なぜ、「雇用システムの変化」の意味を知る必要があるのか。
配信日: 2018.07.11 更新日: 2019.01.10
その中で「雇用システムの変化」というものがありました。これは、昔に比べ働き方が変わっているということです。だからこそ、現在、子どもたちにもキャリア教育が必要とされています。
そもそも雇用システムの変化は、大人にとっても重要なものです。今回は、雇用システムについて基本的な部分から確認していきましょう。
Text:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
目次
雇用システムが変化することで退職金や企業年金に影響が出る
ご主人の会社の雇用制度について理解していますか?
たとえば、住宅ローンのご相談の場合、私たちファイナンシャル・プランナー(以下FP)は、退職金の見込み額や年金などを含めたライフプラン(人生設計)全般にわたるキャッシュフロー表を作成していきます。
また、老後のお金をどのように貯めていけばいいかというご相談に際しては、お勤めの企業で採用されている企業年金や確定拠出年金などの福利厚生制度についての情報を確認します。
これらに共通する点は「賃金」です。 退職金の場合、その算定基礎は給料なります。企業年金や確定拠出年金についても、月々のお給料からどのように掛け金を拠出するかに関係してきます。
さらに、お勤めされている会社の「定年退職制度」も重要な要素になってきます。具体的にいうと、定年の年齢が何歳になっているかが賃金の決定要素のひとつになっているからです。
人生設計には「雇用」に関する情報収集が必要不可欠
人生を歩んでいくうえで必要なお金は就労によって得られます。だからこそ、雇用に関する情報を身につけておくことが必要とされているわけです。
雇用制度を知る際に、どのような点に着目すべきかというと、次のようなポイントが挙げられます。
(1)賃金カーブ
(2)定年退職制度
(3)退職金制度
(4)育休や介護休暇などその他就業規則の内容
通常、企業が社員を雇う際、就業規則の作成が義務づけられています。
そして、雇用されると就業規則が提示されますが、一般的には読んだことのない方が大半だと思います。
基本給がいくらなのか、どのように昇給していくのか、いつまで働くのか、退職金はいくらなのか、子育てや介護などの制度は整っているか、このようなことが就業規則内に盛り込まれています。
これらの情報を知ることで、どのように働いていくことになるか、どのように人生設計を組み立てていけばいいかが見えてきます。
子どもへのキャリア教育の前に、大人がお金に対するリテラシーを身につけることが必要
雇用システムを確認することで、正確な賃金や退職金、自分のこの先の働き方がわかり、より適切なライフプランを作成することができます。
しかし、雇用システムは変化する可能性があるものです。現状を知ったうえで、情報収集を怠らず、変化に合わせて、ライフプランを更新していく必要があるのです。
キャリア教育では「人生について、自分で考え、実践する」ことが重要とされています。
子どもへのキャリア教育が進められていますが、自分自身や、ご主人の雇用制度をしっかりと理解していない人も多いのではないでしょうか。
子どもだけではなく、わたしたち大人もお金に対するリテラシーや、情報を組み立てていくインテリジェンスを、きちんと身につけることが大切です。
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)