更新日: 2019.01.10 その他暮らし
就業時間中にたばこ休憩を禁止することはできる?吸う人と吸わない人との公平性は保たれるのか?
しかし、あまりに頻繁に一服する人や、一回の休憩が長い人に対しては、喫煙習慣のない社員が不公平に感じることもあるのではないでしょうか。
そのような人に対して、雇用主がたばこ休憩を禁止させることはできるのでしょうか。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。
目次
喫煙可能な会社でも「屋外のみ」が約4割。喫煙者を採用しない企業も
本題に入る前に、昨今の喫煙に対する会社の取り組みを見てみましょう。
厚生労働省が発表した『平成 28 年「労働安全衛生調査(実態調査)」』によると、受動喫煙防止対策に取り組んでいる事業所の割合は85.8%と、全体の8割を超えることが分かりました。
さらに、禁煙・分煙の状況をみると、「事業所の建物内全体(執務室、会議室、食堂、休憩室、商談室等含む)を禁煙とし、屋外のみ喫煙可能としている」が 39.3%と最も多く、「事業所の内部に空間的に隔離された喫煙場所(喫煙室)を設け、それ以外の場所は禁煙にしている」が22.9%、「屋外を含めた事業所敷地内全体を禁煙にしている」が14.0%と続きました。
喫煙可能な会社でも「屋外のみ」という事業所が4割近くとなり、屋外も含めて敷地内全体で禁煙としている事業所が1割以上もあるという結果です。
最近では、喫煙者を採用しないと宣言している企業や、面接時に喫煙の有無を確認する企業も出てきています。その理由としては、「頻繁に休憩が認められることは、喫煙習慣のない社員からみると不公平に感じる」「作業効率の低下」などが挙げられています。
やはり、「たばこ休憩」に関しては、企業も今までのように容認できない時代となってきているようです。
参考資料:厚生労働省『平成 28 年「労働安全衛生調査(実態調査)」』
就業規則において喫煙を禁止していない会社で、たばこ休憩を禁止することはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。
就業時間中にたばこ休憩を禁止することは可能です。
また、就業規則で「〇時から△時まで働く」と定められている場合、就業時間中のたばこ休憩分を時給換算して、控除することができるのではないでしょうか。たばこ休憩をしたうえで所定の労働時間以上働いているのであれば、残業代を出さないということもできるかと思います。ただし、これらは時間管理ができている場合の話です。
たばこ休憩ではなく、中抜けして寝ていたり、遊んでいたりしたら、それは「勤務態度」の問題になるでしょう。ちなみに、リモートワークなどは、パソコンの稼働時間から勤務時間を算出する場合があるようです。
たばこ休憩は禁止できる。たばこ休憩分の時給を控除することも可能なのではないか
雇用主は、従業員の就業時間中のたばこ休憩を禁止することが可能だということが分かりました。
もし、会社でたばこ休憩の禁止や時給の控除を言い渡されたとしても、そこは甘受するしかありませんね。
このような休憩が容認されているのは、あくまでリフレッシュが目的だからではないでしょうか。仕事に影響が出ては本末転倒です。節度をわきまえて、周りに迷惑をかけないように上手く休憩をとりましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。