更新日: 2023.06.21 その他暮らし

借り上げ社宅と住宅手当の違いは? 自己都合で退職後も借り上げ社宅に住み続けられる?

借り上げ社宅と住宅手当の違いは? 自己都合で退職後も借り上げ社宅に住み続けられる?
若手社員や新入社員はまだ稼ぎが少なく、会社に借り上げ社宅制度がある場合は、非常に助かる制度でしょう。しかし、住宅手当とは何が違うのかと疑問に思う人もいるかもしれません。
 
そこで本記事では、借り上げ社宅とは何なのか、住宅手当との違いについて解説します。また、自己都合で退職した場合に住み続けられるのかについても紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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借り上げ社宅って何? メリットや住宅手当との違いを解説

借り上げ社宅とは、福利厚生の一つとして企業が賃貸物件を借り入れて社員に貸し出す制度のことです。特に、地方や海外に支社や営業所があったり、転勤が多かったりする企業に多い特徴があります。
 
借り上げ社宅の大きなメリットは、「低価格で住居を確保できること」「住居を探したり契約したりする手間が省けること」です。それに、「状況によっては通勤の手間や費用を減らせること」「節税の対策になること」もメリットといえます。
 
借り上げ社宅の場合、家賃の一部や契約更新料を企業が負担するのが一般的です。これにより、社員は低価格で住居を確保できます。物件は、企業が契約までしてくれるため、個人で面倒な手続きをする必要がありません。
 
物件が勤め先に近ければ、通勤時間や交通費も少なくて済むでしょう。また、借り上げ社宅の利用料は給与から天引きされるため、その分所得額が下がります。そのため、所得税や住民税の減額につながるのです。
 
一方、住宅手当とは、企業が社員の住居費用の一部を負担してくれる福利厚生のことです。手当は、一般的に給与に含まれています。そのため、所得額が多くなり、課税額も増える可能性があるので留意しておきましょう。
 

借り上げ社宅を退去する場合、費用ってかかるの?

退去時にかかる費用を企業と社員のどちらが負担するかは、企業によって違ってきます。どちらが負担するのかは、利用に関して企業との契約書に明記してあるはずなので、のちのトラブルを防ぐためにもしっかりと確認しておきましょう。
 
しかしながら、一般的には企業側が負担する場合が多いとされています。社員負担にすると、福利厚生としての効果が薄れてしまうのが主な理由です。
 
退去時にかかる費用としては、「原状回復費用」が挙げられます。原状回復費用とは、入居者が不注意などで室内に付けてしまった、汚れや傷を入居時の状態に戻すためにかかる費用のことです。
 
特に、子どもがいたりペットを飼っていたりする場合は注意しましょう。子どものいたずらにより住居の一部が破損したり、ペットが部屋の壁や床などに傷を付けたりすることがあるからです。このような場合、原状回復費用が必要となります。
 
ただし、壁や床の色あせ、家具による床のへこみなど、通常消耗による経年劣化の原状回復費用については、基本的に住居の管理会社や大家さんが負担することになっています。これは、過去に住居から退去する際のトラブルが多発したため、国土交通省が原状回復費用についてのガイドラインを設定したことが理由です。
 

自己都合で退職したけど、また住み続けることって可能なの?

多くの企業では、借り上げ社宅の入居期限を5~10年程度に制限しています。借り上げ社宅は、若手社員や新入社員に対しての福利厚生であるのが理由です。この理由により、一般的には退職後も住み続けることは難しいといえるでしょう。
 
ちなみに、転勤などが多い企業では、転勤した従業員が借り上げ社宅を利用できるようにしています。転勤者の入居期限は、年数ではなく、通算入居期間と定めている企業が多いです。
 
しかし、企業によっては、自己都合で退職した場合でも住み続けられるケースもあります。ただし、住み続ける場合は個人契約に変更となりますので、家賃などは自分で全額負担となり、敷金・礼金も支払いも新たに必要になるかもしれません。退職後も住み続けたい場合は、企業の担当者に相談してみましょう。
 

借り上げ社宅における特徴とメリットを生かそう

借り上げ社宅には、住居契約の手間がないことや節税面で有利になることなど、いくつかのメリットがあります。それを考えると、若手社員や新入社員、それに転勤の多い社員にとっては、借り上げ社宅制度は非常に重宝すべきものといえるのではないでしょうか。
 
仕事だけではなく、生活を充実させるためにも、借り上げ社宅における特徴とメリットをうまく生かしていきましょう。
 

出典

国土交通省住宅局 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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