単身者の家電は購入かレンタルか?
配信日: 2023.04.05
ファイナンシャルプランナー CFP
家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。
ひとり暮らしの準備費用と購入品目
大学生を例にとった場合の一人暮らしを始める費用は、地域によって違ってきますが、全国大学生協組合連合会の調べ(※)では、約50万円~66万円で平均では約60万円となっています。内訳は、住まいにかかる費用と生活用品をそろえる費用ですが、生活用品の費用は約30万円になっています。
生活用品の中で中心になるのは家具や家電ですが、8割近い人がそれぞれの状況に合わせて家具・家電を購入・レンタル・サブスクで手配しているようです。
なお、新社会人で人暮らしを始める場合も同様の用意が必要だと思いますが、社会人の単身赴任時の家具や家電については、自宅で使用しているものを送ることもあるので、品物の数が少なくなる場合もありますが、学生と同じか少し良いものを選ぶことが考えられます。
購入とレンタル、サブスクとの違い
次に、生活用品を用意する3つの手段による違いを見てみましょう。
・購入
代金を支払うと自分の所有品となるので、期間や使用方法について制約はありません。ただし、学生時代や単身赴任は2~4年になることが多いので、期間終了後に処分をする必要が起きることが多くなります。
・レンタル
特定の商品を、期間を定めて利用することができ、購入の場合よりは手軽に、そして分割払いが可能です。家電3点セット、5点セット、家電家具7点セットなど選びやすいプランもあります。
・サブスク(サブスクリプション)
毎月一定額を支払って、品物やサービスを継続的に使用できるしくみですから、購入やレンタルと比べてこだわりの商品選択などができる場合が多いとされています。学生向けよりは社会人の転勤時の家具・家電選びに適しているのではないでしょうか。
家電セットの購入とレンタルの例
レンタルを利用した場合の例を、家電3点セット(冷蔵庫110リットル、洗濯機4.2キログラム、電子レンジ)で、購入した場合と比べてみましょう。
4年レンタル 8万5000円~8万7000円
購入(買取) 5万2000円~5万8000円(冷蔵庫サイズは85リットル)
価格は購入する場合のが、ネット広告やチラシなどではレンタルより安く表示されていますが、各商品のブランド、容量、配送・設置費用なども見る必要があります。
ここでは、購入とレンタルの搬入・設置・処分時の違いを見てみましょう。
購入
・購入時は購入先の事業者によっては、配送費・設置費用や梱包廃材の処分が必要になることがあります。
・コンセント設置などについて追加費用が発生する場合があります。
・卒業等で処分する場合に、廃家電(冷蔵庫・洗濯機)の処分費用が発生します。
レンタル
・搬入・設置は事業者が行うことが明記されている場合が多いようです。
・期限終了後の引き取りはレンタル事業者が行い、廃家電の処分費などが発生しません。
したがって、表面的に出ているレンタルと購入の価格差以外のことも考えて、どちらを利用するかは総合的に判断する必要があるのではないでしょうか。
レンタルの場合、中古品のレンタルを選ぶ選択もあり、相当に購入予算を減らすことも可能です。
選択のポイント
家具・家電を用意する方法を選択する際には、以下のポイントを意識するようにし
●期間終了後(卒業など)の継続使用や処分時のことも想定して選ぶことが大事です。
●搬入・設置の作業の手段や難易度は人(男女など)によって差がありますので、自分に合った方法を選びましょう。
●自分の目で商品を確認して選ぶ場合は、お店に行って見てみましょう。
●サブスクは時代の流れですが、使ってみて別のモデルに変えたい場合などに適しているというしくみの特徴を理解して利用するのが良いのではないでしょうか。
まとめ
大学生や単身赴任の一人住まいの家具・家電品の準備について、購入・レンタル・サブスクの違いを整理してみました。それぞれ一長一短がありますが、自分のこの先の計画にあった選択をされてはいかがでしょうか。
出典
(※)全国大学生活協同組合連合会 「2022 年度保護者に聞く新入生調査」概要報告
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP