病気の治療中で「週3日」しか働けません…「生活保護」は受給できますか?
配信日: 2023.07.19
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生活保護とは?
生活保護は、生活保護法に基づいて運営されている生活困窮者に対する社会保障制度です。
・生活保護の趣旨
生活保護は、日本国憲法第25条第1項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という理念に基づき、すべての国民に対して「最低限度の生活」を保障するとともに、その自立を目的として運営されています。
・2つの原則
生活保護は住民登録の有無に関係なく、居住地(現在住んでいる場所)の福祉事務所に申請するのが原則です。また、生活保護は世帯単位で受給する制度のため、申請者だけでなく世帯員全員で保護が必要かどうかを審査されます。
・生活保護の種類
生活保護は、生活、住宅、教育、医療、介護、出産、生業、葬祭という8種類の扶助で構成されています。なお、全世帯がすべての扶助を受給できるわけではありません。どの扶助が受給できるかは世帯によって異なります。
・受給できる金額
生活保護費は、地域、年齢、世帯員数などを基に計算された「最低生活費(保護基準)」と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合にその差額分が受給できます。
申請前にクリアしておくことが必要な要件とは
収入が最低生活費を下回っているだけでは、生活保護は受給できません。申請前に以下の要件をクリアしておくことが必要です。
資産の活用
預貯金、土地、家屋、車などを所有している場合は、それらを利用したり売却したりして生活費に充当しましょう。ただし、生活のために必要な家屋の所有や、通勤などに必要な車の所有は認められる場合があります。
能力の活用
働ける場合は、その能力に応じて働く必要があります。
あらゆるものの活用
生活保護以外の社会保障制度(各種手当や年金など)が受給できる場合は、そちらを先に活用しましょう。
扶養義務者の援助
援助が受けられる親族がいる場合は、その人から援助を受ける必要があります。
生活保護の可否が決定するまでの手順
生活保護の可否が決定するまでの大まかな手順は、以下の通りです。
事前の相談
生活保護を希望する場合は、まず居住地を所管する福祉事務所の生活保護担当に相談します。ここで、困窮に至った経緯などの聞き取りが行われ、生活保護以外に活用できる社会保障制度がなければ申請が受理されます。
各種調査
申請書の提出後に行われるのは、生活実態、就労収入と資産、社会保険給付、就労の可能性、扶養義務者の有無(扶養照会)などに関する各種調査です。なお、扶養照会に関しては、申請者からの聞き取りから「扶養義務者による履行が期待できない」と判断された場合には行われません。
可否の通知
申請日から原則14日以内に可否が決定され、申請者に書面で通知されます。
要望や不安は事前の相談の際に伝えよう
申請前にクリアしておくことが必要な条件や扶養照会が、生活保護の申請をためらわせる要因の1つとされています。もちろん、要件をクリアしておくことや扶養照会は原則必要とされていますが、必ずしも一律に適用されるわけではありません。要件や扶養照会に関して要望や不安がある場合はためらうことなく、事前の相談の際にその旨を福祉事務所の担当者に伝えましょう。
出典
厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 「生活保護制度」に関するQ&A
厚生労働省社会・援護局保護課 扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー