更新日: 2023.06.23 その他暮らし

債券の利回りはどう計算するの?

債券の利回りはどう計算するの?
債券とは、国や地方公共団体・民間の会社が資金調達するときのいわゆる借用証書です。国が発行する債券が国債、地方公共団体が発行する債券が地方債、この2つを合わせて公共債ということもあります。民間の発行する債券が社債といいます。そのため、債券を公社債ということもあります(注:ここでは円建て債券を対象とします)。
 
多くの債券は償還日まで一定の金利分の利子を支払うことが約束されており、償還日を迎えると額面金額が償還されることが約束されています。将来どれだけ収益があるかわからない株式とは異なっています。また、債券は長期的な安定資金の調達を目的としていることから、預貯金と比べても利回りが高いものが多いといえます。
 
債券は償還までの間はいつでも売ることもできます。しかし債券相場により価格変動がありますので、回収できる資金は投資した資金よりも増えることも減ることもあります。
北山茂治

執筆者:北山茂治(きたやま しげはる)

高度年金・将来設計コンサルタント

1級ファイナンシャルプランニング技能士、特定社会保険労務士、健康マスターエキスパート
大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、全国各地を転々としてきました。2000年に1級ファイナンシャルプランニング技能士資格取得後は、FP知識を活用した営業手法を教育指導してきました。そして勤続40年を区切りに、「北山FP社会保険労務士事務所」を開業しました。

人生100年時代に、「気力・体力・財力3拍子揃った、元気シニアをたくさん輩出する」
そのお手伝いをすることが私のライフワークです。
ライフプランセミナーをはじめ年金・医療・介護そして相続に関するセミナー講師をしてきました。
そして元気シニア輩出のためにはその基盤となる企業が元気であることが何より大切だと考え、従業員がはつらつと働ける会社を作っていくために、労働関係の相談、就業規則や賃金退職金制度の構築、助成金の申請など、企業がますます繁栄するお手伝いをさせていただいています。

HP: https://www.kitayamafpsr.com

債券利回りとは

債券は、2つの収益が得られます。1つは、あらかじめ決められた毎年受け取ることのできる利息。もう1つは、債券を買った時と売った時(または償還時)の差額です(償還まで持っているときは償還差益、途中で売った時を売却益といいます)。
 
この2つの収益を合わせたものの投資金額に対する割合が利回りです。利回りは通常1年単位で表します。
 

債券利回り計算

ここでは利子が払われる債券の利付債券についてみていきます。
 
利付債券の利回りには、応募者利回り、最終利回り、所有期間利回りの3種類と、利子だけを収益として計算する直接利回りがあります。最初の3つの利回りはいつ購入していつ手放したかによって名称が違うだけです。

・応募者利回りは、発行時に買って、償還まで持っていた場合の利回り
・最終利回りは、途中で買って、償還まで持っていた場合の利回り
・所有期間利回りは、発行時または途中で買って途中で売った場合の利回り

この3つの利回り計算の考え方は、「1年間の利子(表面利率)」と「売った時と買った時の差額を1年分にしたもの」の合計を、買ったときの値段(購入価格)で割れば利回りが計算できます。
 
最終利回りの公式は、


 
では、額面100円の債券を101円で購入した場合の最終利回りはいくらになるでしょう。表面利率は0.5%で残存期間は4年とします。

{0.5円+(100円-101円)÷4年}÷101円×100≒0.25%
 
このように、購入価格が額面100円よりも大きくても利回りがプラスになることもあります。
 

留意点

債券は、発行から償還まで持っていると毎年の利息は保証されますが(信用リスクはあります)、途中で売買する場合はリスクを伴います。債券価格は常に変動しています。代表的なものは金利変動リスクです。債券価格は市場金利と反対の動きをします。市場金利が上がると債券価格は下がります。逆に市場金利が下がると債券価格は上がります。
 
しかし、すべての債券が同じ動きをするものではありません。表面利率の低い債券のほうが表面利率の高い債券よりも価格変動が小さくなりますし、償還までの残存期間の長い債券のほうが、残存期間の短い債券よりも価格変動幅が大きくなります。金利変動リスク以外には信用リスクやカントリーリスクなどがあります。
 
信用リスクは、専門の格付け会社が格付けを行っています。一般的には、AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、Cと区分されていて、BBB以上が投資適格債券といわれています。極力BBB以上の債券を買うことをお勧めします。
 
格付けも見直しされることがありますので、時々確認しましょう。
 
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント

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