更新日: 2023.04.24 家具・片付け
片づけの美学143 片づけが中途半端に終わる|出して戻しただけを脱却する方法
本記事では、「出して」→「戻しただけ」と感じる片づけから脱却する方法をご紹介します。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
片づけのエリア設定が重要
出して戻しただけの片づけになったと感じる場合、片づけエリアが広すぎる可能性があります。片づけで手を広げすぎると、判断や決断することが多すぎて疲れてしまいます。「取りあえず取っておこう」という思考にならないように、小さめの範囲を片づけるようにしましょう。
目安は1回につき引き出し1段ずつ、10分の片づけです。10分の片づけを何度も繰り返して、全体を整えていきましょう。テレビや雑誌で見るようなお部屋全体を1回で済ませる片づけは、膨大な時間と労力や人手がかかり現実的ではありません。
片づけの最初の一手
一度の片づけで作業するエリアを決めたら、中身を全部出しましょう。全部を出すと、驚きや発見があります。
まず、モノの量を知ることになります。大抵の場合、想像よりもたくさん入っていると感じるようです。「こんなに必要?」と現在のモノの量に疑問を感じると、「捨てる」ことへの抵抗が薄れます。
さらに、モノの汚れや劣化にも気づきます。もう使えない状態のモノを見つけることもあるでしょう。モノをいったん全部出すことで、「必要」「必要でない」という判断がしやすくなるのです。
また、収納内のホコリなど汚れにも気づくことができます。内部の清掃もしましょう。
分類をするときのポイント
片づけの成功は、「モノの分類」で決まるといっても過言ではありません。分類が成功しなければ、「出して戻しただけ」になってしまう可能性が高まります。取捨選択は時につらい作業ですが、目をそらさず決めていきましょう。
小さいエリアの片づけなら、決断も少しで済みます。モノを丁寧に分別することもできます。書類を1枚ずつ確認する余裕も生まれます。
分類は以下のように行います。
・使っている
・処分する
・使わないけど捨てられない
上記の3種類に分けていきましょう。
使っているモノは、「この1年で使ったかどうか」を目安に決めてみましょう。使わないけど捨てられないモノは、思い出のモノです。今後も大切に保管しましょう。処分するか迷うモノがある場合は、取りあえず、袋などにまとめます。
しばらくして、もう一度気持ちを確かめてみましょう。「〇月ごろ処分か決める」とメモをつけておけば、捨て忘れ防止になるでしょう。
収納場所を移設する?
「使っているモノ」は現在の収納場所で、よいでしょうか? 別の場所のほうが便利なモノは、移動先に持っていきましょう。
保管するモノは、現在の収納が手狭なのであれば、移動しましょう。できれば保管のモノを集めた収納を用意できると、紛失防止になります。
手前と奥を活用
収納スペースを効果的に使うために、一つの収納の内部を「手前」と「奥」で分ける方法があります。手前には、よく使うモノ。奥にはあまり使わないモノがよいでしょう。
例えば文具の引き出しなら、手前によく使うペンやメモを置いて、奥に新品の文房具や時々使うパンチなどの道具を入れます。モノを使いやすくするために、いろいろな工夫をすると、収納内部がどんどん効率化されていきます。
使ってみて、手を加える
出して戻すだけになってしまったと感じる場合は、小さい範囲の片づけを試してみてください。そして、分別は目をそらさず、決めていきましょう。
また、キレイになった収納を使ってみて、不便さを感じるなら、追加で手を加えてみましょう。どんどん、使い勝手のよい状態に仕上がるとよいですね。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表