更新日: 2019.08.30 子育て

住んでいる地域でこんなに違う?子供の医療費助成制度

執筆者 : 丸島幸恵

住んでいる地域でこんなに違う?子供の医療費助成制度
親になって初めて直面する子供の医療費。乳幼児は自分の体の不調をうまく伝えることができないため、おのずと病院に行く機会が多くなります。
 
そのため、子供の医療費は家計に大きな影響を及ぼすことも。
 
実は自治体によって医療費助成制度に大きな格差があります。無料だと思っていたのに無料じゃなかった!!なんてことになる前に、しっかり調べて損をしないようにしましょう。
 
丸島幸恵

執筆者:丸島幸恵(まるしま さちえ)

CFP(R)認定者 栄養士

1級ファイナンシャルプランニング技能士
投資会社で14年間勤務後、出産により退職。
現在2歳と4歳の姉妹の子育て真っ最中。
横浜市在住。主婦目線から暮らしに役立つ知識や情報を提供しています。

子供の医療費助成、なんで自治体によって違うの??

国の医療保険制度における子供の自己負担割合は、小学校入学前までは2割、入学後は3割と定められています。その負担軽減のために都道府県、市区町村が補助をするという形を取っています。
 
「乳幼児医療費に対する援助の実施状況(平成28年4月1日現在・厚生労働省)」によると、全国全ての都道府県、市区町村で医療費助成がされています。
 
しかし、「国⇒それぞれの都道府県⇒それぞれの市区町村」というお金の流れなので、財政状況や政策、予算配分により都道府県、市区町村で違いが出てくることになります。
 

どんな違いがあるの?比較のポイントは?

医療費助成の実施状況について、次の3つのポイントを確認しましょう。
参考:「乳幼児医療費に対する援助の実施状況(平成28年4月1日現在・厚生労働省)」
 

(1)対象になる年齢

通院の場合を市区町村別にみると、就学前までとする自治体が約12%、15歳年度末(中学生)までが約58%、18歳年度末(高校生)までが約22%となっています。
 
一方入院の場合は就学前までとする自治体が大幅に減り2%、15歳年度末(中学生までが約68%、18歳年度末(高校生)までが約23%と、けがが多い中学生までを90%以上の自治体が助成していることになります。
 

(2)完全無料か一部負担か

負担割合をみると、47都道府県のうち37都道府県、687市区町村が一部自己負担を設定しています。
 
1回500円前後のところが多く、0歳から負担するところ(松戸市:通院1回200円、入院1日200円、大阪市:1つの医療機関ごとに1日最大500円など)もあれば、3歳から負担するところ(神戸市:1日上限400円、3日目以降無料など)もあります。
 
またコンビニ受診を防ぐため、一度窓口で2割を負担し、数カ月後に負担した2割分を口座振替で補う償還払いを実施しているところもあります(三重県、鹿児島県の一部など)。
 

(3)所得制限があるか

所得制限のある自治体は47都道府県のうち29都道府県、309市区町村に及びます。
 
また一律に所得制限と言っても1歳からなのか6歳(小学校入学)からなのか12歳(中学校入学)からなのか、また生計を主に維持をしている人だけの所得か、世帯合算か(西宮市など)自治体によって異なります。
 
関東・関西でそれぞれ人気がある街と千代田区とを簡単に比較してみました。
 


 
人気の街が医療費面で必ずしも子供にやさしい街とは限りませんね。年々子供医療費の助成は拡大し、所得制限も緩くなる傾向にありますが、日本全国一律無料!には程遠い道のりです。
 
新しく住むところを探すとき、自治体のHPをよくチェックするようにしましょう。
 
■参考ULR

松戸市 乳幼児医療費助成

大阪市 乳幼児医療費助成

神戸市 乳幼児医療費助成

横浜市 乳幼児医療費助成

西宮市 乳幼児医療費助成

住みたい街ランキング

Text:丸島 幸恵(まるしま さちえ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)認定者
栄養士
 


 

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