更新日: 2023.06.12 子育て

奨学金の「限度額」はいくら? 第一種奨学金と第二種奨学金で比べてみた

執筆者 : 柘植輝

奨学金の「限度額」はいくら? 第一種奨学金と第二種奨学金で比べてみた
大学などへの進学に当たり、奨学金の利用を検討している学生やその親の中には、一体いくらまで借りることができるのか気になっている方もいるでしょう。そこで、独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金で借りられる上限額について確認します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

奨学金の種類は? 第一種と第二種の違いは?

日本学生支援機構の奨学金は大きく分けて、返済不要の給付型奨学金と、返済が必要な貸与型奨学金があり、さらに貸与型奨学金は第一種奨学金と第二種奨学金に分類されます。
 
貸与型奨学金は、卒業後など貸与期間が終了したあとで、借りた金額を所定の条件に応じて分割で返済していくことになりますが、無利子で貸与を受けられる第一種奨学金に対して、有利子となる第二種奨学金は返済時に利子の支払いが生じます。
 
奨学金の利用を検討する際は、貸与型の第一種・第二種奨学金は返済が必要であること、また第二種奨学金は利子が生じることを覚えておいてください。
 

2つの貸与型奨学金で借りられる上限額は?

ここでは大学(4年制)へ進学する際に貸与型学金を利用する場合、第一種・第二種奨学金で借り受けが可能な上限額についてチェックしていきます。
 
まずは無利子の第一種奨学金ですが、貸与額は国公立/私立の学校区分のほか、自宅/自宅外からという通学の条件によっても異なり、月額2万円から最大で6万4000円となっています。
 
図表1

出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「平成30年度以降入学者の貸与月額」
 
一方、有利子の第二種奨学金の場合、月額2万円から12万円までの範囲(1万円単位)で借りることができ、上限額は第一種奨学金より5万6000円多くなっています。
 
ここで気になるのが、第一種奨学金と第二種奨学金を併用できるかということです。第一種奨学金で月6万4000円、第二種奨学金で月12万円を借りることができれば、合計で月額18万4000円となり、状況によっては学費だけでなく1人暮らしにかかる生活費も奨学金で賄うことができそうです。
 
この点について、第一種奨学金と第二種奨学金の併用は可能で、それぞれ上限額まで借りることはできます。ただし、貸与期間の終了後は返済が必要であり、第二種奨学金では利子も生じるため、その旨をしっかりと理解して借りる金額を考えなければなりません。
 

第一種・第二種を併用するハードルは高い

有利子の第二種奨学金については、第一種奨学金と比較して貸与の要件は緩やかに設定されています。家族構成にもよりますが、年間の世帯収入が1100万円以上でもない限り、奨学金を借りるための家計の基準は満たします。
 
図表2

出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「進学前(予約採用)の第二種奨学金の家計基準」
 
一方、無利子の第一種奨学金は家計の基準についてハードルが高くなり、世帯年収が716万円(目安)を超えていると貸与を受けられない可能性もあります。そして、第一種奨学金と第二種奨学金の併用では基準はさらに上がり、目安となる世帯年収の上限が661万円となるケースもあります。
 
また、第一種奨学金は本人の学力が第二種奨学金よりも重視され、進学前の予約採用の場合は原則として、申込時までの全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上あることなどが求められます。
 
このように第二種奨学金と併用する場合も含めて、同じ貸与型でも無利子となる第一種奨学金では家計・学力について一定の基準を満たす必要があります。
 

貸与型奨学金の上限額は12万円、2種類の併用で増額も可能

日本学生支援機構の貸与型奨学金の上限額は、大学の場合は原則として無利子の第一種奨学金で月額6万4000円、有利子の第二種奨学金では月額12万円となっており、2つを併用すると最大で月額18万4000円を借りることができます。
 
ただし、上限額まで借りると将来の返済の負担が想像以上に重くなることもあり得ます。奨学金の利用を検討する際は貸与額について、卒業後に無理なく返済できる範囲にとどめておくことをおすすめします。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 平成30年度以降入学者の貸与月額
独立行政法人 日本学生支援機構 進学前(予約採用)の第二種奨学金の家計基準
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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