奨学金のあれこれ。知らなきゃ貰えない!?日本学生支援機構奨学金の予約申込で知っておきたいこと

配信日: 2018.07.14 更新日: 2019.01.10

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奨学金のあれこれ。知らなきゃ貰えない!?日本学生支援機構奨学金の予約申込で知っておきたいこと
日本学生支援機構の奨学金は、在籍する高校で申し込み(予約)ができます。進学が決まっていないと申し込みできない、と勘違いしている保護者もいます。
 
また申し込みをしても、日本学生支援機構の対象校でなければ利用できないことを知らない人もいます。
 
特に専門学校に進学する場合は、対象校かどうかを念のために確認してください。奨学金を高校で申し込むうえで、知っておきたいポイントをお伝えします。
 
新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

申し込み(予約)は進学先が決まっていなくてもできる

日本学生支援機構の奨学金(以下、奨学金)の申し込み時期は決まっています。いつでも申し込めるわけではありません。高校で申し込む場合、第1回は5月下旬~7月上旬、第2回は10月下旬~11月上旬です。
 
第一種奨学金は、従来、第1回目しか申し込めませんでしたが、平成31年度進学予定者から第2回も申し込めるようになりました。
 
高校により、申し込みの締切り時期が異なりますので注意してください。第一種、第二種とも第1回目しか申し込めない高校もあります。また、第一種の申し込みしか受け付けない高校もありますので、在籍校で確認してください。
 
申し込み(予約)は、進学先が決まっていなくても、就職か進学か迷っていても申し込むことができます。
 
東日本大震災直後、就職を考えていた生徒が、求人がなくなり専門学校に進路を変更したというケースがありました。このようなケースに備えて、奨学金を申し込むことも可能です。
 

進学先が日本学生支援機構の対象校でないと申し込み(予約)は無意味

第1回目に申し込むと、10月下旬に予約採用候補者になったかどうかの結果がわかります。しかし、採用候補者になった人でも、進学先が日本学生支援機構の対象校でないと奨学金を借りることができません。
 
給付型奨学金も同じです。
 
大学の通信教育課程・放送大学は、予約採用による採用候補者になっても奨学金を利用できません。専門学校の通信教育課程も同様です。
 
ただし、通信教育課程(大学・短大・専門学校)は、スクーリングの面接授業を受講する場合のみ、進学後に申し込むことが可能です。
 
貸与は年1回になります。また、大学の付属施設、専修学校の高等課程・一般課程、高等学校の専攻科・別科、自治医科大学(医学部)、学校教育法によらない学校(語学学校、職業訓練校、防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、警察大学校、気象大学校、国立看護大学校、職業能力開発大学校等)は対象外です。
 
専門学校に進学を予定している人は、進学先が対象校か確認しましょう。専門学校のつもりで入学したら、都道府県知事の認可を受けていない無認可の教育施設だったというケースがあります。
 
あるいは、認可を受けた各種学校だったというケースもあります。いずれも奨学金の対象外です。
 
では、専門学校なら安心かというとそうではありません。専門学校であっても対象学科でなければ利用できません。不明な場合は、進学先の学校に問い合わせるようにしてください。
 
なお、日本学生支援機構のホームページで対象学科について一覧表を掲載していますので参考にしてください。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/kijun/yoyaku/senshu/gakkalist.html
 

申し込んでもキャンセルは自由

予約採用により採用候補者になっても、進学後に「進学届」を出さなければ、予約は自動的にキャンセルになります。対象校でない場合も同様です。
 
したがって、少しでも進学する可能性があり、奨学金を利用する可能性があるのであれば、予約をしておいたほうが良いでしょう。なお、予約時に、貸与月額、保証制度、利率の算定方式など選択しなければなりませんが、「進学届」を出すときに変更できます。
 

子どもと進学費用について話し合いましょう

子どもが卒業年次(高3年生あるいは4年生)に、進級する前に子どもと進学のこと、進学費用のことについて話し合うことをお勧めします。
 
毎年6月頃、高校の三者面談に合わせて奨学金などの相談員を14年間行っていますが、奨学金を高校で申し込めることを知らない保護者が少なからずいます。
 
この時期ですと“時すでに遅し”で、高校での予約の締め切りが過ぎているケースもあります。このような家庭では、子どもは親が学費を出してくれるので、自分には奨学金は関係ないと思っているのかもしれません。
 
こんなケースもありました。子どもが奨学金の案内の入った封筒を親に渡したのですが、親が封筒の中身を確認せずに放置していて、予約の時期を過ぎてしまった、というケースです。
 
この場合も、子どもは親に書類を渡せばきちんと処理してくれるものだと思い込んでいたのかもしれません。いずれにしてもコミュニケーション不足は否めません。
 
保護者としては、学費を負担できる経済力がある場合を除き、奨学金を予約しておくことをお勧めします。
 
そのためには、子どもに奨学金の説明会(4・5月頃実施が多い)に出て、説明会でもらった書類を保護者に必ず渡すよう伝えてください。書類を受け取るときには、説明会でどのような説明があったかも確認しておきましょう。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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