41歳年収350万円、高校生の子どもをもつひとり親。「何とか大学まで通わせたい」場合、国からの補助を受けられる?

配信日: 2023.06.06

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41歳年収350万円、高校生の子どもをもつひとり親。「何とか大学まで通わせたい」場合、国からの補助を受けられる?
ひとり親世帯において、子の進学は切実な問題の一つです。特に年収350万円の世帯では、大学進学も厳しく感じられることでしょう。
 
そこで、41歳で年収350万円、高校生の子を持つひとり親世帯を例に、子の大学進学のために国から受けられる4つの補助制度について紹介していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国の高等教育の修学支援新制度(通称:大学無償化)

まず知っていただきたい支援制度に「国の高等教育の修学支援新制度」、通称大学無償化があります。大学無償化は、大学進学において授業料と入学金の減免、そして給付型奨学金の給付という3つの面から支援を受けられるものになります。
 
対象となる世帯は住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯とされています。控除や子の数などにもよりますが、41歳のひとり親で年収350万円であれば、少なくとも住民税非課税に準ずる世帯として扱われ、支援を受けることができるはずです。
 
ただし、住民税非課税世帯に準ずるとされる場合は支援額が非課税世帯の3分の2ないし3分の1になる点にはご注意ください。
 
実際に何円が支援されるかは、進学先の学校などによっても異なります。まずは進学資金シミュレーターで確認してみることをおすすめします。
 

国の教育ローン

日本政策金融公庫が実施している教育一般貸付 (国の教育ローン)の利用も検討してみましょう。先の大学無償化では大学進学にかかる費用を全額賄えるわけではないからです。
 
また、大学無償化や奨学金はあくまでも大学在学中の費用の支援が主になります。受験費用や受験対策にかかる費用といった、進学決定前に必要となる費用は対象外となっています。
 
希望する大学に進学するために、予備校に通う必要があれば、年間で数十万円受験対策費用がかかることもあるでしょう。受験費用においても私立大学であれば1校ごとに3万円から3万5000円ほどの受験料がかかり、遠方の学校を受験する場合は交通・宿泊費なども生じることになります。
 
子どもが希望する大学に進学できる環境を整えたいという場合や入学前に支払うことになる受験料・入学金などの諸費用の負担が重いという場合は国の教育ローンについても検討するべきです。
 
また、教育ローンの場合は原則親が借り入れるものになるため、奨学金と異なり、子どもに返済の負担がかかりません。審査の申し込みから10日程度で結果が出て、申し込みは24時間365日インターネットから可能なため、他の制度のように申し込み時期の制約などにとらわれず汎用性も高いです。
 

奨学金

大学の学費を賄うために多くの方が利用している、日本学生支援機構の奨学金もあります。年収350万円であれば給付型、貸与型どちらも利用できる可能性が高いです。本人の学力要件など、その他の要件を満たすことも必要ですが、給付型は返済不要であるという点が非常に魅力的です。
 
また、貸与型でも無利子となる第一種奨学金であれば、利子が生じない分返済時の負担も小さくすることができます。有利子となる第二種奨学金は、利子こそ生じるものの、月額で最大12~16万円も借りることができるため、私立大学の学費であっても大抵は奨学金のみで賄うことができます。
 
ただし、進学後スムーズに受け取るためには、進学前から手続きをすることが必要ですし、そうしたとしても実際に奨学金が振り込まれるのは必要書類提出から1~2ヶ月先になってしまう点には注意が必要です。
 
なお、奨学金は先に紹介した大学無償化制度や国の教育ローンと併用が可能です。
 

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の修学資金

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の修学資金もひとり親であれば利用が可能です。
 
授業料、書籍代、交通費などに必要な資金が対象となり、月額最大で14万6000円を借りることができます。詳細については最寄りの地方公共団体の福祉担当窓口に問い合わせましょう。
 

年収350万円のひとり親でも国の補助を受けて子どもを大学進学させることができる

41歳、年収350万円のひとり親であっても、国からの補助制度を利用することで子どもを大学に進学させることができます。
 
まずはどのような制度があるか知り、それが利用できるかどうかを確認し、計画的に手続きを進めてみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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