日まででしたが、令和5年度の税制改正で令和7年3月31日まで期間延長される予定です。
 
ただし、結婚資金だけでなく子どもに対する支援全般にいえることですが、大切な注意点があります。子どもが2人以上いる場合、相続が“争族”になりやすい「自分より他のきょうだいのほうが多く出してもらった」という、不公平感を抱く根源になる可能性がありますので留意しましょう。
 

老後資金とのバランスを考えた支援にとどめる

「子どもの晴れ舞台なので、できるだけのことはしてやりたい」と思う親心は分かります。ですが甘やかすばかりでなく、費用を節約する術を話し合うことも大事ではないかと考えます。
 
結婚式の費用はお料理、衣装代、写真代や引き出物など、もろもろの品目を積算して決まります。ピンからキリまでありますが、すべてを最上級でそろえるわけにはいかないでしょう。「あのときケチって今後悔している」というのは避けるべきですが、メリハリのある選択をし、満足のいく結婚式にしたいものです。費用を援助する際に、そういう助言をすることも必要ではないでしょうか。
 
内閣府の、全国60歳以上(平成31年1月1日現在)の男女3000人を対象にした「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」(※4)によると、「同居、別居にかかわらず、お子さんやお孫さんの生活費を負担していますか」という質問に対し、17.8%の人が負担していると回答しています。そのなかでも60歳代では20%以上の人が負担していると答えています。
 
【図表1】


 
結婚式の費用を援助することは、子ども世帯への支援の入り口です。度が過ぎると、自身の老後資金に影響が出てきます。「支援できるのはここまで」とあらかじめ決めておく必要があります。
 
教育費にお金を掛けた延長上で、結婚後も支援を続けることは避けたいところです。老後資金が枯渇してしまったら、今度は子や孫に迷惑が掛かります。老後のプランをたてたうえで、余力で支援するように考えてほしいと思います。
 

出典

(※1)株式会社リクルート ゼクシィ結婚トレンド調査2022 首都圏
(※2)国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
(※3)国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(リーフレット)
(※4)内閣府 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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