更新日: 2019.01.07 その他暮らし

寂しいおひとりさまの住まい選び 購入?賃貸? 住まいを考える注意点

寂しいおひとりさまの住まい選び 購入?賃貸? 住まいを考える注意点
家を買うか賃貸住宅に住み続けるか。住まいに関する選択は、独身生活を送るおひとりさまのライフプランでも重要なポイントです。
 
家賃を一生払い続けるのは損だとか、賃貸に住み続けることが不安だという理由から、持ち家を購入するおひとりさまもいます。
 
一方で、持ち家と賃貸のそれぞれのメリットやデメリットが気になって、なかなか決められない人も多いでしょう。
 
ここでは、おひとりさまが家を買う場合と賃貸に住み続ける場合のメリット・デメリットから、住まいを考えるときの注意点を考えてみましょう。
 
藤嶋英臣

Text:藤嶋英臣(ふじしまひでおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
平成29年度 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」(大阪)相談員
996年大阪大学経済学部卒業。二度の転職ののち、過労による体調不良から40歳で退職。ファミリーに比べておひとりさま(単身者)のライフプランに関する情報が少ないことを不安に思い、FPを志す。FPの上級資格であるCFP(R)の試験を1年あまりで突破し、2015年大阪市に「はやぶさFP事務所」を開設。
 
自らも単身者であることから、同じ立場で思い悩む方への手助けとなるべく活動中。また、ライターとして各種士業・Webメディア向けに文章コンテンツを多数提供。
1973年生まれ、奈良県出身。

家を買うと安心感が得られる

まず、おひとりさまが家を買うメリットとデメリットを見てみましょう。
 
家を買うメリットは主に次の三つです。
 
・将来の住まいの心配をしなくてよい
・資産を所有している安心感が得られる
・大きな買い物をした達成感が得られる
 
高齢になって部屋を借りられなくなる心配がいらない点は、家を買うメリットの中でも一番大きなものでしょう。今後は高齢者も部屋を借りやすくなると予想されますが、希望する条件で借りられるとは限りません。
 
その他のメリットとしては、資産を所有することで得られる安心感や、家を買うことで得られる達成感などがあげられます。
 
一方、デメリットとしては主に次の三つです。
 
・住宅ローン以外にも支出が必要

・転勤のときに困る

・資産価格が下落する可能性がある
 
家を買うとき、頭金や住宅ローンの返済額にはこだわっても、ローン返済以外の負担は見落としがちです。
 
家を買えば固定資産税や都市計画税を毎年納めなければならないほか、大切な家と家財の被害に備えて火災保険に入ることも欠かせません。
 
マンションでは管理費や修繕積立金が毎月数万円単位で必要になります。一戸建てでは将来の修繕費用を自分で準備しなければなりません。
 
転勤の可能性がある場合は、家の購入には慎重になったほうがよいでしょう。同居する家族がいないおひとりさまは、遠方に転勤すると家に住む人がいなくなってしまいます。空き家のままにしておくか、賃貸するか売却するかの選択を迫られます。
 
資産価格の下落についてはあくまでも一般論です。立地が良く住宅そのものも良質であれば、価格が上昇することもあります。
 

賃貸は身軽な点がメリット

賃貸住宅に住み続けると家賃を払い続けなければならない一方、生活環境に応じて比較的簡単に住み替えができます。おひとりさまが賃貸に住み続ける場合のメリットとデメリットを見てみましょう。
 
賃貸に住むメリットは主に次の二つです。
 
・比較的簡単に住み替えができる
・設備の修繕は家主が負担してくれる
 
賃貸に住んでいると、転勤や転職などで生活環境が変わる場合に比較的簡単に住み替えができます。
 
このほか、古くなった設備の修繕費は基本的に家主が負担するため、毎月の家賃・管理費以上の負担を気にしなくてよい点もメリットとしてあげられます。(ただし、故意の破損や退去費用など入居者が負担するものもあります。)
 
一方、賃貸に住むデメリットは主に次の三つです。
 
・家賃を払い続けなければならない
・高齢になると貸してもらえない恐れがある
・保証人になってもらう人がいなくて困る
 
家を買ったときのローン返済はいずれ終わりますが、家賃の支払いはそこに住む限りずっと続きます。賃貸に住み続ける場合は、老後の生活費を多めに見積もっておく必要があります。
 
高齢になると部屋を貸してもらえないのではないかという心配はよく聞かれます。また、誰に保証人になってもらうかという問題は、家族が少ないおひとりさまにとっては切実です。
 
今後は、高齢者の住まいに対する行政の支援や保証会社のサービスが充実していくことに期待したいところです。
 

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持ち家か賃貸かはライフスタイルに合わせて判断を

おひとりさまが家を買う場合と賃貸住宅に住み続ける場合のメリット・デメリットをご紹介しました。どちらにもメリットとデメリットがあり、一概には比べられないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
 
ここでは「おひとりさまだからこそ家を買いましょう」とか、「おひとりさまに持ち家は必要ない」といった回答は示しません。
 
いろいろな可能性を考えたうえで、安心感を求めるのか身軽さを求めるのか、少し大げさに言えばあなた自身がこれからどうやって生きていきたいかを優先して住まいを選ぶとよいでしょう。
 
Text:藤嶋英臣(ふじしまひでおみ)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
平成29年度 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」(大阪)相談員

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