更新日: 2023.06.08 その他暮らし

知り合いから「お金を貸してほしい」と言われました。貸すのであればしておいた方がよいことはありますか?

知り合いから「お金を貸してほしい」と言われました。貸すのであればしておいた方がよいことはありますか?
親族や知人に「お金を貸してほしい」と頼まれることもあるかと思いますが、そのままお金を貸してしまうと、トラブルになりかねません。
 
親しい仲であっても、お金の貸し借りには「借用書」を作成する必要があります。
 
今回は、安全にお金を貸す方法と、お金を貸し借りする際に、注意すべきことをまとめました。のちに、大きなトラブルや問題を引き起こさないためにも、適切な対応をとることが大切です。
FINANCIAL FIELD編集部

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借用書とは?

借用書とは、お金を貸す側(貸し主)と借りる側(借り主)との間で、お金のやり取りがあったことを証明する書類です。
 
借用書がないと、正しく返金されないなどのトラブルに発展するリスクが高まります。また借用書には、貸し主と借り主の認識のズレを解消するという目的もあります。
 
しかし、個人で作成した借用書は「私文書」に分類されて、法的効力はありません。公証役場や公証人によって作成したものは「公正証書」として扱われ、法的効力が強くなり、正式な証明書としての役割を果たせます。
 
貸すお金の金額が大きい場合などは、公正証書として作成するほうがよいでしょう。
 

借用書の作成方法や記載すべき項目

借用書を作成するタイミングは、お金の貸し借りが発生する前が最適です。
 
書類作成時には、両者が同席して、借用書の内容を互いに納得したうえで、署名・押印することが大切です。
 
もし、公正証書にするならば、公証役場の公証人に作成を依頼しましょう。事前に双方で話し合い、まとめた内容を伝えるとスムーズです。
 
また借用書は、記載すべき内容が決められています。具体的な項目は、以下の通りです。
 

・書類作成日
・契約金額(貸すお金)
・お金を借りた事実
・返済方法
・返済期日
・貸し主の名前、住所、押印
・借り主の名前、住所、押印
・返済が滞った場合の処置
・利息の有無や利率
・連帯保証人

 
連帯保証人の有無は、双方の相談にもとづいて決定可能ですが、貸す金額が大きい場合には、依頼したほうがよいでしょう。ただし、連帯保証人を立てる場合は、保証人になる人に、直接署名してもらわなければなりません。
 

借用書を作成する際の三つの注意点

最後に、借用書を作成する際の注意点をお伝えします。
 
間違った方法で作成してしまうと、効力が弱くなってしまうことがあるため、注意しましょう。
 

1万円以上の貸し借りの場合は収入印紙が必要

1万円以上の額を貸し借りする場合には、金額に応じた収入印紙が必要です。
 
【印紙税額】
図表1

借用金額 収入印紙の金額
1万円未満 非課税
10万円以下 200円
10万円超え50万円以下 400円
50万円超え100万円以下 1000円
100万円超え500万円以下 2000円
500万円超え1000万円以下 1万円
1000万円超え5000万円以下 2万円
5000万円超え1億円以下 6万円
1億円超え5億円以下 10万円
5億円超え10億円以下 20万円
10億円超え 50億円以下 40万円
50億円超え 60万円

※国税庁「印紙税額の一覧表」をもとに筆者作成
 
また、収入印紙を貼る際は、消印を忘れないように、注意してください。収入印紙代をどちらが負担するのかは、双方で相談して決めましょう。
 

署名や個人情報の箇所は自筆で記載

貸し主・借り主・連帯保証人の氏名や住所などは、自筆で記載しないと、偽造と認識され、効力を発揮しない可能性があります。また押印は、パソコン上での押印ではなく、実際に印を押しましょう。
 

正本を2通作成

借用書は、正本を2通作成しておくと安心です。1通しか作成しておらず、万が一紛失してしまった場合には、証拠が失われて、トラブルになりかねません。貸し主と借り主の双方で、保管するようにしましょう。
 

借用書を作成して金銭トラブルを未然に防ごう

お金の貸し借りでは、親族・知人を問わず、借用書を作成しておくことが大切です。とくに金額が大きくなる場合には、連帯保証人をつけて「公正証書」として作成しましょう。
 
「公正証書」として、公証人に依頼する場合は問題ありませんが、自分たちで「私文書」として作成する場合は、正しい方法で記載しなければなりません。作成方法によっては、無効になってしまう可能性があるからです。
 
今回ご紹介したポイントを押さえて、双方が納得する借用書を作成しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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