世帯年収800万円で子ども4人の「6人家族」ですが、子ども全員を「私立大学」に行かせるのは無謀でしょうか…?

配信日: 2023.06.29

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世帯年収800万円で子ども4人の「6人家族」ですが、子ども全員を「私立大学」に行かせるのは無謀でしょうか…?
子どもを大学に進学させるためには多くのお金がかかります。特に私立大学となれば、国立や公立大学以上に多くの学費を要します。
 
「世帯年収800万円で子ども4人の6人家族」という世帯において、子ども全員を私立大学に進学させることは無謀なことなのでしょうか。考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

子ども4人全員が私立大学を卒業するには、大学だけで3000万円前後のお金がかかる

日本政策金融公庫によれば、私立大学の入学から卒業までにかかる入学費用と在学費用の合計額は、文系で689万8000円、理系では821万6000円です。
 
仮に、親が学費を全額捻出して子ども4人を私立大学へ進学、および卒業させようと思ったら、全員が文系でも約2759万円、理系なら約3286万円かかると想定されます。
 
これは年収800万円という世帯において、世帯年収のおよそ3倍から4倍程度と非常に重い金額になります。加えて高校卒業までの負担もあることを踏まえると、外部からの支援などがない限り、学費を全額家計から支出するのは現実的ではないでしょう。
 

奨学金の利用で私立大学への進学も一気に現実的なものになる

ここで利用を検討したいのが、日本学生支援機構の実施する奨学金です。
 
奨学金は子どもが将来返済していくことになりますが、有利子となる第二種奨学金であれば、子ども1人当たり最大で月額12万円まで借りることができます(医・歯・薬・獣医学の課程を除く)。
 
この奨学金を利用すれば、「年収800万円の世帯で子ども4人を私立大学へ進学させる」ことも無謀ではなくなります。将来子どもにかかる金銭的な負担が心配な場合は、奨学金相当額やその一部を子どもに渡すなど、親も一緒に奨学金を返済していくという手もあります。
 
世間では奨学金返済の負担が問題とされることもありますが、大学進学によって将来の選択肢が増えるのも事実です。奨学金は子の負担になるとひとえに考えるのではなく、子の可能性を広げられると考え、前向きに利用を検討してみてはいかがでしょうか。
 

奨学金以外に教育ローンを利用することもできる

奨学金以外に、各金融機関が提供している教育ローンの利用でも学費を確保できる可能性があります。参考までに、日本政策金融公庫の実施する教育ローンは上限450万円、返済期間は最長18年間となるため、大きな金額を小さな負担で借りることができます。
 
上限まで借りたとしても、それだけで4人分の学費を賄えるわけではありませんが、資金を工面するための制度としては十分検討に値します。
 

子どもに多少の負担をお願いすることもやむなし

奨学金や教育ローンを利用したとしても、子ども4人全員が私立大学となると、まだ厳しい場合もあるでしょう。そういった場合、子どもと相談し、アルバイトなどで学費の一部を負担してもらうこともやむを得ません。
 
子どもの進路によっては、より多額の学費がかかることもありますし、個別の事情によっては奨学金や教育ローンが想定どおりに借りられない可能性もあります。いずれにせよ、子どもの進路を考える際は、親子でしっかり話し合うことが大切です。
 

世帯年収800万円でも、工夫次第で子ども全員を私立大学まで卒業させられる

「世帯年収800万円で子ども4人を私立大学へ進学させる」ことは、一見無謀に思えるかもしれません。しかし、奨学金や教育ローンなどをうまく利用し、親子で相談しながら考えていけば、それを現実的なものにすることができます。
 
子どもの大学進学については、進路に応じた学費の予想を立て、奨学金や教育ローンなども検討しながら、親子でしっかりと話し合ってみましょう。
 

出典

日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」
日本学生支援機構 第二種奨学金(有利子で借りる)
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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