ハイブリッドカーに「頻繁なオイル交換」は不要? 乗ってなくても「定期的」に交換すべき理由も解説
配信日: 2023.05.11
実は、その考え方は間違っています。本記事では、ハイブリッドカーのオイル交換について詳しく解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
目次
ハイブリッドカーのエンジンオイルの交換が必要な理由
それでは、なぜ燃費の良いハイブリッドカーのエンジンオイルは交換しなければならないのか、その理由について3つの視点から解説します。
エンジンが動けばオイルが劣化する
エンジンオイルの効果としては、エンジンの冷却・潤滑・洗浄・保護といったことがあります。エンジンが動くことでエンジンオイルがエンジン内を循環し、これらの効果を発揮します。みなさんがご存じの通り、エンジンは高温で動きますから、動くたびにエンジンオイルにダメージが及ぶことになります。
ガソリンエンジン車よりも過酷な使用状況
通常のガソリンエンジン車であれば、ドライブが終わるまでエンジンは動きっぱなしですが、ハイブリッドカーの場合はエンジンの始動と停止を車が判断して行います。エンジンの動きだけを見た際、ガソリンエンジン車と比べるとハイブリッドカーのほうがエンジンにとって過酷な動きをしています。
これは後述するシビアコンディションに該当する可能性が極めて高い、すなわち過酷な使用状況である、といえるのです。
エンジンオイルの劣化が燃費の低下につながる
前述したエンジンオイルの効果は、オイルが劣化すると低下します。オイルは人間でいうところの血液に近いものなので、新品時はサラサラなオイルでも劣化するとドロドロになってエンジンがスムーズに動かない状態になり、結果として燃費の低下にもつながるということは覚えておいたほうがいいでしょう。
車にとってのシビアコンディションとは?
前述したシビアコンディションについて簡単に説明します。
シビアコンディションとは、以下の条件での走行が30%を超える場合が該当します。
・悪路での走行が多い
・雪道での走行が多い
・走行距離が多い(年間2万キロメートル目安)
・山道での走行が多い(ブレーキを多用する)
・短距離走行が多い
・短時間走行が多い
ハイブリッドカーの場合、「短時間・短距離」走行が多いときに該当することが多く、実際にそのようなことがなくてもエンジンの始動と停止を繰り返すことで、これに当てはまります。
例えば、メーカー推奨のオイル交換のサイクルが「1年もしくは1万5000キロメートル」だった場合、シビアコンディション該当車に対するオイル交換のおすすめ頻度は、その半分の「半年もしくは7500キロメートル走行」となり、ハイブリッドカーもこの頻度での交換が推奨されるわけです。
オイル交換の推奨タイミングは車種によっても異なるので、取扱説明書などをよく読んで確認しましょう。
「乗っていないからオイル交換はしない」もNG!
一方で「車は週末に買い物でしか使わない」という人でも、エンジンオイルはシビアコンディションに該当します。よって、オイル交換は車に乗らなくてもこまめにすると車が長持ちするので、定期的に交換するようにしましょう。
「車検ごとでも大丈夫」などと交換をしない場合もあるようですが、車にとっては過酷な使用条件となりますので、避けたほうが無難です。
エンジンオイルの劣化はさまざまな弊害を生む! こまめに交換しよう
車を長持ちさせるためにも、エンジンオイルの交換はこまめにすることが必須です。1回あたり数千円の出費となるため金銭的に厳しいかもしれませんが、エンジンが壊れたら数十万円の修理費になるので、オイル交換のほうが安価となることも考えられます。
こまめに交換してエンジンをいたわってあげましょう。
出典
トヨタ自動車株式会社 メンテナンスについて
本田技研工業株式会社 シビアコンディションとは
執筆者:宇野源一
AFP