購入した中古物件が1ヶ月で「雨漏り」! 補償はされる? 中古だと「3ヶ月まで」の場合も!?
配信日: 2023.06.03
本記事では、中古住宅購入後の雨漏りについて対処法と、どのような場合に補償を受けられるかについて解説します。
執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種
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中古住宅購入後でも補償される可能性はある
結論から述べると、中古住宅の購入後でも雨漏れなどの際に修理の費用が補償される可能性はあります。
ただし、次に解説する要件を満たす必要があります(実際に補償があるかは個々の契約内容によって異なります)。
契約不適合責任を主張する
中古住宅の購入後に雨漏りなどの問題が生じた場合、「契約不適合責任」が適用されれば修繕費用などが補償される場合があります。
「契約不適合責任」とは、売買契約に基づき引き渡された物件が、契約内容に適合していない場合、売り主が買い主に対して責任を負うことです。中古住宅の品質が契約内容と異なる場合、民法に基づいて買い主は売り主に修理やその費用を請求できます。
中古住宅では「3ヶ月まで」の場合も
ただし「契約不適合責任」の効力は、永久に続くわけではありません。売買契約書には通常、売り主が修理費用を負担する期間が記載されています。この請求期限は中古住宅の場合、「引き渡しから3ヶ月以内」などと記載されることが一般的です。
したがって、契約書で定められた請求期限内であれば、売り主に対して修理費の請求や損害賠償請求が可能となります。 ちなみに、もし売買契約書に請求期限が明記されていない場合、請求期限は雨漏りを知った日から1年となります。
雨漏り以外にもありがちなトラブル
中古住宅の購入後に、よく発生するトラブルは雨漏れ以外にも存在します。特に一般的なのは、シロアリの被害や電気・水道設備の故障などでしょう。
シロアリ
シロアリは中古住宅の購入時にとくに注意を払いたい問題です。シロアリの被害が進行すると、家全体の構造を危うくさせる可能性があり、特に木造住宅ではリスクが高まります。シロアリ被害は一見しただけでは分かりにくいため、購入前の調査が重要です。
電気・水回りの設備故障
中古住宅の電気・水回り設備は、新築住宅と比べて故障のリスクが高まります。こうした設備が故障すると、生活に影響をおよぼすことになります。経年劣化による故障は、契約不適合責任を問えないことに注意が必要です。購入前に、不具合がないかをしっかり確認するようにしましょう。
住宅を購入の際は契約書を十分確認しましょう
中古住宅を購入して、すぐに雨漏れなどの問題が生じた場合、まずは契約不適合が適用されるかが重要になります。請求期限内であれば売り主に請求できますが、期限を過ぎている場合は補償を受けることが困難になります。
まずは住宅を購入する際、契約書の詳細をじゅうぶんに確認し、問題が生じた場合の責任の所在と請求期限について、きちんと理解しておくことが大切です。また、雨漏りやその他の問題が生じた場合には、すぐに売り主や不動産会社に連絡し、可能であれば建築の専門家への相談をおすすめします。
出典
e-Gov法令検索 民法
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種