更新日: 2019.01.07 その他暮らし

MaaSというキーワードが変えるクルマのある暮らし~ 実はもう身近で変化ははじまっています

執筆者 : 藤木俊明

MaaSというキーワードが変えるクルマのある暮らし~ 実はもう身近で変化ははじまっています
MaaS(マース)というキーワードをよく見かけるようになりました。これは「Mobility as a Service」を縮めた言葉です。

「移動のサービス化」という意味ですが、ちょっとイメージしにくいかもしれません。

ざっくりと「“所有するクルマ”から、“所有せず使いたいときに使うクルマ”のありかた」と考えていいでしょう。その動きは着実にわたしたちの生活に起きています。
 
藤木俊明

Text:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

クルマに支払う税金や駐車場代が気になります

クルマを持つと、車両代金だけでなく税金や保険などいろいろなお金を支払う必要があります。さらに、毎月の駐車場代(都市部なら数万円)やガソリン代、メンテナンス費(定期的な法定点検はもちろん)もかかります。
 
ところが、それだけお金を払っていても、平日にはクルマは駐車場で眠っていて、土日しか乗らないという人もいるでしょう。
 
毎日クルマを使う人でも、専業のドライバーでない限り、目的地までクルマを使っても、どこかの駐車場に停めたままですよね。
 
そうです。いろんな経費がもったいないのはもちろん、大きな視点で見ると、「停めておいたままのクルマ」は、実は有効活用されてないのでは? 
 
そして、そのための駐車場のスペースじたいもったいないのではないかという指摘がなされています。たとえば家やマンションを建てるときも、駐車場をなくせば、その分もっと部屋を増やせそうです。
 
そこで注目されるのがMaaSです。クルマを自分で所有しないで、必要なときだけクルマを使うシステム。そう言われればすぐ思い浮かぶサービスがあるでしょう。そう、「カーシェアリング」のサービスです。
 
カーシェアリング大手の「タイムズ カー プラス」のサイトを見ると、基本料金は個人プラン月額1030円で、使用料は15分206円~(税込み)です。
 
しかもこれにはガソリン代、万一の事故のとき補償してくれる各種保険も含まれています。使いたいときにスマホで予約して借りるだけですので、メンテナンス費も税金もかからないし、駐車場の心配もいらないので、とくに駐車場代の高い都市部で注目されています。
 
ほんとうにクルマ好きで所有したい人は別として、リーズナブルにクルマを利用する仕組みのひとつがカーシェアリングです。MaaSが現実の生活に表れているのです。
 

自分の所有するクルマを貸し出す副業も登場

新たな副業も生まれています。クルマを所有しているけど、駐車場代など経費の分ぐらい稼げないかなあと感じている人に、「Anyca(エニカ)」というシェアサービスがあります。
 
Anycaは「個人間でカーシェア」する仕組みです。オーナーとして「自分が使わないときは使いたい人に貸してもいいクルマ」をアプリに登録しておくと、借りたい人から連絡が来て、条件がマッチングすれば成立です。
 
登録は無料ですが貸出金額から10%のシステム使用料が引かれます。これも “所有せず、使いたいときに使える”クルマのありかたのひとつかもしれません。
 

自動運転が本格化する未来へ

遠くない時代に自動運転が本格化するといわれています。
 
想像も含めてですが、自分ではクルマを持つ必要がなくなり、アプリで呼び出せば、近くを走っているクルマが家まで迎えに来てくれるかもしれません。そうしたら、家や街に駐車場のスペースは必要なくなり、そのスペースは有効活用されるでしょう。
 
そんな生活ではクルマを持たない代わりに、毎月その「移動サービス料金」を支払うことになるのでしょう。これが近未来における「移動のサービス化」のひとつのイメージです
 
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
明治大学リバティアカデミー講師・副業評論家

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