更新日: 2023.05.17 その他暮らし

独立・起業した会社経営者に朗報! 協会けんぽの健診、自己負担額が減った!

独立・起業した会社経営者に朗報! 協会けんぽの健診、自己負担額が減った!
会社員の間は、毎年会社で決まった時期に健康診断を受けることになっているでしょう。しかし、退職して独立・起業した場合、健康診断は自分で日程を決めて定期的に受診する習慣をつけることが大切です。自分で受診しに行くとなると、日時も自分で決めなくてはならないだけでなく、費用も掛かります。
 
会社等を設立後、協会けんぽの健康保険に加入している場合、その費用の負担が軽減されることになりました。
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

生活習慣病予防健診への補助

独立して会社等法人を設立すると、原則、健康保険の被保険者にもなりますが、主に中小零細企業向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)での被保険者となることが多いでしょう。
 
協会けんぽで被保険者になると、毎年、生活習慣病予防健診を受診できます。その生活習慣病予防健診の費用については協会けんぽからの補助があるため、本来の費用より低い自己負担額で受診ができることになっています。
 
生活習慣病予防健診には種類がありますが、そのうち一般健診(35~74歳の被保険者を対象とした約30の検査項目の健診。)について、補助額、そして補助額を差し引いた自己負担額は【図表1】のとおりです。その補助額と自己負担額は2023年度から変わっています。2022年度の補助額は1万1696円、自己負担額は7169円だったところ、2023年度は補助額が1万3583円となり、自己負担額が5282円になりました。
 


 
2023年度は費用総額の約7割が協会より補助され、自己負担額が2022年度より約1900円負担減ることになったため、一般健診は受診しやすくなったといえます。
 

一般健診以外の補助額と自己負担額

協会けんぽには一般健診以外にも被保険者向けの健診があります。それらにも協会けんぽからの補助があり、2023年度は2022年度より補助額が増え、結果、自己負担額も少なくなります(【図表2】)。一般健診と同じように受診しやすくもなるでしょう。
 


 
なお、40歳から74歳の被扶養者を対象とした特定健康診査については、補助額が最高で7150円(※基本的な健診と詳細な健診を受診した場合は合計1万550円)で、2022年度と変わりありません。健診費用自体は医療機関によって異なりますので、健診費用から補助額を差し引いた額が実際の自己負担額となります。
 
また、被保険者も被扶養者も、協会けんぽの補助を活用した人間ドック(差額人間ドック)を受診することも可能となっています。
 

定期的な受診で病気の早期発見・治療が大事

独立して経営者となると、事業のことだけでなく、自身の健康も自らしっかり管理する必要があります。単に受診するだけではなく、受診した結果「要精密検査」と出た場合は、早期に精密検査を受け、病気が見つかった場合は早期に治療することが大切です。
 
早めに対処することができれば、医療費の負担も少なくなります。会社や事業のためだけでなく、自身の健康のため、医療費の支出の抑制のためになるでしょう。
 
一般健診は労働安全衛生法の健康診断の内容も網羅していますので、経営している会社に従業員(35~74歳の被保険者)がいれば、従業員向けの健康診断としても活用してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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