更新日: 2023.07.07 家具・片付け
片づけの美学148 もったいない収納|手が届かない高いところを生かしたい
まだモノが入るのに、使いこなせていない。筆者は、そんな収納スペースを「もったいない収納」と表現することがあります。
ただ、もったいない収納は、たいてい手が届かない上部収納だったり、奥深い押し入れだったりします。今回は、手が届かない上部収納に注目してみたいと思います。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
手が届かない上部収納の基本
上部収納には「基本の使い方」があります。
・使いづらい収納
・使っていない収納
にしないために、基本を確認しておきましょう。
■1. 重いモノは危険
まずは収納が頭よりも高い位置にあることを考え、重いモノは入れません。例えば、土鍋や水、ダンベルなど。サイズは小さくても重いモノは落下した時、とても危険です。地震だけでなく、取り出す時に落とす可能性もあります。軽いモノを収納するのがおすすめです。
■2. よく使うモノはNG
取り出す時に踏み台が必要な高さなら、よく使うモノは避けましょう。取り出すのに手間がかかると、使うのが面倒になります。片づけるのは、もっと面倒になります。年に1回だけ取り出すような使用頻度の低いモノがおすすめです。
■3. 大きいモノを入れる
下から入れ込むことを考え、1人で持ち上げられるくらいまでの大きさのモノを収納するのがおすすめです。小さいモノを入れたい場合は、似たグループのモノと一緒に箱に入れて収納しましょう。箱にラベルを貼ると、何を入れたか確認できます。
具体的な上部収納の使い方
基本の使い方をベースに、家の中の上部収納を活用するためのアイデアをご紹介します。
<キッチンの上部収納>
キッチンの上部収納は、使用頻度の低い料理グッズを入れるのがおすすめです。年に1回~数回くらいの出番のキッチンアイテムであれば、高いところにあっても不便には感じにくいでしょう。軽くて大きいモノが最適です。
例えば、
・お菓子づくりの道具
・クリスマスやお正月などの季節のアイテム
・キッチン家電の空箱
・来客用の食器
小さめの道具類は、取っ手のついたカゴなどを使って、まとめて収納します。上部収納の段が多い場合は、段数を減らすのもおすすめです。3~4段が使いやすいと感じることが多いです。
<クローゼットの上部収納>
クローゼットの上部は、オフシーズンの衣類や寝具がおすすめです。プラスチック製の衣装ケースは出し入れが大変なので、ビニール製や布製の衣類整理袋を使ってみましょう。
寝具の場合、ボックス型の布団用整理袋を使うと、重ねたり並べたりすることもできるので、効率的に収納できます。収納袋にはラベルを付けて、中身が分かるようにしておけば、次のシーズンが楽です。
他にもこんなものを収納することがあります。
・使用頻度の低いバッグ
・帽子
・思い出のモノ
・子どものおさがり服
・冠婚葬祭に関するモノ
箱や整理袋に入れて、見つけやすく収納しましょう。
<シュークローゼット・玄関の上部収納>
シュークローゼットや玄関収納は、天井高まであることが多く、大容量だからこそ使いこなしが難しい場所です。アウトドア・外遊びなど、屋外で使うアイテムも収納されているのが特徴です。
上部収納に入れるのは、
・オフシーズンのシューズ
・出番の少ないシューズ
・アウトドア用品(軽いモノ)
・外遊びの道具
・レジャーシート
カゴに入れて収納しておけば、お出掛けの時は、そのまま車に積むこともできます。
上部収納はアイデアしだい
上部収納は、手が届きづらくて、いつの間にか使わなくなってしまうことがあります。
しかし、収納するのは
・あまり使わないモノ
・だけど必要なモノ
とテーマを定めると、いろいろと思いつくモノが出てくると思います。
アイデアしだいで、上部収納を生かして、下の収納のすき間を増やすこともできます。よりモノが見つけやすく、取り出しやすい収納を目指して、上部収納を改善していきましょう。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表