更新日: 2023.06.17 その他暮らし

エアコンの電気代は1ヶ月でいくら? 「1日中つけっぱなし」は本当に得なの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

エアコンの電気代は1ヶ月でいくら? 「1日中つけっぱなし」は本当に得なの?
エアコンは家電品のなかでも、電気代が高いイメージがある人が多いかもしれません。実際、エアコンを使う時期に、電気料金が増える経験をした人もいるでしょう。エアコンの電気代は、こまめにつけるより1日中つけっぱなしにしたほうが、電気代が安くなるという情報を耳にした人もいるのではないでしょうか。
 
本記事ではエアコンの1ヶ月の電気代がいくらになるのか、1日中つけっぱなしは本当に得なのかを解説します。エアコンの電気代が気になる人は、参考にしてください。
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エアコンの電気代算出方法

エアコンにかぎらず、家電品の電気代は消費電力と使用時間で計算します。消費電力は家電品の種類、商品によって違いがあります。エアコンも仕様書に消費電力が記載されていますが、「0.920(0.290~2.355)kWh」など数値に幅があります。
 
これは、消費電力量が一律ではないことを示しています。その点も考慮したうえで、まずは電気代の計算式から1ヶ月の電気代を算出してみましょう。
 

電気代算出の計算式

電気代は以下の計算式から算出します。
 
1時間当たりの消費電力(kWh)× 使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)
 
料金単価は、2023年5月現在では31円/kWhが平均となっているため、本記事ではこの単価を使用します。
 

エアコン電気代の算出

エアコンの電気料金を計算する場合も、基本的な計算式は変わりません。ただし、エアコンの仕様書には平均の消費電力に加えて、最小値と最大値が記載されています。これはエアコンが設定された室内温度に達するまでは、消費電力を大きく使用し、設定温度に達してからは最小限の消費電力で運転する特徴があるからです。
 

エアコン電気代1ヶ月分の金額と算出方法

エアコンの電気代を算出するうえで前提となる消費電力や電気料金単価は、以下のとおりとします。
 
◆計算の前提となる数値

・消費電力:冷房…0.640(0.250~1.260)kWh、暖房…0.920(0.290~2.355)kW
※ 左から平均値(最小値~最大値)
 
・電気料金単価:31円/kWh

上記を前提とすると、1時間と1日のエアコン電気代は以下のとおり算出されます。
 
◆1時間当たりのエアコン電気代
1時間の場合、設定温度に達するまで最大消費電力を使うと考えて、電気代は以下のとおりです。

・冷房:1.260kW×31円/kWh=39.0円
・暖房:2.355kW×31円/kWh=73.0円

 
◆1日当たりのエアコン電気代
1日エアコンを使う場合は、最大消費電力から最小消費電力まで幅広く変化するため、平均値を使用して以下のとおりとします。

A)冷房

・8時間:0.640kW×31円/kWh×8時間=158.7円
・12時間:0.640kW×31円/kWh×12時間=238.0円
・24時間:0.640kW×31円/kWh×24時間=476.1円

B)暖房

・8時間:0.920kW×31円/kWh×8時間=228.1円
・12時間:0.920kW×31円/kWh×12時間=342.2円
・24時間:0.920kW×31円/kWh×24時間=684.4円

 
◆1ヶ月当たりのエアコン電気代
1日当たりのエアコン代金の30日分で1ヶ月の電気代とします。

A)冷房

・8時間:158.7円×30日=4761円
・12時間:238.0円×30日=7140円
・24時間:476.1円×30日=1万4283円

B)暖房

・8時間:228.1円×30日=6843円
・12時間:342.2円×30日=1万266円
・24時間:684.4円×30日=2万442円

 

エアコン1日中つけっぱなしの電気代はお得か?

エアコンを1日中つけっぱなしにするのは、電気代が高くなるイメージの人が多いかもしれません。しかし、設定温度に達したときに最小消費電力を維持することを考えると、電気代はお得になるとも考えられます。
 
そこで計算上どの程度の違いがあるのか、30分ごとにオンとオフを繰り返した場合と1日中つけっぱなしの場合の電気代を計算してみましょう。
 

エアコンの電気代は1日のなかでも大きく変化

エアコンのスイッチを入れると最大消費電力からスタートして、設定温度に達してからは最小消費電力で運転を続けます。そのため、1日の間で電気代は大きく変化することになります。
 
しかし、30分ごとにオンとオフを繰り返す場合は、常に最大消費電力で稼働すると考えられます。したがって1日24時間、30分ごとのオンオフで稼働した場合の実質稼働は12時間となり、電気代は以下のとおりと試算できます。

・冷房:1.260kWh×31円/kWh×12時間=468.7円
・暖房:2.355kWh×31円/kWh×12時間=876.0円

一方、24時間つけっぱなしの場合は、外気温度や室内温度との差が環境によって大きく違うため、正確に試算するのは難しいので平均の消費電力で計算します。

・冷房:0.640kWh×31円/kWh×24時間=476.1円(差額 +7.4円)
・暖房:0.920kWh×31円/kWh×24時間=684.4円(差額 -191.6円)

上記を比較すると、冷房では1日つけっぱなしがやや高くなりますが、暖房では1日つけっぱなしのほうが電気代は安くなる結果になりました。
 
また、エアコンの冷暖房を比較すると、暖房時の消費電力が高いことから、冬季の電気代は夏季よりも高くなることが分かります。
 

1日中つけっぱなしがお得になる条件

計算上、暖房では1日中つけっぱなしが安くなる結果になりましたが、反対に1日中つけっぱなしが高くなるケースも考えられます。
 
想定されるケースは、以下のとおりです。

1. 1日中外気温が高く夜間も下がらない場合
2. 設定温度と外気温度の差が大きい場合
3. 日中の電気代が高く深夜の電気代が安いプランを契約している場合

1と2のケースではエアコンが最小消費電力で稼働する時間が短くなるので、つけっぱなしが高くなる可能性があります。また、3のケースでは温度差が大きく最大消費電力を使う時間帯に電気料金の単価も高いため、つけっぱなしが高くなる可能性があります。
 

1日中つけっぱなしがお得になるには条件がある

エアコンは1日のなかで消費電力が大きく違うため、平均的に計算した場合は1日中つけっぱなしがお得になる結果でも、状況によっては損をする場合もあります。
 
1日中つけっぱなしにする場合は、外気温との温度差があまりない日を選ぶようにしましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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