更新日: 2023.05.16 その他暮らし

空き家は「2023年のうちに着手したほうがいい」って本当? その理由とは

空き家は「2023年のうちに着手したほうがいい」って本当? その理由とは
日本では空き家が増加している傾向にあり、国も空き家問題について対策を講じています。空き家を放置していると、倒壊や景観を損ねる問題も発生するため周辺地域への影響も少なくありません。
 
国は、空き家対策についてどのような施策を講じているのでしょうか。また、空き家の所有者としてどのような対策をすればよいのかを解説します。特に、空き家を所有している人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

空き家の現状

空き家が増えていると耳にする機会が増えましたが、実際にはどれくらい増えているのでしょうか? 報道で目にしたり耳にしたりすることはあっても、具体的な数字は記憶には残らないものです。
 
国土交通省が主催している不動産部会の資料に、空き家数の推移が分かるデータがあります。このデータをもとに空き家の現状を解説します。
 

現状の空き家率

国土交通省が5年ごとに公表している「空き家等の現状について」という資料によると、空き家の数は全国で以下のとおり推移しています。

・1988年:394万戸
・1993年:448万戸
・1998年:576万戸
・2003年:659万戸
・2008年:757万戸
・2013年:820万戸
・2018年:849万戸

上記の20年間で、約2.5倍も空き家が増えています。また、2018年の空き家率は13.6%ですが、このまま微増すると、20%まで増加するシナリオが考えられるとする研究機関もあります。いずれにしても政府の対策の成否や所有者の対策によっては、増加する可能性があるのは間違いないでしょう。
 

空き家が増加している理由

そもそも空き家が増加してきた理由には、どのようなものがあるのでしょうか。考えられる原因には、以下のものが考えられます。

・高齢化社会
・所有者の管理、活用の問題
・相続による取得

高齢化によって、所有者が老人ホームに移ったため住居が活用されていないケースがあります。その場合は所有者の子どもが活用すればよいのですが、所有者の意向で賃貸などの活用ができないことも多いのです。
 
また、相続によって取得した住宅も売買が進まなかったり、賃貸するための費用がかかったりすることで放置されるケースもあります。
 
国土交通省の「令和元年空き家所有者実態調査」によると、具体的に空き家にしている理由のベスト5は以下のとおりです。

1位:物置として利用しているから(60.3%)
2位:解体費用をかけたくない(46.9%)
3位:さら地にしても使い道がない(36.7%)
4位:好きなときに利用や処分ができなくなる(33.8%)
5位:住宅の質の低さ(古い、狭いなど)(33.2%)

 

政府の空き家対策

空き家の増加に関しては、国としても対策を講じています。国の対策として打ち出された法令・省令、ガイドラインなどは下記のとおりです。

・法令:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)
・省令:空家等対策の推進に関する特別措置法施行規則(平成27年総務省・国土交通省令第1号)
・告示:空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針(平成27年総務省・国土交通省告示第1号)
・ガイドライン:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)

特に特別措置法は、空き家の定義や地方自治体による立ち入り調査の権限や義務などを定めた、空き家対策の根本となる重要な法律です。
 

2023年までに空き家を売却したほうがよい理由

空き家を処分するには、2023年までがよいといわれています。これは空き家に関わる各種法律などの影響により、2023年中の処分にメリットがあると考えられるからです。
 
空き家の売却に影響がある法令としては、相続登記の申請義務化やマンション管理適正化法改正が挙げられます。また、法律以外でも不動産価格の変動も売却には大きな影響があるでしょう。以下で、具体的に売却理由を解説します。
 

相続登記の義務化

2024年4月1日から、相続により不動産を取得した場合は、取得を知った日から3年以内に不動産名義人の変更手続きが義務付けられ、罰則(10万円以下の過料)が科されることになりました。それ以前も名義変更することは義務でしたが、罰則はありませんでした。これが罰則付きで義務化されることによって、名義変更が促進され所有者不明の不動産の減少が期待されます。
 
したがって、相続によって不動産を取得した人は、特に理由もなく名義変更を怠っていると過料が科せられるので、2023年度中に変更登記を済ませましょう。
 

不動産価格の変動

不動産の売却によって流通の活性化を図ることは、空き家対策のひとつとして有効な手段です。
 
ただし売却には市場価格が大きな影響を及ぼします。2023年は、全国的に不動産価格が上昇しているといわれています。不動産価格は急に下落に転じることもあるので、上昇傾向が続いているうちに売却を検討するのは理にかなっています。
 

マンション管理適正化法改正の影響

空き家は、一戸建てだけではなくマンションの場合もあります。マンションの一室であれば、一戸建てに比べると比較的処分しやすいと思われがちです。しかし、マンションの処分を検討している人は、なるべく早く売却することを検討したほうがよいでしょう。
 
なぜなら、マンション管理適正化法の改正が2022年4月より実施されているからです。改正によってマンション管理の可視化が進み、可視化されていない管理のマンションは価値が下がることが予想されます。価値が下がる前に処分することで、ある程度評価額を保てる可能性があります。
 

空き家と税金

不動産に関わる税金として、固定資産税や都市計画税があります。固定資産税や都市計画税は、自宅用地や自宅新築の場合に減税される特例があり優遇されています。場合によっては空き家であっても土地は自宅用地とみなされるため、最大6分の1の減税があります。
 
しかし、「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空き家対策特別措置法)」が2015年5月に施行されてからは、以下のいずれかに当てはまる空き家は「特定空き家」とみなされて特例から除外されるうえに、50万円以下の過料が科されます。

◆特定空き家の要件

・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・そのまま放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空き家と判断されるような状態になる前に、空き家は早めに処分しましょう。
 

空き家問題は個人での対応が不可欠

空き家対策として国ではさまざまな施策を行っており、罰則規定のある法律も施行されています。空き家を放置していると周辺の環境への影響だけでなく、所有者にも経済的なダメージがあります。
 
相続した不動産を放置していると登記しないだけでも過料が科されるなど、何もしないことがデメリットになるのです。空き家問題を解決するためには、国の施策以上に所有者個人の問題意識と行動が必要です。本記事を参考に、2023年のうちに空き家問題が解決できるよう検討・行動されてはいかがでしょうか。
 

出典

国土交通省 空き家等の現状について
国土交通省 令和元年空き家所有者実態調査
国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
国土交通省 改正マンション法関連情報
宇都宮地方法務局 知っていますか?相続登記の申請義務化について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集