更新日: 2023.04.05 子育て

子どもの教育費は「公立」「私立」でどれだけ違う? 高校卒業までにかかる費用やお金の貯め方も確認

子どもの教育費は「公立」「私立」でどれだけ違う? 高校卒業までにかかる費用やお金の貯め方も確認
子どもがいる家庭にとって、教育費がどのくらいかかるのかというのは大きな問題の1つです。子どもの人数、私立または公立、文系かまたは理系など、個別の状況によって必要となる教育費は大きく異なります。
 
実際のところ、教育費について、どのくらい準備しておけばいいのか、どのように準備したらいいのか、具体的に解説します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

公立と私立、教育費のちがいは?


 
まずは、私立と公立の教育費の平均をチェックします。2021年度の「子供の学習費調査」(※1)によると、1年間に保護者が子どもの学校教育および学校外活動のために支出した学習費の総額は、公立と私立でそれぞれ以下の通りとなっています。
 

<公立>

幼稚園:16万5126円
小学校:35万2566円
中学校:53万8799円
高等学校(全日制):51万2971円

 

<私立>

幼稚園:30万8909円
小学校:166万6949円
中学校:143万6353円
高等学校(全日制):105万4444円

 
大学の学費は、一例として、国立の東京大学(※2)と、私立の早稲田大学(※3)では以下の通りです。
 

<東京大学 学部生>

初年度合計:81万7800円(入学金:28万2000円、授業料:53万5800円)

 

<早稲田大学 政治経済学部>

初年度合計:121万6450円(入学金:20万円、授業料等:101万6450円)

 
幼稚園から大学までの教育費について私立と公立を比較すると、私立の方が大幅に高いことが分かります。
 

教育費を準備する3つのポイント

では、具体的に教育費を準備する方法を確認します。特に以下の3つのポイントに気をつけるようにしましょう。
 

1.収入に合った計画を立てる

子どもを希望の学校に通わせたいと思っても、収入に見合わないほどお金がかかる学校の場合、普段の生活費を始め、万一のときの備えなど、家計全体でバランスが取れなくなってしまいます。
 
そのため、自分たちの収入でカバーできる学校を選び、教育費について計画的に準備していくことが大切です。
 
前述した公立と私立の教育費の比較では、特に小学校と中学校で大きなちがいがあることが分かります。経済的にあまり余裕がないというご家庭では、小学校・中学校は公立にすると、教育費の支出を大きく減らすことができるでしょう。
 
なお、一般的にも私立の小学校や中学校に通う子どもは少数派です。文部科学省の学習費調査では、私立小学校に通う児童の割合は全体の1.3%、私立中学校に通う生徒は全体の7.7%となっており、多くの子どもは公立の学校に通っています(※4)。
 

2.支援金や奨学金を活用する

高校からは、高等学校等就学支援金制度を活用できます。基準となる世帯年収に応じ、公立であっても私立であっても返還不要の授業料の支援が受けられ、教育費の負担を大幅に減らすことができるため、中学までは公立で、高校からは私立に通うという選択も可能です。
 
さらに大学では、さまざまな奨学金制度が活用できます。例えば、日本学生支援機構の奨学金には学費返還不要の必要がない「給付型」と、卒業後に返還する必要がある「貸与型」(無利子または有利子)があり、給付型の対象となった場合、高等教育の修学支援新制度により入学金・授業料の減免も受けられます。さらに貸与型には、利子がつかないものと、利子がつくものがあります。
 
奨学金の種類に応じて世帯年収や学力の採用基準があるほか、国立・私立といった学校の区分などで給付額・貸与額は異なります。自身が利用できる制度がないか、ぜひチェックしてみましょう。
 

3.子どもが小さいときから先取り貯金を行う

子どもを公立の小学校や中学校に通わせる場合、教育費の負担はあまり多くはありません。子どもが小さいうちに貯金をしておくことがよいです。高校、大学進学などに向けて必要なお金を準備しましょう。
 
幼稚園から大学まで、すべて公立の学校に通う場合、教育費は総額で1000万円程度が必要になるといわれていますが、例えば、子どもが生まれてから準備を始めると、毎年50万円ずつ、20年間で貯金することになります。
 
毎月、少なくとも2~3万円を子どものために家計から先取り貯金を行い、可能であれば児童手当も教育費として貯金するといいでしょう。
 

まとめ

子どもの教育費について、不安を感じている人は多いのではないでしょうか。実際にどのくらい必要なのか、どのように準備していくのか、具体的に計画を立てることで不安の解消につながります。
 
今回紹介した内容を参考にしながら、教育費を準備する方法や将来のマネープランについて見直してみましょう。
 

出典

(※1)総務省統計局 子供の学習費調査

(※2)東京大学 入学料・授業料

(※3)早稲田大学入学センター 入学金・学費・諸会費

(※4)文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します

 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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