【ハイブリッド車VSガソリン車】価格差を「ガソリン代」で回収するためには、「約11万キロ」走る必要あり!?

配信日: 2023.06.06

この記事は約 3 分で読めます。
【ハイブリッド車VSガソリン車】価格差を「ガソリン代」で回収するためには、「約11万キロ」走る必要あり!?
車を買い替えるとき、ハイブリッド車とガソリン車で迷ったことはありませんか?
 
各社のラインアップを見ると、高いグレードにハイブリッド車、安いグレードにガソリン車が配置されているのが一般的です。ハイブリッド機能を備えている分、価格が高いのは理解できますが、その価格差をガソリン代で回収できるものなのでしょうか。
 
本記事では、ハイブリッド車とガソリン車の価格差をガソリン代で埋めるには何万キロメートル走る必要があるのかを計算してみます。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

ガソリン代は168円で計算

経済産業省資源エネルギー庁の給油所小売価格調査によると、2023年5月22日時点におけるガソリンの店頭現金小売価格は1リットルあたり168.1円となっています。
 
図表1の直近1ヶ月間の動きを見ても、168円前後を推移していることから、本記事での試算におけるガソリン代は168円として計算してみたいと思います。
 
【図表1】


 
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
 

トヨタ「ノア」の場合

まずは街中でもよく見かけるファミリーバン「ノア」で比較してみましょう。比較するハイブリッド車とガソリン車は、いずれも最安グレードをチョイスします。

ハイブリッド車:327万円(燃費22.0キロメートル/L)
ガソリン車:267万円(燃費15.1キロメートル/L)
価格差:60万円

ハイブリッド車とガソリン車では、ガソリン1リットルあたりの燃費に6.9キロメートル/L(22.0キロメートル/L-15.1キロメートル/L)の差があります。1リットルのガソリン代が168円とすると、1キロメートルを走るためにかかるガソリン代は、ハイブリッド車で約7.6円、ガソリン車で約11.1円となり、その差は約3.5円です。
 
車本体の価格差60万円をガソリン代で回収できる走行距離は、約17万1000キロメートル(約60万円÷約3.5円)という結果となりました。
 
一般的に、車の寿命は走行距離10万キロメートルといわれています。もちろん、中には難なく15万キロメートル、20万キロメートルを走る車もありますが、多くの車は10万キロメートルを超えてくると修理が多発するようになるからです。約17万1000キロメートル走るまで使い続けるというのは現実的には難しいでしょう。
 
つまり、ノアでハイブリッド車を購入する場合、「燃費がよいから」を理由にするのは的外れかもしれません。「エンジン音が静か」、「走りが力強い」など、価格差に燃費以外の魅力を感じた場合に選ぶのであればよいでしょう。
 

ホンダ「フィット」の場合

ノアと同じ計算をホンダのフィットでも行ってみます。

ハイブリッド車:約199万円(燃費30.2キロメートル/L)
ガソリン車:約159万円(燃費18.7キロメートル/L)
価格差:約40万円

ガソリン1リットルあたりの燃費差は11.5キロメートル/L(30.2キロメートル/L-18.7キロメートル/L)、1キロメートルを走るためにかかるガソリン代は、ハイブリッド車で約5.6円、ガソリン車で約9.0円となり、その差は約3.4円です。
 
よって、車本体の価格差約40万円をガソリン代で回収するためには、約11万7000キロメートル(約40万円÷約3.4円)の走行距離が必要となります。ノアよりも少し現実的な走行距離となりましたが、それでも寿命いっぱいに乗って、ようやく回収できるといったところでしょう。
 

まとめ

ハイブリッド車とガソリン車の価格差はガソリン代では回収できない可能性が高いです。
 
本記事では、カタログ燃費を使用しているため、実燃費とは誤差がある点は否めません。しかし、それはハイブリッド車とガソリン車の双方にいえることであり、結論としては同じでしょう。
 
ハイブリッド車の購入を迷う際には、燃費以外のメリットに目を向けることをおすすめします。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
トヨタ自動車株式会社 トヨタ ノア 価格・グレード
本田技研工業株式会社 タイプ一覧 フィット
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集