虫歯治療が1本「10万円」を超えることも!? 海外で治療してもらう場合はいくらかかる?

配信日: 2023.06.23

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虫歯治療が1本「10万円」を超えることも!? 海外で治療してもらう場合はいくらかかる?
旅行先で歯の治療を受けたら日本では考えられないほど高額の医療費を請求された。こんな話を聞いたことはありませんか? 海外の医療費は、日本では考えられないくらい高くなることがあります。本記事では、日本と海外の医療費水準の違いや、旅先での高額な医療負担に備えるための対策について解説します。

1本の虫歯治療で10万円を超えることも?

医療費の水準は国・地域によってまちまちですが、ここではまずアメリカの例を見てみましょう。
 
在ニューヨーク日本国総領事館の公式サイトによれば、ニューヨークのマンハッタン地区における医療費はアメリカの中でも特に高額で、虫歯を1本治療するだけで約1000ドル(1ドル約140円として約14万円)がかかります。日本で一般的な虫歯治療を受けた際の自己負担額を数千円程度と考えれば、ケタが3つ異なる金額を請求される可能性があるということになります。
 
また同サイトによればマンハッタン地区で入院した際、室料だけで1日約2000ドル~3000ドル(同じレートで約28万円~42万円)に上ります。
 

状況によっては、総額数千万かかることも

海外で治療が必要になった場合、さらに高額の費用がかかることもあります。
 
例えば、AIG損保の公式サイトでは、以下のような海外旅行保険の支払い実績例が掲載されています。
 

●南太平洋の島で観光中に崖から転落して骨折
病院でレントゲンを撮ったところ、頸椎(けいつい)を骨折していることが分かった。現地ではじゅうぶんな治療を行える医療施設がないため、医療チャーター機で日本へ搬送することに。帰国後、頸椎の他に腰椎も骨折していたことが判明し、手術を行った。
●治療費用:約430万円
●搬送費用:約2000万円(医療チャーター機使用)
●合計:約2430万円

 
また、損保ジャパンのサイトでは次のような事例が紹介されています。
 

●アメリカ滞在中に急性心筋梗塞と診断され、そのまま入院。救援のため日本から家族が来る
●治療費用:1000万円
●救援車費用:約310万
●合計:約1310万円

 

海外へ行くときは海外旅行保険の加入を検討したい

海外で治療を受けた際にも、日本国内で治療を受けるときと同様に公的保険(海外療養費制度)でお金が戻ってきます。しかし、海外に比べ比較的安価な日本の医療費をもとに計算されるので、日本の公的保険では賄いきれない可能性がある点には注意が必要です。
 
例えば、マンハッタンで虫歯1本の治療を受け、治療費が約14万円かかったとします。日本で同じ治療を受ける場合の自己負担額が3割負担で約5000円として、公的保険によって還付される額は以下の通りです。
 
約5000円÷0.3×0.7≒約1万1600円

つまり差額の約12万円は、自己負担となるわけです。海外で治療を受けた場合の費用負担に備えるため、海外旅行保険に加入するのも1つの手段です。数千円程度で加入できるプランもあるため、費用対効果をしっかり考えて活用を検討するようにしましょう。
 

まとめ

海外へ行くと、現地の文化や自然に触れることで忘れられない体験が得られますが、現地で治療を受ける必要が生じると、その費用の高さに別の意味で「カルチャーショック」を受けるかもしれません。安心して旅行を楽しむために、行き先の医療費水準についても事前によく調べてから出発するようにしましょう。
 

出典

在ニューヨーク日本国総領事館 医療概要

 
執筆者:小泉健太郎
FP2級

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