更新日: 2023.04.15 子育て

「異次元の少子化対策」って何? 子育て支援はどうなるの?

執筆者 : 下中英恵

「異次元の少子化対策」って何? 子育て支援はどうなるの?
日本が少子化傾向となってからしばらくたち、生まれる赤ちゃんの数は年々減少しています。近年はさらに深刻な状況となっており、政府も少子化対策をさらに強化していくようです。では、実際に子育て世代が受け取れる支援には、どのようなものがあるのでしょうか。
 
今回は、子育て世代がもらえるお金や今後の少子化対策における重要な課題について、ご紹介します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

少子化は日本の課題

1人の女性が一生の間に産む子どもの数を計算したものを「合計特殊出生率」といいます。単純に考えて、合計特殊出生率が2を下回ると人口は減少していくことになります。日本の少子化は1975年ごろから始まりましたが、ここ最近は合計特殊出生率の低下が特に著しく、2021年は1.30となっています。
 
また、2022年の出生数(速報値)は79万9728人となっており、過去最少だった2021年の84万2897人をさらに下回っています。
 
日本の少子化は、子育て世代だけの問題ではありません。子育てを終えた年代や高齢者世代にとっても、自分たちの将来を揺るがすような日本の課題の一つです。
 
子どもの数が少なければ将来の労働人口が減り、経済力が大きく低下します。貧しい国になると、人々の生活水準は大きく下がってしまうでしょう。海外から新たな労働者を受け入れたり、観光業に力を入れ外国人観光客の消費を促したりと、日本の経済活動も大きく変化していくと考えられます。
 

異次元の少子化対策とは?

日本の少子化を食い止めようと、政府もさまざまな政策を行っています。特に、2023年1月に岸田首相が発言した「異次元の少子化対策」には注目が集まっています。異次元の少子化対策とは一体どのようなものなのか、チェックしていきましょう。
 
今回の少子化対策の柱は、「児童手当など経済的支援の強化」「学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充」「働き方改革の推進」の3つとなるようです。
 
子育て世代にとって気になるのは、やはりお金のことでしょう。すでに、児童手当の支給や幼児教育の無償化、高校の授業料無償化など、さまざまな子育て支援が行われています。
 
異次元の少子化対策の「児童手当など経済的支援の強化」として、今後、児童手当の金額を増やす案や、支給対象年齢を広げる案などが出ています。また、児童手当については、現在設けられている所得制限を見直す議論も行われているようです。
 
一方、各自治体でも子育て支援は広がっています。例えば、東京都では所得制限なしで18歳までの子どもに月5000円を支給する予定です。また、福岡市は現在半額となっている2人目の保育料を無償化し、子育て世帯の負担を軽くする検討を進めています。
 
政府の政策に加え、積極的に少子化対策を行っている自治体は多くあります。ぜひ、自分の住んでいる地域についても調べてみてください。
 

少子化対策の問題点

現在子育てを行っており、すぐにでも支援を増やしてほしいと考えている家庭は多いでしょう。しかし、これらの少子化対策案が実行されるまでには、残念ながら、まだしばらく時間がかかると考えられます。
 
これらの政策を行うためには財源が必要となります。少子化対策以外にも、さまざまな政策を行うことが迫られている日本では、十分な財源確保は難しいと考えられています。
 

まとめ

少子化は、日本にとって大きな課題の一つです。豊かな日本の暮らしを守るためにも、社会で協力して子どもたちを育てていく姿勢が大切ですね。政府の取り組みや企業の動きについて、今後も注目しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 「結果の概要」
厚生労働省 人口動態統計速報(令和4年12月分)
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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